猫額洞の日々

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2017年 09月 11日 ( 1 )


2017年 09月 11日

里見弴『極楽とんぼ 他一篇』読了

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 明治・大正・昭和を生きた、ブルジョアの父ちゃん坊や・一代記。
 自意識とか自己分析とか、その手の内省力ゼロ。社会が男に要求
する、仕事や家族に対する責任感ゼロ。それでも、親の財力に支え
られ、何とはなしの愛嬌と悪運の強さで、両親や大勢の兄弟姉妹たち
から排除されることもなく、一生を生き抜いてしまった男の喜劇的
人生が、日本・近現代史の中で語られる。

 もし貧乏人の息子を主人公にして、この時代に置いていたら、切磋
琢磨とか挫折とか、いくらでもヒロイックに描けそうだが、何せブル
ジョアの極楽とんぼなので、悲愴美は、はるか彼方。

 里見弴は巧いけれど、短篇の方が得意なのかしら? 少年期から
アメリカ修行(?)時代辺りまでは息が続くが、だんだん飽きてくる。
もうちょっとタイトに書いてもいいんじゃないか?

 関東大震災で主人公・周三郎も家を失う。母や兄たちは白銀台町
の親戚の家に仮住まいしている。

<階上階下(うえした)で七十坪もあろう洋館建てに、或る晩、
 周三郎夫婦が久振(ひさしぶ)りの顔出しをした。その折、長兄
 の話に、「今度のアメリカからの救援物資のなかでは、なんと
 いっても組立家屋が一番の大物(おおもの)だが、先日、和田君
 から、あれのカタログを送ってよこして、このうちにもし気に
 入ったのがあれば、お見舞いとして献呈したいといって来て
 くれた。好意は感謝のほかないけれど、まさか元園町にあんな
 一時的な、別荘風(ヴィラふう)なものも建てられないので、
 辞退するつもりでいながら、ついまだ返事も書けずにいたの
 だが、もし君がほしいと思うなら、僕からそういって頼んで
 やってもいい」とのこと。
 [略]
  虎ノ門のアメリカ屋が、取次販売を始めるより先に、翌年の
 二月下旬(すえ)にはもう周三郎の住居が出来あがっていた。>
(p113-115)

 兄弟姉妹が多いので、家庭内で交わされる、彼らのお喋りは
生き生きしているが、時折、上記のような、直接話法の中での
説明文がはさまれる。
 記憶にある、ちまちました作文学習では、これは避けるべき
書き方の一例だが、リズムがあればルール違反でも構わないと
いう、作家の姿勢だろうか(リズムはあってもビートがない
ので、モタると思うが)。


     (里見弴『極楽とんぼ 他一篇』 岩波文庫 1993初 J)
 




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by byogakudo | 2017-09-11 21:35 | 読書ノート | Comments(0)