2008年 07月 18日

都庁舎からYカメラへ

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 Sの免許更新にYカメラでの用事もある。雨が気になるが
大江戸線で一駅、都庁前下車。地下通路だけで行ける筈なのに、
大江戸線との連絡通路は閉ざされている。まだテロ対策中?

 入るのは初めての都庁・第二本庁舎。入り口でSが一言、
 「あ、カフカの世界!」
 省エネかもしれないが、へんに薄暗い。無闇に天井が高い。
外観を裏切らない感じの悪さだ。

 Sは更新に行き、わたしは近くのタリーズ・エリアで待つ。
煙草が吸えないけれど仕方ない。カルヴィーノ「パロマー」
(岩波文庫 01初)の続きを読む。主人公(?)パロマー氏は
"図"と"地"が反転しやすい、認識のひとだ。
 なぞと考えながら読んでいると、ふいに直観する、
 「こいつら、仕事してるフリしてる!」

 「こいつら」は周囲にいる客やタリーズ店員のことではない。
店内からは窺えない、どこかで仕事中の都庁職員の気配であるが、
入ったときから感じる嫌な空気は、「こいつら」のせいだ。
 仕事をこなしているだけ、当事者として係っていないのが
伝わってきて、「仕事してるフリ」という認識に至る。

 Sがやって来た。隣のNSビルに喫煙できるタリーズがある、と言う。
場所を移し、Sにさっきの直観を話す。Sも更新の各窓口でそれを
感じた。ひとりだけ、目の前の人間が自分の言葉を了解しているか、
ちゃんと気を配っている職員がいたが、あとは書類をめくる手つきで
人を捌いていた、と。

 毎日、誰も来ない店を開けるだけ、毎月、赤字補填して、古本屋
ごっこをしているだけの駄目な古本屋だが、でも彼らに比べれば
わたしは「仕事している」、彼らは「仕事のフリしている」。
 仕事への係り方の濃度・密度の違いだけれど。

 雨が止まない。長い地下通路を通ってYカメラへ。こちらは
大音量で思考麻痺に陥らせ、店員は全員、やる気満々。これも疲れる。

 適切規模の仕事は存在しない。都庁通路にも、ホームレスの寝床が
点在する。排除したって問題が解決した訳じゃないのに、自分がもし
そうなったらと想像することもできない貧しさが、ますます貧しさを
再生産する。
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by byogakudo | 2008-07-18 19:13 | 雑録 | Comments(0)


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