2008年 03月 08日

「石蹴り遊び」/「幻脚記 三 雨」読了

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 写真は駿河台、太田姫稲荷神社。狐の顔がいい。

 昨夜ようやくコルタサル「石蹴り遊び」(集英社 ラテン
アメリカの文学8 90再 函帯)読了。

 第一部 向う側から
 第二部 こちら側から
 第三部 その他もろもろの側から (以下の章は読み
                捨ててもよい)
の三部構成である。第三部もちゃんと読んだが、各断章の
最後に記された番号通りに、再度読み直す方法は試さな
かった。

 第一部のパリ篇がやはりいちばん好き。でも他のパーツも
面白く読める。第三部に至って、第一部で主人公が偶然
出会った交通事故の被害者が、じつはこの小説の作者・
モレリであるとわかり、モレリに頼まれて原稿を整理した
結果が、小説「石蹴り遊び」であるという構成だ。メタ
フィクションでしょ。

 けれども、豊かな比喩表現のうねりに漂いながら
読み進められるので、くささや嫌みがない。

 モレリの創作ノートに言う「雌読者」の立場__
まったき受け身の立場を離れず、作者が引っ張って連れて
行ってくれる状況に安住している、怠惰な読者の謂いで
あろう__に、あくまでもしがみつきたいならともかく、
小説は他者に読まれることで作品として成立することを認め、
読者として作品に参加することを望むなら、これは最適な
1冊だ。

 読み終えてもまだコルタサルの世界にいたくて、短扁集
「すべての火は火」を抱えて寝床へ。同じく短篇集
「海に投げこまれた瓶」が、新着欄に出して、わりとすぐ
売れてしまったのを思い出し、少し後悔するが、読んでから
棚に出す行動形式では、古本屋が成り立たない。

 「spin 03 (特集)佐野繁次郎装幀図録」が届く。書影に
カラー頁もある! 力作だ。

 早速、鈴木創士氏の短篇「幻脚記 三 雨」を読む。赤い
パートカラーのモノクローム/フィルムノアール。無声映画
なのに、雨の音と大音量の絶叫が耳に残って消えない。そんな
印象を受ける。

 今週の新着欄です。「spin 03」、当店でも販売いたします
ので、よろしく。
 新着欄
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by byogakudo | 2008-03-08 14:31 | 読書ノート | Comments(0)


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