猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2008年 04月 21日

「密使」読了、「エッフェル塔の潜水夫」へ

e0030187_1319547.jpg











 「密使」はヒチコック・パターンでもある。巻き込まれ型の
気弱な中年男を、健やかな若い女性が助けてハッピー・エンドに
もって行く点に注目すれば。

 一応ハッピー・エンドではある。敵方に殺された妻や、自身も
爆撃で生き埋めになった近過去のトラウマから抜けられない
主人公が、ようやく死者の側ではなく、生きている人間として
再び生者に信頼を抱き、ふたりで故国に戻ろうとするのだから。

 でも帰郷したところで内乱は続いている。彼らを待つのはやはり
死でしかないだろうと思わせるので、いわゆるハッピー・エンドと
いってよいものか。

 孤独で優柔不断でやり切れなさいっぱい。グレアム・グリーンが
もっと読みたい。
     (グレアム・グリーン HPB 54初)

 けれども寝床ではカミ「エッフェル塔の潜水夫」(講談社文庫 76初)。
「さまよえるオランダ人」伝説が20世紀初めのエッフェル塔周辺に
甦るが、エッフェル塔が主人公の小説か? 塔で働く主人公も
その友だちも、若い女性も、三人揃って捨子や孤児という設定は
なぜなのか、p96くらいでは不明。次々に事件や登場人物が現れるが、
物語の行き先も読めない。軽やかな場面転換を愉しめばよいのかな。
[PR]

by byogakudo | 2008-04-21 13:19 | 読書ノート | Comments(0)


<< 「エッフェル塔の潜水夫」半分ほど      やっと晴れた?/「密使」もう少し >>