猫額洞の日々

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2008年 08月 03日

荒川沿線風景 2/「林芙美子 巴里の恋」読了

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 巻末の<解説>「パリは芙美子の解放区だったか」を読むと、
林芙美子の巴里の恋人・Sが建築家の白井晟一であることは、
建築関係者の間では昔から知られていたようだ。
 文学者間ではわからなくて、当時パリにいた誰彼がSでは
ないかと推測・憶測が行われていた、という。

 かつては、小説と建築本を平行して読む人々がいなかったの
だろうか? なんだか不思議。

 1)「巴里の小遣ひ帳」や2)「一九三二年の日記」は公開を
意図せずに書かれたノートである。

<[略]極めて私的な文章としての生々しい主観の発露や率直な
 人物批判があり、当然ながら御遺族には他人(ひと)様を
 傷つけては、という迷いもおありになったようですが、
 [略]このたび公刊を承知されたのは七十年前[注: 1931-2年]の
 恩も讐も愛も情もおおむね幽界で浄化されたと考えられたから 
 でしょう。>(p287)

 著作権継承者のとる態度として、とても真っ当だ。著作権だけ
受け継いで、作品及び作者への批判を封じる「御遺族」がある
ことを思い出すと・・・MはHの肉体に発生するが、はるかに偉大な
存在なのに。

 丁寧な脚注だったが、誤植が2-3箇所、目についた。
 1)「巴里の小遣ひ帳」p18の注(25)青山義男の師匠は、
「木下藤次郎」ではなく「大下藤次郎」だ。単行本ではどうなって
いるか知らない。

   (今川英子 中公文庫 04初帯) 
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by byogakudo | 2008-08-03 14:25 | 読書ノート | Comments(0)


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