~3月10日より続く
河盛好蔵「回想の本棚」(中公文庫 82初)の第二部「Causeries」
所収・「緑雨のアフォリズム」から引用。
<私[注: 河盛好蔵]は昭和十二、三年頃に、亡き山田珠樹先生の
鎌倉のお宅で、森鴎外宛の緑雨の片仮名まじりの長い手紙を
見せて頂いたことがある。内容はすっかり忘れてしまったが、
幸徳秋水の母堂が、「絣模様を見るようだ」と云ったという、
ひどく右下りの特徴のある筆蹟だけが記憶に残っている。>
(p210)
この手紙は森茉莉との結婚時代に岳父からもらった、という
ことだろうか。
2017年1月29日に続く~