2008年 11月 28日

ヴィルヘルム・ハンマースホイ展/上野松坂屋

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 寒々しい空に陽が射して来て、やっと、ヴィルヘルム・
ハンマースホイ展に行く元気が出た。
 上野って何十年ぶりだろう。滅多に電車に乗らないので
池袋の先は果てしなく遠く感じる。

 雨上がりの上野の坂道がきれいだ。東京文化会館、うつくしい!
奥の西洋美術館も悪くはない。世田谷美術館のインチキ臭さを
思えば、端正な近代建築は好もしい。

 ティケットを買う列を見て怯える。しかしここまで来て戻る
訳にも行かない。入場する。
 人はかなりいるが、うんざりするほどではない。見始める。
 予想とは印象が違う。何だろう? TVや雑誌のグラフィックで
見ていた感じでは、静かな絵と思っていたのだが。

 絵の表面から伝わって来るものが、ドラマティック過ぎる。
文学性というのだろうか、言葉が多すぎる絵。
 求めていたものじゃない。

 最後から2番目のセクションに、彼の友人の画家(名前を忘れた。
ハンマースホイがその妹と結婚した絵描き)のカラー・メゾティント
が展示されていたが、むしろ、これが求める作品だった。
 カラーといっても、ごく抑えた色調の風景画や室内の女性像で、
とても欲しくなる。西洋美術館所蔵品だそうだが、知らなかった。
ライヴで見るなら、むしろこっちだ。

 あっさり会場を出ると、目の前に低く横たわる東京文化会館。
マッスとガラス窓の縦の線のコントラストが気持いい。こんなに
素敵な建築だったのか。

 上野の森を少し散歩する。寒くなってきた。帰りは御徒町から
地下鉄にしよう。ついでに早めの夕食を、ということで初めて
上野松坂屋に入る(上野は数えるほどしか来たことがない)。

 ここは、まさしくデパート。子どもの頃、日曜日のお昼を食べに
連れて行ってもらった、あのデパートの食堂だ。
 奥の壁にはガラス障子が入ったモダーン数寄屋風、黒い
ヴィニルレザーの椅子、館内には50年代ポップスが流れ、
ウェストの制服をややローカライズした制服のウェイトレスが、
一組の客のために二人がかりでサーヴしてくれる。
 エドワード・ホッパーかジョン・レジスターの絵の中にいるような
気がして来る。
 いつなのか、どこなのか解らなくなった。

 大江戸線はシャクであるが、近い。在に住むわたしたちが
行きたい町を網羅している。

 レオン・スピリアールトはわたしたちの直接の先祖であり、
友人であるが、ハンマースホイは、そうじゃなかったと解る。
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by byogakudo | 2008-11-28 19:51 | アート | Comments(0)


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