猫額洞の日々

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2017年 11月 07日 ( 1 )


2017年 11月 07日

W・サマセット・モーム/尾崎寔 訳『女ごころ』読了

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 原題は"Up at the Villa"、1941年刊。1940年にはナチが
ヨーロッパ中をほぼ占領していて、モームのリヴィエラの屋敷も
押収され、イギリスに戻っている。イギリスが空爆されるには
まだ間があるけれど、そんな頃に書かれたとは思えない、浮世離れ
ぶりだ。

 ヒロインは30歳のイギリス人、上流階級。16歳のころからずっと
美貌を誉め称えられている。夫を亡くし、いまはフィレンツェの丘の
上、友人から借りた別荘に暮らしている。

 彼女は、子ども時代から知っている高級官僚、54歳から求婚されて
いる。彼は植民地・インドを治める、有能な役人で、いまにインド総督
にもなれそうだ。健康で身だしなみよく、ハンサム。

 美女は同世代の男からも求婚される。インドの高官とちがって大して
出世しそうにないが、お金には困ってない。ケニヤに土地を持っている
から結婚して一緒に行こうと誘う。チビで服の着こなしも悪く行状もよく
ないが、何とはなくセクシーな魅力とヒューマーがある。

 ヒロインと二人の男それぞれとの間には、洗練された会話が交わされる。
戦争はどこにあるだろう? 
 戦争の影は、ヒロインが招かれた夕食会で見かけた、大陸からの避難民
の男、という姿で表される。彼女は彼に気紛れな親切を施し、その結果、
トラブルに巻きこまれる。高級官僚氏は留守だ。彼女は、同世代の男に
救助を求める。

 表面は、お金持ちばかりのスノッブな社会が描かれている。けれども、
丘の上の孤立した別荘の裾野には、貧乏人や避難民たちが暮らす。

 一時的に借りた別荘は、いまはまだ孤立して超然としているイギリスの
メタファ、ヒロインと同世代氏との恊働は、その後の空爆に耐えるイギリス人
たちの予想図か、とも読める。
 インド氏と結婚してもケニヤ氏と結婚しても、戦後には、植民地独立戦争の
大きな渦が待つのだが。


     (W・サマセット・モーム/尾崎寔 訳『女ごころ』
     ちくま文庫 2014初 J)





呪 亜屁沈臓/呪 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐・夷蛮禍/

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安保関連法(戦争法)に賛成した議員名


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by byogakudo | 2017-11-07 21:52 | 読書ノート | Comments(0)