猫額洞の日々

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2008年 04月 19日

グレアム・グリーン「密使」半分弱

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 グリーンの「エンタテインメント」と「ノヴェル」に、どんな
違いがあるのか。数冊読んだ限りでは、どちらもじりじりと
サスペンスフルで暗い話だし、区別する意味がわからない。
 作者の中では何か基準があるのだろうか。

 ヨーロッパの某国で革命側・労働者側についたインテリが主人公。
ちっとも英雄的でないのが人間らしくて魅力的だ。暴力にさらされると
すぐパニックが起きる。
 敵である反革命側の貴族から、本来はこっち側の資質の人間だから、
革命成功の暁には辛いことになる。寝返らないかと誘われても、
それは承知の上で労働者サイドに在り続けようとする。

 彼が肌身離さず身につける1枚の信書・紙切れだけが、彼の立場を
証明する。それを奪おうと、敵からも味方からさえも__内ゲバの
論理か__襲撃の手が絶えない。
 絶対的な善でも悪でもありえない、サスペンデッドな人間そのもので
あるのが彼だ。すてき。
     (HPB 54初)

 今週の新着欄です。よろしく。
 新着欄
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by byogakudo | 2008-04-19 13:15 | 読書ノート | Comments(0)


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