2005年 09月 15日

「シルトの岸辺」

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 ようやく「シルトの岸辺」が終わる。何というか、レース編みで製作された 大きな
タピスリをじっくり全体に渡って鑑賞する、みたいだった。ひとつひとつの描写が
繊細をきわめ、それらが連なって破滅への一大絵巻が綴られる。
 読むのに根気が必要だが、これは やはり、丹念に読まれるべき本だ。読み飛ばさ
なくてよかった。
 ただ、破滅の扉を開く宿命のヒロインが最後に演説する場面は、いきなり直接話法
になった感じがして、違和感がある。間接的・象徴的な表現で進行してきて、唐突に
経緯を説明されるような__でも最後からひとつ手前で、筆遣いを大きくする技法
なのかしら?
 他のジュリアン・グラックは、文庫版はないだろうか。あとで調べてみよう。
少しずつ ゆっくり読む本もいいなと思ったが、根がやくざだから、ついスピードに
任せて読む本を手に取りそうだ。

09月18日へ続く~



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by byogakudo | 2005-09-15 16:08 | 読書ノート | Comments(0)


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