猫額洞の日々

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2008年 12月 23日

S.A.ステーマン「マネキン人形殺害事件」を読み始める

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 宮部みゆきの前に、くだんのS.A.ステーマン「マネキン人形
殺害事件」(角川文庫 76再帯)に手を出す。ステーマンは、
シムノンと同じくベルギー出身の作家であるそうな。1931年に
書かれた「マネキン人形殺害事件」は43年に改稿され、翻訳は
こちらを元にしている。

 刑事が汽車に間違えて乗ったことに気がつき、見知らぬ土地で
下車する。嵐の夜、名も知らぬ田舎町、刑事は目に入るものすべてに
謎を読み取り、破壊されたマネキン人形に事件性ありと決めつける。

 むかしのミステリはいいな。書き手が自分の描く世界を本気で
信じて書いていることが感じられて。

 今でもその姿勢で書けなくはないけれど、それをやると馬鹿に
されやすいので、作家たちは遠慮がちに小説世界を提供せざるを
得ない。お互い不幸なことだが、時代が変わったのでどうしようも
ない。大時代ミステリのパスティーシュをやって、臭くならないのは
難しいし。
 いまのところ、フランス・ミステリの問題点に悩まされずに読書中。
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by byogakudo | 2008-12-23 14:28 | 読書ノート | Comments(0)


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