~4月29日より続く
ジキル博士からハイド氏に変るなら人体だから、まだいい。
表題作「千の脚を持つ男」は、肩から上は人間だけど、手脚が
千本もの吸盤をもつ大蛸様に変化してしまう。可哀想。
せめてケンタウロスにでも変る発明だったらよかった。孤独な
菜食主義者として野山にひっそり棲息することもできたのに、
動物性蛋白質が必要な海洋生物に変っちゃうなんて、不幸この上ない。
と、すっかりフランク・ベルナップ・ロングのファンになって
しまったが、いずれも優れた短篇集で、「怪物ホラー傑作選」の
名に恥じない。配列もうまくできている。順番に読み終えてから
特にお気に入りの作に戻って味わいたくなる。
(中村融 編 創元推理文庫 07初帯)
(1)「千の脚を持つ男」
(2)「千の脚を持つ男」
Sが長篇SFを読み終えたので彼に渡す。さて、わたしは
「怪奇礼讃」だ。ん、第一作マーガニスタ・ラスキ「塔」は
どこかで読んだことがあるような。何に入っていたのだろう?