猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2008年 04月 05日

スタージョン/プリースト併読中

e0030187_13174825.jpg








 Sの読むすきまを縫ってシオドア・スタージョン短篇集
「輝く断片」(河出書房新社 06年4刷帯)を3篇読み、同時に
クリストファー・プリースト「双生児」(早川書房 07年3刷帯)に
取りかかる。こちらは時間がかかりそうだ。
 第一章など、山田風太郎「同日同刻」かと見まがうほど、
1940年だったか41年かの__本を部屋に置いてきてしまった__
5月10日にイギリスやドイツの軍人たちが何をしていたかが
記述され、第二章にやっと入ったところである。

 第二次大戦秘話を書いている、40年か41年かの5月10日
生まれの作家が調べる資料の当該人物が、ひとりは良心的
兵役忌避者、もうひとりは空軍パイロットになった「双生児」
である。
 今読んでいるのはパイロットになった方の話で、兄弟で
ベルリン・オリンピックのボート競技に参加したときと、
追撃されて重傷を負い入院中のエピソードとが交互に語られる。
 ノンポリ青年であっても戦時下のベルリンを訪れたときの
緊張感や、怪我のショックで記憶がなかなか取り戻せない
様子が、淡々と書かれていてサスペンスフルである。

 スタージョンは、たとえば第二篇「ミドリザルとの情事」。
疎外の物語がいつの間にか艶笑譚で終わってしまう離れわざは、
スタージョンでなければ、誰も書かない(書けない)だろう。
 ヒューマーやウィットの効果をねらって書くのではなく、
体質として変なひと。そして魅力的だ。

 今週の新着欄です。よろしく。
 新着欄
[PR]

by byogakudo | 2008-04-05 13:18 | 読書ノート | Comments(0)


<< プリーストは風太郎である      花見のはしご >>