女性のお客さまからお借りしたままの文庫本に、やっと
手をつける。わたしは近年のファンタスティックなロマンス
ものが、ほんとに苦手だ。
まず主人公が語り出す。1945年に10歳であるが、4歳の
とき母をコレラで失う。雨続きのころで、父親に<「空が
泣いているの?」>(p12)と訊ねたんだそうな。
いくつになって過去を振り返っているのか、上巻の時点では
不明だが、いやなイントロだ。
古本屋の息子という設定で、一生に一冊の本を守り続ける
お話だけれど、その本のタイトルが「風の影」。小説中の
悪魔も本から出現して彼を脅かす。ここらも不安を抱かせる。
うまく着地できればいいけれど、ジョナサン・キャロル風に
しょぼく正体を明かされたりするんじゃないかと、今から
心配している。
まあ、さっさと読めるからいい。今夜には下巻を読み出す
予定。 (集英社文庫 06年6刷帯)
先週の今日行く筈だった税務署に行って来た。一年に一回
では、ルールを覚える暇がない。ということにしておこう。