猫額洞の日々

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2008年 06月 29日

「メグレと宝石泥棒」「メグレと妻を寝とられた男」読了

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 Sの「ご苦労さんな奴」という視線を感じながら、遂に
メグレ警視シリーズを8冊読了。でも全36巻だから、既読を
入れても、まだ15冊以上、未読メグレがある。河出書房は
全部、文庫で再刊する予定はないかしら。ついでにドリュ・
ラ・ロシェル「ゆらめく焔」も文庫化希望です。よろしく。

 メグレ警視シリーズ20「メグレと宝石泥棒」(ジョルジュ・
シムノン 河出書房新社 83新装初)では、めずらしくメグレと
敵対しない予審判事が登場する。敵視しないどころかメグレの
ファンで、ふたり仲良くオーヴェルニュ地方の料理を出す
ビストロで昼食をとる。

 メグレ・シリーズだけではなくフランスの小説では、登場人物の
生計の立て方が書かれていることが多いように思える。
 ここでも、殺された宝石泥棒(今まで一度も捕まっていない)は
堅実に不動産投資している。アパートメント丸々一戸、連込み宿
一軒、の持主だ。

 シリーズ22「メグレと妻を寝とられた男」(ジョルジュ・シムノン
河出書房新社 78初 TV帯 VJ)は1962年作。メグレ夫妻のアパート
メントに、TVが入った! 
<ここ数週間まえから、メグレ夫妻は食事をしながらテレビを見る
 のが習慣となっていたが、そのため自分たちの坐る席も変えて
 いた。>(p13)

 週末に帰宅したら面会者がいる。メグレは彼の訴えに耳を貸す。
< ところでメグレは、相手を疑ってかかろうとはせずに、注意を
 傾けて男の話を聞き、その表情の動きをひとつ残らず見逃すまいと
 していた。だが今晩は、妻と並んでテレビのバラエティ・ショウを
 見ることになっていたので、それが見られなくなったことを惜しむ
 気持ちもまだいくらか残っていた。メグレ夫妻はテレビの観客と
 しては新参者であったから、あの小さな画面に映しだされるすべての
 ことがひじょうに面白く思えたのである。>(p38)

< 以前なら土曜日の夜は、メグレがオルフェーヴル河岸に引き止め
 られずにすむときは、夫婦そろって映画に出かけたものだ。映画を
 観るのが目的というよりも、二人いっしょに外出するというだけの
 ために__。彼らは互いに腕を組み、ボンヌ=ヌーヴェル通りの
 ほうに向かうのが常だったが、そうして歩いていると楽しい気分に
 なり、話をする必要も感じないほどだった。>(p65)

 パリは1970年でもTVのない家は多かったが。

 さて今夜から、お借りしているプリーストの文庫本を読もう。
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by byogakudo | 2008-06-29 13:15 | 読書ノート | Comments(0)


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