猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2008年 12月 22日

葉室麟「いのちなりけり」読了

e0030187_12544995.jpg









click to enlarge.


 お師匠さんからお借りした三冊目、葉室麟「いのちなりけり」
(文藝春秋 08初帯)を昨夜、読了。

 恋愛と地球規模の愛(天道への忠義心)の二筋道を
どちらも全うする、立派な侍の物語。出てくる武士たちは
それぞれに、己の信じる道を進み、静かに死んで行く、
偉い人たちが多い。

 でも誰ひとり、チャーミングに思えないのが最大の欠点
ではなかろうか。下手な小説ではないのだが、どこへ
行っても結局、便利な殺し屋として扱われてしまう主人公に、
共感することは難しい。従容として自分の宿命に従う、
と言えばカッコいいことかも知れないが、武闘集団に生まれた
からって、離脱することもできるじゃないかと思いながら読む。
 武士の枠内で可能な限り、誠実に生きようという設定だから、
それはないのだけれど。

 お師匠さんがいらっしゃる。宮部みゆき「おそろし」を貸して
下さる。「(出来が)いいよ」とのこと。
 三冊への感想を述べる。がんばれ、恒川光太郎!

 棚に出していない文庫本が多いので、あわてて値段付け
してお見せする。
 「これ、お持ちですか」とS.A.ステーマン「マネキン人形
殺害事件」(角川文庫 76再帯)を出したら、
 「あ、読んだよ。面白かった。でも、昔の探偵小説だから
そのつもりでね」とのお言葉(ちぇっ、やっぱり)。80年早い、
お師匠さんへのチャレンジをしてしまう。
[PR]

by byogakudo | 2008-12-22 12:55 | 読書ノート | Comments(0)


<< S.A.ステーマン「マネキン人...      グラシン紙にまみれる >>