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猫額洞の日々

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2008年 08月 06日

中島らも+Ph・K・ディック

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 丸一日もたなくて店に来ちゃった。我ながら、ばかですね。

 昨夜は明日のことなど知ったことか、中島らも「砂をつかんで
立ち上がれ」(集英社文庫 03初)を読み終え、ディック「暗闇の
スキャナー」(創元SF文庫 99年5刷)にかかる。

 中島らもは、書評や文庫解説を集めたエッセイ集。さすがに
書評は「グッドチューニング」でしか書けない。「バッドチュー
ニング」で書いたら、それは作品であって、書評にならない。

 Ph・K・ディック「暗闇のスキャナー」は電波系の暗い話。
大脳右半球と左半球が分裂した自我の物語で、夏休みにぴったりだ。
 夏休み、どこへ行こうと悩むSに知らん顔して、今日もごろごろ
読みふける。暑過ぎて出られないし。

 夕方、近所の散歩に出かける。戻ったら疲れが出たのか少し眠る。
緊張がほぐれているのだろう。何に緊張しているのか、とも思うが。


 「非(ナル)A」の世界で生き延びられるか、について夕べ考えて
いた。ヴォークトの小説ではなく、「非(ナル)Amazon」の世界で
弱小古本屋は生き残れるか、という話。

 ペンシルヴェニア・システムの刑務所からだって脱走者はいるだろう。
ただ、もしも世界がとっくに一つのシステムに統合されているとしたら、
生産も流通も消費も、その範囲内でのみ行われているとしたら、脱獄した
ところで、死が待っているだけではないか。

 Aを受け入れ、この領域内で行為することに専念するのが正しい(?)
振舞い方なのか。それはたんに現状を追認するだけじゃない?

 Aがいやなら、Aに取って代わるシステムを自力で開発し、Aに
勝たなければならない、ということか。それは、別のA或いはA'を
でっち上げて世界に強制力をもつ、ということではないか。
 勝ちたくなんてないのに(負け犬志願もないけれど)。

 グローバル経済かあ。資本主義経済システムって、どこまで強大化
して行けるのだろう。ますます暗い気持になる。

by byogakudo | 2008-08-06 21:26 | 読書ノート | Comments(2)
Commented by 芽句 at 2008-08-07 00:54 x
グローバリズムの正体は、世界征服を目論む悪魔的一派だけど、もうすでにその崩壊が始まっています。資本主義もまもなく崩壊するでしょう。パラダイム・シフトが楽しみです。ご無沙汰してますが生きてます。只今、冬眠ならぬ夏眠中でーす。
Commented by byogakudo at 2008-08-08 21:01
わたしはwishfull thinkingの対極なので、まず絶望視からしか
考えられないのですが、それにしては、何も考えず発作的に
動いてきてますね。どちらも、わたしだけど。
ところで、夏眠はいいけれど、月一のブログ更新など、
いかがでしょうか? 暑過ぎてだめ?


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