2008年 08月 05日

赤木洋一「平凡パンチ1964」読了

e0030187_1329556.jpg








 マガジンハウスが今のビルではなくて、「危険大型建造物」と
して消防署からにらまれていた木造モルタル建築だった頃、はずみで
入社した青年がいた。
 入社試験のいきさつも不明瞭なまま平凡出版社・社員となり、
「平凡パンチ」「平凡パンチデラックス」「アンアン」「ハナコ
ウエスト」に携わった編集者による60年代ストーリー。

 昔、平凡社と平凡出版とはときどき混同されることがあったが、
平凡出版の岩堀喜之助・社長は、平凡社の社長・下中弥三郎を私淑
していて、「平凡」という名前をもらったらしい。

 嵐山光三郎「口笛の歌が聴こえる」(新潮文庫/新風舎文庫)では
無茶苦茶な人たちしかいない60年代の平凡社の様子が表されて
いるが、平凡出版の60年代も同じく無茶だ。
 60年代の出版社はどこでも、変人や奇人のたまり場だったの
だろうか? 全部がそうではないだろうが、2冊とも、勤務先と
いうより、たまり場で遊び兼仕事をしているように読める。

 いろいろ面白いエピソードがあるが、「平凡パンチデラックス」の
仕事で行った(パリを中心にした)ヨーロッパ篇から引用。

 ファッショナブルなサントロペに向かう途中、
< [略]ニースの手前で一泊したホテルから見下ろした、ビルフランシュ・
 シュルメールの箱庭のような景色はいまでも目に焼きついている。
 波止場にあるウエルカムというホテルには、長沢節が毎夏逗留して
 絵を描いていた。このホテルのレセプションにはセツさんの水彩画が
 飾ってある。>(p233)

   (平凡社新書 04初帯)

 それでは3日ほどブログもお休みします(部屋で書きためるに決まって
いますが)。お元気でお過ごしください。
[PR]

by byogakudo | 2008-08-05 13:30 | 読書ノート | Comments(0)


<< 中島らも+Ph・K・ディック      シリトー「長距離走者の孤独」を... >>