猫額洞の日々

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2008年 12月 15日

映画「私は猫ストーカー」撮影前後記

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 11月18日付けブログに書いたように、撮影隊の皆さんが
店を見学に来られた。キャメラマン・たむら まさき氏はレジ前の
小さな椅子に腰かけ、見取り図(?)をメモしていらした。
 店を終えて帰るさ、Sと話す。
 「借りたい、ということかしら?」
 「うん」
 以心伝心に、もしそうだったら答えはイエスだと思う。

 翌々日に製作会社・スローラーナーのK氏がいらっしゃる。
 「無理なら断って下さっていいのですが、『私は猫ストーカー』
撮影に貸していただきたい。鈴木卓爾監督もキャメラも是非、
と言っています」
 「どうぞ!」

 11月26日・30日と、撮影準備のためにK氏他のスタッフが
来訪。商店会への挨拶等をお願いする。
 たしか26日だったと思うが、キャストである(古本屋店主役の)
徳井優氏もいらっしゃる。
 「撮影に入る前にロケ場所を知っておきたいから」と、言って
おられるのを耳にする。

 12月2日、7pmに店を閉める。早朝から始まった、谷中や根津の
ロケ地から廻って来られたスローラーナーのK-K氏、同じくN嬢たち、
それに装飾の松本良二氏が到着。翌日の撮影の下準備がいよいよ
始まる。

 ライヴの古本屋と撮影用の古本屋とは、やはり異なる。真ん中の
本棚の両脇に並べた本を一箱ずつ番号を振って、ひとまわり大きい
段ボール箱に入れ、車に運ぶ。
 レジ机上の本も片づけ(このために、レジ机隣の円卓上の小物を
仕舞っておいた)、撮影の際、猫が坐る場所を確保する。レジを
円卓に移す。
 松本氏が白い小型の抽出しを置き、上に猫用座布団をセット。
 「これじゃ大きすぎるか」と、小さい方に取り替える。

 店を閉めるのを手伝っていただく。外出しワゴンの仕舞う順序、
スィッチの場所等をお教えする。
 外の本棚の足にあてがっているかまぼこ板を見て、松本氏が
注意される。
 「こういうのを憶えとくのが大事だよ」
 身軽で職人ぽくてプロフェッショナル。すてきだなあ。

 若いスタッフの方たちも、朝からずっと重労働を続けて来られた
のに、夜遅くになっても黙々と献身的に仕事を続けられる。
キャメラに映らないための下準備の仕事である。しかも明日
夜には、もう一度元に戻さなければならない。
 映画は映っていないできごとに、いちばん労力が割かれている
のだろうか。撮影所が使えればもっとシンプルになるかも
知れないが、それでも下準備が肝要、ということだろう。
 店の鍵をお預けして戻る。

 3日、古本屋撮影第一日。午後、顔を出す。原作者・浅生ハルミン
さんがいらしていたそうだが、朝に弱くてお目にかかれず、残念。
 長めの撮影日だったので、K-K氏・N嬢たちの現状復帰作業も
夜遅くなる。店の前の舗道に段ボール箱を並べ、番号順に店内に
運び込む。

 9日の第二回撮影日前後も同じであるが、この日は夜、雨になる。
大変だ。入り口に簡単なテントを差しかけ、車に積んだ本を店内に
運んでくださる。
 12月1日以来、撮影が続き、みなさん疲労の極に達していられる
だろうに、いつもの静かで確実な作業状況である。プロはすごい。

 店内でのキャスト入り撮影はここまで。11日、撮影スタッフだけ
いらして、店の中からの風景を5分間ほど撮られる。帰り際
たむら氏が
 「見てください」と、言葉を残された。
 かいま見た撮影風景だが、これはいい映画になるに違いない。

 新年から編集、公開は早くて初夏、ということである。

 浅生ハルミンさんが描かれた「店内に猫います」他のイラスト・
コピーを譲っていただく。
 また、スタッフ・キャスト20人近くが店内に集合した写真も
頂戴した。
 とてもいい雰囲気だ。20代から60代まで、これだけの年齢幅の
人々がひとつの映画に関わっている。お貸ししてよかった。
滅多に得られない体験をさせていただいたことに感謝します。
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by byogakudo | 2008-12-15 14:05 | 映画 | Comments(0)


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