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2017年 02月 07日

戸板康二『才女の喪服』読了

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 写真は1月30日の墓地近くで会った猫。

 単行本の出版が1961(昭和36)年。それなら頷けなくもない設定
だが、もし、いまの若い読者が読んだとして、描かれた社会が理解
できるかしら、心もとない。

 時代は戦後、1950年代後半。登場するのは、東京の南の郊外の
大地主(で詩人)、北の郊外にある女学校の女性・体育教師と女性・
国語教師(詩人)と、転校してきた少女(国語教師の指導をうけて
詩を書く)。

 女性教師ふたりの間にある同性愛的感情の揺れ、女学生たちの抱く、
年上の女性への尊敬と憧れなど、分らなくはないが、時代設定が戦前
だったら、もっとすんなり入れそうな気がする、女学校ライフだ。

 現在でもたまに、女子中学生や女子高校生同士で、相手への同情・
共感から心中しているような事件があるから、べつに無理な設定では
なくて、わたしがヘテロセクシュアルだから、いまいちピンとこない
世界なのかもしれない。

 差配のいる、昔風の大地主の生活が描かれる。彼の半分くらいの年齢の
若い女性教師は、戦後の女性らしく、新宿のバーで男性詩人とお酒を飲ん
だりする。南北に分かれた登場人物たちが、詩を媒介にして、ひとつの
ミステリの中で収束してくる。

 風俗小説好きとしては、ゆっくりした話の進め方は嫌いじゃないが、
事件が解決してもジグソーパズルの何片かが余っているみたいな納得の
行かなさが残るのは、大人の小説が読めない読解力のなさを示すのか?


     (戸板康二『才女の喪服』 河出文庫 1987初 J)



呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/呪 共謀罪/





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by byogakudo | 2017-02-07 21:10 | 読書ノート | Comments(0)