2008年 11月 09日

「猫は夜中に散歩する」読了/「清貧の書」1篇

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 原作は1943年刊行のようだが、この当時のロサンジェルスの
ビルや集合住宅のセントラル・ヒーティングは時間制だったのか?

 p81より引用__
< アパートぜんたいは、じっとりさむいだろう。だが、セントラル・
ヒーティングをたよりにしなくても、部屋にガス・ヒーターもある
から安心だ。[略]セントラル・ヒーティングのスチームの暖房と
いっても、やっと、ぞくぞくする寒さをおっぱらうぐらいのあったかさ
しかない。それも,朝はやくしかとおっておらず、もう、とまって
しまってるはずだ。>

 但し、女性私立探偵ミセズ・バーサ・クールは、窓を開けたまま
眠っている。閉めて寝ればよさそうだが、それでは早朝の暖房が
効き過ぎるのだろうか? 
 またp274では、彼女の探偵事務所での会話であるが、
< 「土曜日の午後は、スチームがこないの」>と言っている。
   (A・A・フェア ハヤカワ・ミステリ文庫 81初)


 なんとなく「清貧の書」(林芙美子 新潮社 40年70刷)にする。
「飯」という短篇を読んでみる。1930年代の東京小説だった。

 青森出身の貧しい娘が、渋谷の大きなカフエーで女給をして生活
する。男ができて、彼の下宿で暮らすようになるが、捨てられる。
 彼女はひとりで芝のアパートに移り、ガソリンガールをやる。
ガソリンガールって何だろう? 給油所の女店員のことか。

 それから<谷中の宮崎と云ふモデル市>(p119~120)で
絵のモデルになり、仙台の素封家の次男坊・絵描きと知り合い結婚。
本郷林町にアトリエを建ててもらい、奥様生活になるが、彼女は
空虚感を抱きながら暮している。

 夫が絵の勉強にパリに行ったまま、なかなか戻って来ない。
大野という夫の友人が遊びに来て、彼女と娘を慰めてくれる。
彼女が恋心を抱くその友人は、<九段のアパート>に住んでいる。
<軍人会館の前の洒落た建物で、如何にも独逸帰りの大野の
住まつてゐさうなアパートだつた。>(p146)
 野々宮アパートメントであろうか? (07年2月26日付けブログに
「野々村」アパートメントと書いてしまったので訂正。)

 夫が客死する。彼女は林町のアトリエを売り、ピアノを知人に譲り、
娘とばあやと共に、東中野の小さな借家に引っ越す。
<平屋で、四間ばかりの古めかしい二軒長屋>(p148)である。
< どの借家にもあるやうな電燈の笠、北側の壁には松内[注: 夫]の
小さい写真が額に這入つてかかつてゐる。新しく買ったらしい
安物の茶箪笥の上には林町で見覚えのあるラヂオが置いてあつた。>
(p151)

 自活するために彼女は、何か店を出そうとする。駿河台下の
元洋服屋を借りて、婦人服の材料店にすることに決める。
< 土間は六坪ばかりで、階下が一間、二階が二間の手頃な家
だつた。しかも明治大学の並びで、近所には女の学校も多い。>
(p154~155)
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by byogakudo | 2008-11-09 14:40 | 読書ノート | Comments(0)


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