2009年 01月 08日

太田直子「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」読了

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 レジ近くの未整理本から、太田直子「字幕屋は銀幕の片隅で
日本語が変だと叫ぶ」(光文社新書 07再)を取出して読み始め、
昨夜読了。面白そうと思って気にしていた本なのに、読んだのは
ほぼ一年後だ。どんなに新刊書店と縁がない生活だか解る。

 同感するところばっかり。特に近年の、自主規制用語や過剰な
敬語表現についての違和感の件り。どちらも根っこは同じで、
防衛本能過多に因る、と思う。

 太田直子は、ブログやメールによく見られる「(笑い)」の使用を、
<あまりに安易だし、笑いを強要されているようで、うんざりする。>
(p49)と書いているが、これも自己防衛本能の成せる技と、
思われる。
 笑われる前に自らを「笑ってやって下さい」と言っているように、
いつも感じる。そんなに心配しないでいいのに、って反応するのは、
野蛮に生きて来た奴だからであろう。

 「食べる」の替わりに「いただく」を連発する風潮には、
<うっとうしい>(p114)と反応する。その通り。成り上がり
根性が透けて見えて、恥ずかしい。

 例によって細部に(のみ)反応してしまったが、彼女の基本的
姿勢は、原理主義・マニュアル至上主義に陥らず、文脈を読み、
総合的に理解しようとする感受性に立つ。

 いつの間にか、互いに首を絞め合っているような状況の近年では
あっても、殺さず、殺されず、生き延びるスキルを身につけたい。
 たぶん、ヒューマーがその手助けとなりそうだ。煙草のパッケージの
文言を見て、
<「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます」
 この「あなたにとって」は、いらないのではないか?>(p213)と
反応するようなヒューマー、距離感である。
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by byogakudo | 2009-01-08 13:53 | 読書ノート | Comments(0)


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