2008年 09月 28日

しぐさのうつくしさ

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 K夫人が初めて店にいらしたとき、独特の存在感と姿勢の
正しさ・うつくしさに、目を奪われた。「おっかなカッコいいな」と
怯えつつ(?)声をかけ、親しくなって行った。

 いつもレジ前の小さな椅子に腰かけて、おしゃべりされる。
 あるとき本をお見せしようと彼女の前に立ったら、両脚を
伸ばして坐っている姿のうつくしいこと! 上体から脚にかけて
微妙なS字ラインが描かれている。

 子どもの頃からバレエで鍛え、それを職業として来られた方
だから、無意識の裡にうつくしい線をとってしまわれるのだろう。

 日本の男のひとで、しぐさや佇まいのうつくしさを見せるひと
には、あまり会ったことがない。「照れ屋」だからとか「シャイ」
だからという言葉で自分を甘やかして来てるだけじゃないかと
疑っているが、先日、例外を目撃した。

 同じくレジ前、こちらは立った姿勢である。本を手のひらに乗せ
軽く開き、一定した速度で静かに着実にページを繰ってチェックして
行く。その間、本に関するこちらの質問に答えながら、である。

 長年の本読みのキャリアが滲み出てくる、うつくしさだった。
真似したくなったけれど、これは背の高い男のひとがやった方が
かたちが決まるし、格好だけ真似たところで似て非なるものになる
のが必定。ばーさんの古本屋としては、机に本を開き、せっせと
消しゴム片手に鉛筆の線引きを消していくのが、お似合いだ
(ステッドラー消しゴム、よく消せます!)。

 お二人とも、それまでの生き方がうつくしいしぐさや佇まいに
反映している。いわば職人芸のうつくしさだ。なにごとも一朝一夕に
可能ではありません。

 美咲歌芽句(みさか・めぐ)が昨日のブログにコメントしてくれた
おかげで、もう一度書き直す元気が出た。芽句、ありがとう!
 なおメグブログが更新されています。生き生きしたいい文章
だと思う。
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by byogakudo | 2008-09-28 13:15 | 雑録 | Comments(0)


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