2008年 11月 19日

「ビアス怪談集」読了

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 巧いんだけれどなあ。どこがフィットしないのか。
 ひとつには、時々入る作者の無情な指摘が、今読むと
煩わしく感じられることだろうか。ださいカッコ付けに
思えて、もっと淡々と書き進めてくれればいいのにと思う。
 かつては「その子は生後まる一年で一人前のみなし子に
なった」なぞという脇台詞・捨て台詞はカッコよかった
かも知れない。

 「適切な環境」という短篇の構成も巧いけれど・・・。
 第一部「夜」で廃屋に幽霊を見て逃げ出す少年を描き、
第二部「その前日」は、怪談作家が友人に怪談を読む
適切な環境、すなわち廃屋で自分の原稿を読んでくれと頼む。
 第三部「その翌日」に至って、「夜」の少年と大人の男
三人が廃屋を訪れ、死体を見つける。そして真相が明かされる
のだが、いかにも気が利いているでしょうと言わんばかりの
オチのつけ方で、がっかりした。

 つまりビアスの考えるスタイリッシュとわたしの思うそれ
とが合わない、ということかしら。

   (ビアス 講談社文庫 82年8刷)
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by byogakudo | 2008-11-19 13:11 | 読書ノート | Comments(0)


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