2008年 03月 24日

鳥飼否宇「官能的 四つの狂気」途中

e0030187_1340834.jpg











 これもお師匠さんからお借りした。
 「軽いよ」の触込みであったが、なかなかどうして、
賢いディクスン・カーへのオマージュだ。ポール・アルテ
なんぞと違い、カーのファルス的側面に注目した、おバカで
トゥイスティな本格(?)ミステリ、ここに登場。

 迷探偵役の助教授が、数学的思考から推理するが、
「安吾捕物帳」における勝海舟みたいな、当らずといえども
遠からず、とも言いがたい、やぶにらみな推理である。
 しかし、これを踏切台として事件が解決に向かうから
不思議である。何事も仮説から出発する、よい例だ。

 「官能的」のタイトル由来は、巻末に「広辞苑」の説明が
引用されているが__
<1 感覚器官の機能。また、一般に生物諸器官のはたらき。 
 2 俗に「感覚」「感官」と同意に用い、特に性的感覚をいう。>
__この2点を同時に押さえたネーミングである。

 助教授は、覗きを観察と解釈して、日夜研究に励むという
キャラクター設定。だから、いろいろ事件にぶつかり、自分が
犯人ではないことを証明するために思考を巡らすのだが、興奮すれば
するほど思考が急回転する。その結果、古風な本格ミステリ風推理が
飛び出し、それを出発点にして(?)警察が動く、という物語構造だ。
 リビドーと数学的推理の華麗なる結合の実例集である・・・?

   (原書房 08初帯)
[PR]

by byogakudo | 2008-03-24 13:40 | 読書ノート | Comments(0)


<< 鳥飼否宇「官能的 四つの狂気」読了      「次世代ウェブ」他読了 >>