猫額洞の日々

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2007年 04月 28日 ( 1 )


2007年 04月 28日

「荒涼天使たちの夜」読了

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 地下鉄内、タリーズ、ベッドと場を移して美咲歌芽句「荒涼天使たちの
夜」(思潮社 07初帯)を読み終える。

 特に若い人々にお勧めしたい。日本の(とても限られた範囲であったとは
いえかつて実際に存った)アンダグラウンドなロック・シーンを体現した
女性詩人の作品集である。

 「村八分」チャー坊の伝記が出版されたとき、若いひとの感想に
「無茶苦茶なことばっかりしてて、そんなに周りから愛され、大事にされる
なんて信じられないよ」とかいうのを聞いたが、そうだったのです。
 今では計りがたく信じられないようなことであっても、それは実在したし、
美咲歌芽句は、苦痛に翻弄されながらも生き延びて今に在る。ある時代の
証言者のひとりとして、表現者として。

 シンプルな言葉を用いて、彼女は時代の感受性を描き出す。ひとりの少女が
孤独に震えながらも世界に向って手を差し伸べる、その指先の細さと確実さが
感じ取られる。

 若くて孤独で誰も自分を見てくれやしないと思い込んで閉ざしている方々、
扉を開けて出てごらんなさい。傷ついたって即座に死にはしないのです。
 しぶとく少女を生き続ける苦痛を選んでしまった、もうひとりのあなたが、
ここには描かれている。

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by byogakudo | 2007-04-28 13:54 | 美咲歌 芽句 | Comments(0)