猫額洞の日々

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2008年 05月 27日

柄刀一「密室キングダム」読了

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 やっと読み終えた。「密室」考察が大好きな方ならお薦め、
ミステリ(ストーリー)としての面白さを求めるなら薦めない。

 読み出してしまったから、お師匠さんに一言でも感想を
述べるためにだけ読み終えた。疲れた。
 いちおう全部、遺漏なく書かれている。ちゃんと出来事が
呼応し合っていて、その意味では破綻はない。つじつまが
合っている。それだけだ。
 ストーリーを盛り上げようとか、ここがクライマックスとか、
そんなものはない。どころか、どう読んでも無駄なエンディング
までくっついている。

 枠組み小説で、初めと終わりとが病院の診察室だ。ここで
関係者ふたりが過去の事件を回想するのだが、枠組みの必然性は
感じられない。「大時代な犯罪の世紀は終わった、昔はよかった」
と嘆き合ってるだけである。

 どうでもよいことだが、
< 玉世の命は、もう長くは保(も)たない。その終焉の時に、この
 悲劇を伝えられるか? 知らされた時点で、ショックのあまり
 老嬢の息は止まってしまいかねない。>(p910)
 「玉世」は結婚して子どももある未亡人だ。老夫人ではあるが
老嬢ではない。

   (光文社 07初帯)
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by byogakudo | 2008-05-27 14:20 | 読書ノート | Comments(0)


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