猫額洞の日々

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2008年 05月 15日

「シミキン」追加/Heritage Scrapbooks

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 5月14日付けmicrojournal、すごいです。
素晴しいスクラップブック・サイトが紹介されています。
 webの海には、こんなに素敵な映像も漂っているのですね。
知らずに死ぬところでした。長生きしてよかった。

 昨夜も「強いばかりが男じゃないと いつか教えてくれたひと」に
ついて考えていた。なぜ、シミキンの魅力が伝わって来ないのか。
シミキン・清水金一を愛するあまり、影の部分を覆ってしまった
ことから、却って彼の全体像が見えにくくなったのではないか。

 シミキンを顕彰したい、というのが編集の出発点だ。そこで
彼のシンパの証言だけで作るのではなく、彼の欠点や生き方の
下手さ・世渡りのまずさ等にも、もっと紙面を割いた方が、
シミキン像が立体的に描かれたのではないだろうか。
 「ハリウッド・バビロン」式に強烈なライティングで影をも
際立たせる編集方針にすべきだったのでは、ないかしら。

 当時まだ生きていて、清水金一に悪感情を抱いているひとに
証言を求めても、わざわざ憎まれ役を志願するひとはいないだろうが、
シミキン夫人・朝霧鏡子の書く中で、戦後のシミキンに対する
具体的な仕打ちを全部、克明に述べるだけでも、影は深まる。

 今更思い出すのは辛くて、できるだけ軽く淡々といくつかの
事例を述べるに留める彼女の態度は、理解できる。恨みがましく
ならない態度は、立派といえば立派であるが、でも、なんというか、
母鳥が雛を翼の下にしっかり守って他を寄せつけないようにも
感じられる。
 もっとざっくばらんであっても、シミキンを傷つけることには
ならない、と思うのだが。

 たぶん、そこらが、すっきりしない読後感につながったのだろう。
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by byogakudo | 2008-05-15 14:58 | 読書ノート | Comments(4)
Commented by microjournal at 2008-05-15 19:34 x
Heritage Scrapbooks、素敵ですよね~。
ところで、せんじつ浅草をぶらついたときに何故か「巴里の空の下セーヌは流れる」が頭にながれたのです、ふしぎ。荷風は浅草に巴里を想ったのでしょうか。浅草、また行きたい。って、ただ荷風おきにいりの『かしわ南蛮』の味が忘れられないだけなのですけれども(笑)。
Commented by byogakudo at 2008-05-15 19:43
「荷風と東京」によれば、荷風が歳をとってもカツ丼やかしわ
南蛮等のお肉を食べていたのは、明治のひとの肉食信仰では
ないか、とか書いてありました。「肉さえ食べてれば栄養は
足りる」という。
基本的には、あっさりと質素な和食好きなひとなのに、
やっぱり信仰の問題でしょうか。
Commented by microjournal at 2008-05-16 03:13 x
たびたび失礼いたします!
奇しくも家族が『濹東綺譚』のDVDを借りてきたのです。
荷風演じる津川雅彦(色男すぎる?)がカツ丼を困難して食べてるシーンがおかしすぎました。でも、かしわ南蛮は、いかにも晩年の荷風が好みそうだとおもいましたよ、若鶏でさっぱりしてるし、なによりやわらかいから(笑)。
Commented by byogakudo at 2008-05-16 20:20
こちらもしぶとく映画「墨東綺譚」、但し60年代版ですが、
悪くはないんです。でも山本富士子が丈夫過ぎて、病に
伏せっていても、お見舞いに来たおじさんと、どちらが
病人だか解らないのです。芥川比呂志とからんでも彼の
やせ方が目立っちゃうし。
セットの仕上がりが素晴しいので、こちらも一見の価値
ありです。


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