猫額洞の日々

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2008年 08月 25日

山田風太郎「忍法創世記」読了

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 やっと山田風太郎「忍法創世記」(小学館文庫 05初)読了。
風太郎が復刊をしぶっていたそうだが、山田風太郎としては
少し失敗作の方ではないかと、読み終わって思う。駄作なんぞ
では全くない、意欲作だけれど。

 代々の天皇たちしか見たことのない三種の神器。天皇よりも
ずっと神聖な存在で、天皇はむしろ三種の神器を継承するための
存在に過ぎないとさえ見なされる、三種類のモノを廻って人々が戦い、
死んで行く。

 時代は南北朝に設定されているが、意図としては、戦後も続く
天皇制と日本人との関係を狙っていると読める。だが焦点がうまく
合わなかった、ということだろうか。いまいち、隔靴掻痒な感じが
残って、物語への入りにくさの遠因はそこにあったのではないかと
思う。

 天性の悪女(しかもまだ少女)・牢姫なんて、すてきなキャラクター
なんだけれど。

 昨夜からフィリップ・K・ディック「アルファ系衛星の氏族たち」
(創元SF文庫 92初)。雨がしとしと降り続く今週にぴったりな、
ディックらしい不景気な登場人物がどっさり出てきて、ほっとする。
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by byogakudo | 2008-08-25 14:05 | 読書ノート | Comments(0)


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