猫額洞の日々

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2017年 12月 18日 ( 1 )


2017年 12月 18日

(1)グウェン・ラヴェラ/山内玲子 訳『ダーウィン家の人々 ケンブリッジの思い出』を読み始める

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 エドワード・ゴーリー編の怪談集に目鼻がつきそう(?)なので、
安心して、買ったばかりの『ダーウィン家の人々』に取りかかる。

 グウェン・ラヴェラ(Gwen Raverat 1885-1957)はチャールズ・
ダーウィンの孫娘で、木口木版画家。
 詳しくは、翻訳者・山内玲子による解説、”ダーウィン家の二人” 
Gwen Raverat & Lucy Raverat
をご覧ください。

 ヴィクトリア朝からエドワーディアンの上流階級の女性による回想記。
 原題は、PERIOD PIECE: A CAMBRIDGE CHILDHOOD、1952年
刊行。この頃グウェン・ラヴェラは脳卒中で倒れる。木版画は作れなく
なったが片手で油絵を描き続け、1957年、生まれ育ったケンブリッジ
で死去(72歳)。

 グウェンの両親が知り会った頃から始まる。
 母はアメリカ人のモード・デュ・ピュイ。父はイギリス人のジョージ
(チャールズ・ダーウィンの次男)・ダーウィン、学者である。
 グウェンは4人きょうだい(弟ふたりと妹)の最初に生まれた。
 母親が(ある程度)自主独立精神の強い、アメリカ人であったせいか、
当時のイギリス上流階級にしては、自分のことは自分でやろうとする
姿勢で育てられる。

<子どもたちが自分でベッドを整えたり、自転車の掃除をしたりも
 できるという理論は、進歩的なものだった。時には、自分で靴を磨か
 されることもあったが、これもけっこう楽しんだものだった。
 [略]
 ともかくも、1940年に戦争が本格的になって、あらゆる人が人生の
 きびしい現実に直面した時、私たちきょうだいが同世代の他の人たちに
 くらべてそれほど困らなかったのも、いくらかは母のこういう考え方の
 おかげだった。>(p49-50『第三章 教育理論』)

 子ども部屋の記憶がうつくしい。
< 子どもの寝室の窓からは、真下をゆっくり流れる緑色の川が
 よく見えた。ボートが通りかかると、天井に反射する光の中を
 逆さまに映ったボートの影が動いていくのだった。日が射して
 いる時は、川面のさざ波が天井に映って、リズミカルに躍るのが
 見えた。
 [略]
 この部屋からはいつも、堰を越えて流れる水のかすかな音が
 聞こえた。そして風の吹き荒れる冬の夜、ベッドで耳をすませて
 いると、はるか遠くで駅の貨車を入れ換えている音や、機関車が
 汽笛を鳴らしながら走る音などが聞こえるのだった。それは熱っ
 ぽくて眠れない夜で、そんな時はうれしいことに寝室の暖炉に火が
 入り、火床の囲いの影がチラチラと天井で揺れた。戸外の寒くて
 さびしい夜を思うと、ベッドにぬくぬくともぐっていられるのが
 いっそううれしく感じられるのだった。>
(p39-40『第二章 ニューナム・グレンジ』)

 引用文の最後の一行に見られるように、グウェン・ラヴェラの文体は
自己愛に耽ることを避ける。たぶん、イギリスっぽい感受性、ドライ・
ヒューマーのひとなのだろう。

 『第四章 教育について』に入った。グウェンは9歳からデッサン教室に
通い、いつもスケッチブックを持ち歩く。

<目に入るものを片端から描いた。絵としては大したことはなかったが、
 それでもその習慣から何かを__他に何もなくても、少なくとも観察の
 重要さを__学んだと思う。デッサンは模写とはちがうということをだれも
 教えてくれなかったし、教えてくれたとしても、多分私は理解できなかった
 だろう。そのことに自分で気づくのに、長い時間がかかった。まわりにいる
 人たちはみんな、絵というものは写真と同じように実物とそっくり同じで
 なくてはならないと思っていた。私ももちろんそう思っていた。しかし時々、
 頭の中に突然、ある絵がひらめいた__それはたいていある想像の風景で、
 記憶の中の情景ではなかった。そして、それを描いてみると、いっしょう
 けんめい実物通りに描こうとした風景画よりも、ずっとすばらしい絵になる
 のだった。しかし、それがなぜなのかは、分からなかった。>(p73)


     (グウェン・ラヴェラ/山内玲子 訳『ダーウィン家の人々
     ケンブリッジの思い出』 岩波現代文庫 2012初 帯 J)

12月20日に続く~


 ところで岩波現代文庫・巻末の目録を見ていたら、四方田犬彦
『李香蘭と原節子』が出ている。面白そうだ。チェックしていたら、
さらに、李香蘭と原節子の時代に満州へ渡り、銀幕を支えた女性がいた。
ある映画人の波乱の人生
【書評】著・岸富美子、石井妙子『満映とわたし』/評者 四方田犬彦

というページがあった。
 これも面白そうである。





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by byogakudo | 2017-12-18 21:48 | 読書ノート | Comments(0)