2017年 03月 18日 ( 1 )


2017年 03月 18日

(3)クリストファー・プリースト/中村保男 訳『ドリーム・マシン』まだまだ

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~3月16日より続く

 1977年に刊行された原作だが、物語の出発地点は1985年と、
ごく近未来に設定されている。どんな時代に仮装されているかと
いうと、現在時である1985年は、

< [注:ウェセックス計画の]参加者の大半は都市の出身者であるか、
 ないしは現在、都市に居住しており、少なくとも半数はロンドンの
 人たちなのだが、目下、都会での生活はとても快適とは言えない。
 住宅は払底の度を加えつつあり、一日以上あけてある家には、
 ほとんど自動的に不法占拠者が住みつくという事態が起きている。
 [注:ヒロイン、ジューリアの同僚である]メアリー・リカードの
 場合がまさにそれだった。さらに、暖房費や燃料費が異常に高騰し、
 食料不足が相継ぎ、従って闇取引が盛んとなっているために、まだ
 少しはのこっている責任ある新聞の報道によると、平均的な都市
 生活者の日常生活は、まさに野蛮状態に近づきつつあるとのこと
 だった。こういった状況に加えて、暴力犯罪発生率の絶えまない
 増大とテロ襲撃事件の激増とが相俟(ま)って、市街地から二十マイル
 以上離れたところならどこでも一時の避難場所になってくれるという
 のが現状だった。>(p151)

 夢見られたウェセックス(2135年)から連れ戻されたジューリアが
聞く1985年のニュースは、

<北アイルランドから英軍が撤収して以来、忠誠派(ロイアリスト)の過激
 分子が準軍隊的なスコットランド独立グループと結束し、二年前から、
 英国各地の都市で猛烈な市街爆破キャンペーンが行なわれていた。
 ジューリアが投射器に入っていた三週間のうち二週間は一時休戦状態
 だったが、スコットランド議会が__ウェストミンスター筋の公表に
 よれば選出議員たちを保護する目的で__英軍部隊に包囲された当日、
 バス大爆破事件がロンドンとブリストルで発生し、同時に、ロンドンで、
 ラッシュアワーの地下鉄電車内で爆弾が破裂した。死傷者は恐るべき
 数にのぼり、このあおりを受けて、英国全都市の公共輸送機関が運行を
 停止した。ニュースはこのほかにもまだあった。中東で戦争が再発し、
 ドルが危機に直面し、王家の人が懐妊した......>(p182)
 
 パンクロックが出てくる時期のロンドン風景だ、やや拡大版の。

     (クリストファー・プリースト/中村保男 訳『ドリーム・マシン』
     創元推理文庫SF 1979初 J)



呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

 3月16日(木)付け「東京新聞」夕刊で知った「マガジン9」より、
『雨宮処凛がゆく!』第406回 「ゆるふわ系愛国」のゆくえ〜
安倍昭恵氏と稲田朋美氏、そして森友学園〜の巻


 漠然と感じているイメージは名づけなければ、きちんと論じる
こともできないが、命名行為によって逆にそれを承認、存在させる
作用もある、当然だが。

 むかしはたんに馬鹿と呼んだ。いまは馬鹿にも微妙な差異を認めて、
"天然"だとか言う。馬鹿は個性の発露であり、自己責任は問われない
風潮なのか。

 "ポスト真実"なんて命名も、問題ではないか。嘘か本当のことか、
どっちかだろう。
 "ポスト真実"は、かつて使われた"ごまかし"や"言い逃れ""いんちき"、
"でたらめ"に"出放題な嘘"、これらでは伝えきれない状況なのか。

 籠池泰典が国会に証人喚問されて答弁し、もし、それは嘘だと証拠を
突きつけられたら、
 「記憶に基づいて答弁した。訂正し、おわびしたい」と言えばいい。
 女で国会議員で大臣である稲田朋美だから許され、男で民間人である
籠池泰典には許されない、では道理に悖る。





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by byogakudo | 2017-03-18 19:58 | 読書ノート | Comments(0)