猫額洞の日々

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2009年 03月 14日

蜂巣敦/山本真人「殺人現場を歩く」読了

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 よかった・・・。被害者にも加害者にも思い入れることなく、どんな状況下の
殺人事件であったかを記すだけ、あとは実際の殺人現場に立ち、そこで得られた
感触が書かれている。

 見えてくる風景の荒涼たること。いみじくも「殺風景」と記されるが、都市が
失われ、どこも郊外と化している現在の在りようが、紙面から伝わってくる。
 街が壊れているとは、その成員である人間関係も勿論、崩壊していること
であり、それが、殺人現場という日常と非日常の裂け目を通じて、明確に
見えてくる。

 「家庭」も「地域」も擬制であるが、ひとが何のフィクションもなしに存在する
ことも又、不可能だ。フィクションの種子も見つけられなくなったように思えて
しまう現在、どうやって皆、生存しているのだろう?
     (蜂巣敦 文/山本真人 写真 ちくま文庫 08初帯)


 今週のシブイ新着欄です。
 新着欄
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by byogakudo | 2009-03-14 14:42 | 読書ノート | Comments(0)


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