猫額洞の日々

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2008年 05月 14日

「強いばかりが男じゃないと いつか教えてくれたひと」読了

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 後半の「戦後篇」に吉村昭「清水金一さんの頭髪」があった。
これは何かで読んだ記憶がある。ちくま文庫「東京百話」かな?
 戦前、浅草の大劇場で見た当意即妙のアドリブの巧さと、それから
二十数年後、新宿のバーの片隅で遭った清水金一との対比が、
エッセイというよりむしろ短篇小説の味わいをもって語られる。

 他に、日劇ミュージックホールで共演したパン猪狩の談話と、
夫人・朝霧鏡子の綴る戦中・戦後の清水金一によって、何となく
シミキン像が見えて来たように思える。

 スマートでモダーン(戦前の舞台を「キミ、ボク」の調子で
やっている)。映画のフレームに収まりきれない、身体を張った
体技。むしろ戦後に活躍できそうなものを、何か掛け違って、
いつの間にか表舞台から消えてしまう。

 なんとなくは解る。全面的に理解共感とまで行かないのは、
受容体の問題である。わたしは、浅草がよくわからない奴だ。

   (有吉光也・淀橋太郎・滝大作 リブロポート 85初帯)
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by byogakudo | 2008-05-14 13:42 | 読書ノート | Comments(0)


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