猫額洞の日々

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2015年 09月 16日 ( 1 )


2015年 09月 16日

アラン・バディウ/長原豊+松本潤一郎 訳「聖パウロ 普遍主義の基礎」を読み始める

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 鼻風邪を引いた。ときどき頭痛もする。そんな体調で読む本か
という気もするけれど、他の本と平行して、ぽつぽつ読もう。

 何を言ってるのかよく聞こえないが、うっすらと、わたしと無関係
とは思えない何事かが聞こえてきて、時折、妙にくっきりと聞き取れる。

< われわれの世界は、[中略]その概略において、ある完璧な単純さ
 の裡に、同じものなのだ。
  一方に資本の自動調節機構の間断なき拡張、すなわちマルクスの
 天才的予言の完成が見出される。それは、すなわち、ついに完成を
 みたその配置、ただし市場としての世界、世界市場としての世界である。
 この配置は、何よりもまず、抽象的な均質化作用を実現させる。循環
 (りゅうつう)するものすべてが、ある計算の統一的単位のもとに措かれ、
 このように計算され数えられるがままになるものだけが、翻って、循環
 (りゅうつう)することになる。
 [中略]
  他方には、閉じられた複数の同一性への断片化の過程と、この断片化に
 随伴する文化主義的で相対主義的なイデオロギーが見出される。
  これら二つの過程は完璧に絡み合っている。なぜなら、いずれの同一化
 (同一性の創造あるいはブリコラージュ)も、市場によるその投資にとっての
 素材をなす或る一つの形象を創りだしているからだ。>(p20~21)

 すべて売り物の世界が完成してしまったので、しかもそれは日々更新される
世界なので、たとえば少数派の異議申立てもすぐに市場の投資先になる、って
ようなことでしょう? かつてフェミニズムが「飛んでる女」というキャッチ
コピーで消費されたり、渋谷区がLGBTにやさしい区であることを言挙げして、
LGBT=お洒落という記号に変換してアピールするとか。

<正しくもドゥルーズは、次のように述べていた__資本主義の脱領土化は
 恒常的な再領土化を要請する、と。資本は、みずからの運動原理によって
 その原理が行使される空間を均質化するために、主体的で領土的な同一性
 の常なる隆起を要求するのであり、これらの同一性は、結局は、市場に単一
 形式(ユニフォーム)的な特権を与えようとして、自分も他の同一性とまったく
 同じ資格で陳列されることを要請しているにすぎない。一方における一般的
 等価物をめぐる資本主義的論理と他方における共同体あるいは少数派の
 同一性と文化の論理は、接合された[全体]集合をともに形成している。>
(p22)

     (アラン・バディウ/長原豊+松本潤一郎 訳「聖パウロ 普遍主義の基礎」
     河出書房新社 2004初 帯 J)


< こうして現代世界は真理の過程に対して二重に敵対的である。この敵意の
 徴候は名目的な[名称による]覆蔵をとおしてみずからを曝してしまう__
 すなわち、真理の手続きの名称だけが罷(まか)り通るところで、かかる名称を
 抑圧する別なるものが力を握ることになるのだ。文化なる名称が芸術の名称を
 逼塞させ、技術なる語が科学という語を逼塞させ、行政管理なる語が政治という
 語を逼塞させ、セクシュアリテなる語が愛を逼塞させる、といったように。>(p24)

 "安全保障関連法案"なる語が"戦争法案"という語を逼塞させようとする夜に、
この箇所を引用する。

9月19日に続く~





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by byogakudo | 2015-09-16 19:21 | 読書ノート | Comments(0)