2009年 04月 02日

鈴木創士「幻脚記 五 夏の女優」読了

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 昨日 spin 05 が届く。夜、早速、鈴木創士氏の「幻脚記 五 夏の女優」を読む。
タイトルだけはお聞きしていた。しかし、「夏の女優」って、何だろう?

 真夏のしかも白昼の怪談だった。
 ものみなすべてが陽炎の中にあるような真夏の午後、ある男が、
彼にもし娘があったなら、それくらいの年齢の若い女優と偶然出会い、
白昼夢のような散歩をする。

 主人公・一馬(一頭の蒼ざめた馬かしら?)のよく見知った風景が全部、
薄い紗幕を通してぼんやりと見えるのに、暑さだけは強烈だ。それなのに、
同行する女優は、あたかもスクリーンの中にいるかのように涼しげである。

 全体的にアウトフォーカスで書かれているが、前夜の台風の大雨に打たれる
女優のシーンだけ、不思議な鮮明さで印象づけられる。

 後に残るは匂いばかり。まったく、怪談である。
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by byogakudo | 2009-04-02 13:34 | 読書ノート | Comments(0)


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