2008年 02月 27日

コルタサル「もう一つの空」

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 読んでいてもあきれるほど覚えていない。
 コルタサル短編集「すべての火は火」に入っていた
「もう一つの空」の解釈を鈴木創士氏から伺っても、
どんな話だったか、ちっとも思い出せない。

 店に来てから本棚を探る。そうか、ブエノスアイレスの
街にある回廊を歩いていると、いつの間にかパリの回廊に
通じてしまうということは、回廊はいわば大西洋を航海する
船のメタファーなのだ。船客であるのは記述者だけでなく、
パリのキャフェでアブサンを飲む「中学生坊主」みたいな
若い男もそうだ。

 エピグラフに「マルドロールの歌」が引用されている
ことから鈴木氏は、若い男をイジドール・デュカスと
推定する。こう謎解きされてみると物語がぐっとフォーカス
される。ぼんやりと読み過ごしてしまった箇所が、建築物の
細部が思い出されるように、明確さをもって浮かび上がる。
こういう構造だったのか。
 部屋に持ち帰ってまた読もう。

 昨夜も「石蹴り遊び」。雨宿りに入ったコンサート会場での
セリーヌ風エピソード等、多声的。文学は文学から創られる。
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by byogakudo | 2008-02-27 15:17 | 読書ノート | Comments(2)
Commented by hiromi suzuki at 2008-02-27 18:26 x
パリ郊外、枯葉にうもれる、ある詩人の独り住まいの小屋。
って、うっとりと写真を拡大したら。。。



笑ってしまいました!すいません!
Commented by byogakudo at 2008-02-27 18:40
そうなんです。うふふふ。新宿御苑にございます。


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