2008年 05月 21日

クロフツ、橘外男 読了

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 F.W.クロフツ「ホッグズ・バックの怪事件」(創元推理文庫
84年3刷)と、橘外男「私は前科者である」(新潮社 55初 J欠)を
読み終える。

 クロフツはいつものクロフツらしく、決して急がない。推理を
続けるフレンチ警部が息抜きに映画館に入るのも含めて、何事も
見落とさず、書き落とさず、着実に書き進める。土木工事現場の
シーンになると、作者まで嬉しそうだ。

 しかし、本格ミステリって時々、そんなに都合よくことが運ぶ
ものかと疑問に思ったりする。今日お師匠さんがいらしたので
お訊ねすると、
 「そんなもんです。ディクスン・カーなんて、もっと無茶を
やります」

 橘外男「私は前科者である」は、読み終えたが何だか不可解
である。これもお訊ねしてみた。
 「彼って社会派なんでしょうか、それともノアールを狙って
いるんでしょうか?」
 「ノアールです。社会問題に関して、どうのこうのという
姿勢はありません」

 ということらしいが、1冊だけの読後感としては、ただノアール
だけを意図したにしては、ストーリーが監獄経験者の更正物語
であるので、やや断定を避けたくなる。教養小説の一種とも
読めなくはないが、他の小説は読んでいないので、留保する。
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by byogakudo | 2008-05-21 13:27 | 読書ノート | Comments(0)


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