2008年 05月 19日

三國一朗「肩書きのない名刺」読了

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 三國一朗というと、放送(ラジオやTV)タレントの草分けの
ひとりだが、あんまり見聞きしていない。年齢的には、もっと
知っていたっておかしくないのだが、「徳川夢聲の世界」の
著者として、むしろ思い出す。

 エッセイ集を読むのは初めてだが、どれも巧い。

 いつ書かれたのか判らないが「秋と別れ」は毎年、半年がかりで
「墨東綺譚」を読み返す話である。
 物語の進行と同期しながら読む、味わうための読み方だ。梅雨時に
読み始め、秋に読み終える。現実の四季の移り変わりとともに、
物語中の人々の運命も移り行き、読書も終わる。一種、理想的な
「墨東綺譚」の読み方だ。

 TV番組「私の昭和史」に関する章が、彼の真骨頂なのだろうが、
その番組を見ていない。

   (中公文庫 84初帯)
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by byogakudo | 2008-05-19 13:07 | 読書ノート | Comments(0)


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