猫額洞の日々

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2017年 09月 09日 ( 1 )


2017年 09月 09日

E・S・ガードナー/砧一郎 訳『そそっかしい子猫』読了

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 1942年の原作刊行なので、戦時下らしい設定がされている。

 事件に巻きこまれる若い娘には、従軍している恋人がいる。彼女は
口うるさい裕福な伯母に養われているが、せっかく誰もいない夜なのに、
訪ねてきた彼ときたら、

<「ぼくの前途に、なにが待つているか、それはぼくにもわからない。
 君にだつてわからない。敵をやつつけるという大変な仕ごとがある。
 それがすんでからでも、世界じゆうのあと片づけをやらなければなら
 ない。そんな時に、男には、たとえ、それが個人としての自分には、
 世界のなによりも大じなことであろうと、いさぎよくあきらめ、忘れ
 ようとつとめなければならないことがあるものだという。[略]」>
(p113上段)

__なんてこと言ってる。日本を討伐しなければならない、という使命感
にかられた青年である。

 また伯母宅には、コモという東洋人のボーイが住みこんでいる。自称・
朝鮮人、ほんとは日本人らしい。

< 「[略]いつも、朝鮮人らしく見せかけているクセに、動作から、顔つき
 から、話しぶりから、日本人そっくりなボーイ[略]」>(p48下段)とは、
若い娘・ヘレンの感想をペリイ・メイスンがデラ・ストリートに伝える言葉
である。

 ヘレンの伯父は長い間、行方不明だったが、ある日、電話がある。仲介者
を通じて、自分に会いにきてくれと言う。ヘレンに付き添って、ペリイとデラ
たちがホテルを訪ねてみると、仲介者の置き手紙がある。ホテルではなく、
ハリウッドの貯水池まで来るように、と書いてある、本文だけでなく署名も
タイプされた手紙である。

 ペリイがデラに示唆する。
< 「ためしに、おじぎをするように頭をさげて、顔にうす笑いをうかべ
 ながら、声を出して読んでごらん。表情を出さずに、なるべく抑揚のない
 声で読んで、どんな感じがするか、やつてみるんだ」
 [略]「あら、これ、日本人が書いたみたい」
  「わざとそう見せかけようとしても、それ以上に日本人らしい手紙を
 書くことはできないだろうね。[略]」>(p55上下段)

__しかし、本文を日本語訳で読んでも、残念ながら当然にも、
日本人らしい英文かどうかは分からないが。

 以前は住込みだった庭師との会話で、ペリイは無口な庭師の口を
開かせようとする。
<「ぼくにしたつて、まわりに、一人でも日本人(ジャツプ)がいて、
 自分が、そいつを、好きでないとしたら__そんな人間と、同じ家
 の中に暮すなど、思つただけでゾッとすることだが......とにかく、
 その日本人に、食事の用意をさせ、給仕をさせるとしたら。ぼくには、
 あの連中を、信用できない」
  「あつしの気もちも、ソックリそれと同じだ。[略]」>(p150上段)

 "日本人"が敵性外国人であり、"日本製品"が如何物を表していた
時代を、ときどき思い出してみるのもいいんじゃないか。近ごろの
北朝鮮叩きを煽るTVニュースなぞを見聞きすると、そう思う。


     (E・S・ガードナー/砧一郎 訳『そそっかしい子猫』
     HPB 1983年7版)





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by byogakudo | 2017-09-09 20:17 | 読書ノート | Comments(0)