2008年 08月 27日

「浅草色つき不良少年団」補遺

e0030187_133329.jpg












e0030187_13331950.jpg









click to enlarge.


 このところの2枚続き写真は人形町シリーズです。地霊を
感じさせる街。

 地霊といえば浅草もそうだろうか。子どものとき一度行った
(仲店通りで売っていた、青い切子細工のガラス瓶しか覚えて
いない。1956年頃だから人通りはまだ多かっただろうに、
雑踏の記憶がない。)のと、80年代に一度、女友だちに喫茶店・
アンジェラスやアリゾナ食堂に連れて行ってもらったことがある
だけだが。

 「浅草色つき不良少年団」の作者・祐光正は東京都出身らしい。
彼もまた浅草とは縁のない地域で育ったのではないか、と思う。
 戦前の浅草への憧れは、もし戦後の浅草に生まれ育っていたら、
生じなかったのではないか。距離があるからこそ憧れも芽生える。

 作者の思いは充分伝わってきた。神名火老人の口調なぞ、頑張って
いる(でも不自然さを感じる)、「油照」等、古風な言葉遣いも
している。乱歩にオマージュを捧げたいのか、大水春栄(おおみ・
しゅんえい)なんて人が出てきては殺されるし、「ロミオと
ジュリエット」風の「イーストサイド物語」では、今度は荷風への
挨拶か、長吉という少年が恋に悩む。

 趣向は盛り沢山、だが如何せん、まだ身につききっていないのだろう。

 むしろ幕末や江戸時代を舞台にした方が、書きやすいのかなあ?
昭和40年代(1970年代)くらいまでを時代設定すると、耳や目の記憶の
ある人がまだ生存しているから、あれこれ言われやすい。
[PR]

by byogakudo | 2008-08-27 13:34 | 読書ノート | Comments(0)


<< カフカ的(?)      祐光正「浅草色つき不良少年団」読了 >>