2008年 08月 14日

齋藤磯雄「ピモダン館」ほぼ読了

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 Click to enlarge. 写真タイトルは「聖母昇天図」。

「クレイオーの文學 『唐木順三全集』」より引用。

< むかし読んだ荷風の歎きが事にふれて心のうちによみがへる。
 __フランスの後期印象派の画家たちはわが國の浮世繪を見て
 驚愕し心酔してその技法を學び、殆ど審美上の革命を成遂げたが、
 そのために伝承の遺産を何ら失ふところなく、自國の藝術を愈々
 多彩に愈々豊かにした。これに反して明治以来の日本人は、舶載
 文化に心酔してその何物かを取入れるごとに過去を破壊し己れを
 失ふから、その得るところと失ふところの差引勘定は常にゼロ
 もしくはマイナスとなり、かくして日本は急速に文化的植民地に
 成下がりつつ[注: 原文は反復記号]ある、といふ感慨である。>
(小澤書店 84初函 p205)

 文化的伝承がついぞ成されないのは、あらゆる事象において
その通りで、もしかして、これが「ミソギ体質」というすべてを
チャラにする日本の強力な文化的伝統・文化的消しゴムの存在を、
逆説的に証明するのかしら。
 一気にリセットしないと新規入力が不可能な体質だけが続く。

< 「新しさとは物の古びる部分である」とヴァレリーは言ふ。>
(小澤書店 84初函 p203)
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by byogakudo | 2008-08-14 13:14 | 読書ノート | Comments(0)


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