猫額洞の日々

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2017年 11月 26日 ( 1 )


2017年 11月 26日

(4)宇野浩二『芥川龍之介 (上)』、ようやく読了

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~11月24日より続く

 上巻の終りの方で、小説家・芥川龍之介に於ける剽窃と、
和歌の本歌取りの話が続く。

 宇野浩二は、文学は文学から作られるという思想(?)では
ないので、小説の手法が目立つと、それは"ケレン"だという。
たんに技巧的なのが好きじゃない、と言ってるだけに聞こえる
のだが。

 夏目漱石『道草』とドストイェフスキー『永遠の良人』を引合い
に出して、

<小説のはじめの方にエタイの知れない人物を登場さして
 おいて、作者がなかなかその人物の正体をあかさない事に
 すると、そこに妙味が出てくるのである。
 [略]
 『永遠の良人』にはまったく「ケレン」の「ケ」も感じられない
 けれど、『道草』にはいささかケレンくさいところもある。
 [略]
 極言すると、漱石は最高級の上品なケレン師だという事にもなる。
 (そうして、形も味もまったく違うけれど、芥川の好評を博した
 作品にも、やはりケレンのようなものがあった。そうして、
 [略]
 そういうケレンのようなもののある作品を書かなくなってから、
 ((あるいは、書けなくなってから、))芥川の作風が少(すこ)し
 ずつ変ってきて、『話』らしい話のない小説を主張し出してから
 間(ま)もなく、芥川は、みずから死をえらんだ__これらの事
 については後に述べるつもりである。)>(p270-271)

 この前に、たっぷり、本歌取りの話をしている。しかし、本歌取り
と言われて、わたしが思い出したのは、実朝でも何でもなくて、
(実朝、そんなにいいかなあ? 「おほ海の磯もとどろによる波の 
われてくだけてさけて散るかも」が、近代の男にはグッと来る調子を
持つ、とは思うが)その前の章、金竜館の楽屋を訪ねたときの話だ。

 宇野浩二は芥川だけを連れて行ったのではなく、小林せい子
も一緒だった。
__
<その時分の谷崎潤一郎の夫人(今の佐藤春夫の夫人)の妹
 である。そうして、佐藤春夫が『蒲団きてあるく姿やせい子嬢』
 とうたったように、せい子は、はでな服装をし、はでな行動を
 する事がすきであるらしかった。>(p150)

__つまり、後の女優・葉山三千子の様子をうたった『蒲団きて
あるく姿やせい子嬢』の元句、『蒲団着て寝たる姿や嵐山』を
思い出したのである。

 先だって眺めたTV番組で、日本のお蒲団に柄物が多いのは、蒲団
の前身が(絵柄のある)夜着だったから、という説明があった。
 なるほどと思ったが、それでようやく、"蒲団きてあるく姿"が派手
な様子であると理解して、元句を思い出すと同時に、戸板康二が
書いた東山千栄子のエピソードにも、この句が使われていた筈だと、
半日がかりで『最後のちょっといい話 人物柱ごよみ』(文春文庫)に
目を通した。

 どのページにあったかまでは覚えていないないので、頭から見て
行くしかない。そのうち時々、本文を読んじゃう。

< 私は昭和38年に、東山千栄子をはじめ、二人の男優、六人の
 女優とソ連から東欧へという旅をした。モスクワのホテルで、風邪
 気味だという東山を、その客室に見舞に行った。全快してから、
 先日部屋に伺った時俳句ができましたというと、「まア何でござい
 ましょう」と聞かれたので、「蒲団着て寝たる姿や東山」といったら、
 叱られた。>(p459)

 編集に手間がかかるけれど、巻末に、せめて人名や地名の索引が
あればなあ。半日かけなくてすんだのに。

 
     (宇野浩二『芥川龍之介 (上)』 中公文庫 1975初 J)

11月27日に続く~





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by byogakudo | 2017-11-26 22:16 | 読書ノート | Comments(0)