猫額洞の日々

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カテゴリ:読書ノート( 2421 )


2017年 09月 18日

(2)フレドリック・ブラウン/青田勝 訳『シカゴ・ブルース』読了

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~9月17日より続く

 語り口のなめらかさは、たぶん、主人公、エド・ハンターと
アムおじさんが、殺されたエドの父親の足跡を辿ってみよう
とする際の、ちょっとした描写の挿入の巧さもあるだろう。
 やや感傷的な表現だが、効果がある。
 
<ぼくたちは歩きはじめて、通りすぎる酒場の名前を見て
 いった。ループ([略])から北へバッグハウス広場までの間
 ノース・クラーク街には、一ブロックに平均四軒の飲み屋が
 あった。貧民のブロードウェイだ。>(p55)

< ぼくたちはフランクリン街の高架線の下を歩いた。 
  頭の上を電車が通りすぎて、その轟音が夜をゆすぶった。>
(p57)

 検視訊問に出た酒場の店主が、何か隠しているようなので、
アムおじさんは店主を脅して告白させようと思う。そのために
若いエドの服装を替えさせる。ハイティーンではなく、

< 「[略]すこし老けて見えるように、濃い紺の、細いたてじま
 の服がいい。帽子もそれにつり合ったのがいるな。
 [略]
 拳銃小僧に見えないと困るんだ」 >(p112)

 着替えると、いきなり二人で最近も、強盗事件を起こしたと
いう設定の即興芝居を始めて、エドが着いて来られるかどうか
を試した挙句、演技指導を授ける。

< 「[略]マリファナのタバコを二本ばかり吸ったやつの目つきを
 見たことがあるか? まだもっと吸いたいと思ってるときの目つき 
 だぞ?」
 [略]
  「[略]しじゅうそういう目つきをしてろ。人を見るとき、殺して
 くれるっていうような勢いで、にらみつけちゃいかん。そいつは
 大根役者のやることだ。
 [略]
 そいつを電柱でも見てるように、見ることだ」>(p115)
__映画みたいな、効果の挿入。

 亡父の足跡をさらに遡る。子どものころ住んでいたゲーリーの
住宅を見に行く。

<ぼくが覚えているよりもずっと小さな家で、ひどくペンキが
 はげている。[略]一度も塗りかえたことがないらしい。
  「さくを取り替えたな。せんにはもっと高かった」とぼくは
 いった。
  アム伯父さんはくすくす笑って、「もう一度よく見直してみろ」
  よく見るとやっぱり昔のさくだった。さくはたしか胸ぐらいの
 高さだったと思うと、なんだかへんな気持になった。変わった
 のはさくではなく、ぼく自身だったのだ。>(p207-208)  
__感傷性、情緒性の挿入がためらわずに行なわれている、とも
言えるだろうか。

 うーん、なめらかな語り口の秘訣は今回も発見に至らなかった。


     (フレドリック・ブラウン/青田勝 訳『シカゴ・ブルース』
     創元推理文庫 1971初 J)

(1)『シカゴ・ブルース』
(2)『シカゴ・ブルース』



 自民党と、公明党と、維新の会と、小池百合子のジェネリック
自民党とを、落とすチャンス!

 政府発表では北海道上空を通過し襟裳岬東2000キロに落下と言うけど
・・・実態は「宇宙空間を通過しカムチャッカ半島の南東、日付変更線
付近に落下」が正しい


<襟裳岬から2000キロって、2000キロってだいたいこれぐらいの距離
 東京から北京
 東京から台北
 稚内から鹿児島
 ベルリンからバグダッド[注:正しくは3200キロ]
 パリからカイロ [注:正しくは3200キロ]
 ソウルから香港
 ニューヨークからマイアミ>
(4:08 - 2017年9月15日)

<宇宙空間まで日本上空といってしまう人たちは、#横田空域 は
 どう思ってるわけ? 首都圏上空が奪われているわけだけど。>
(2:32 - 2017年9月15日)


呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐/

 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

 上記のPDF





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by byogakudo | 2017-09-18 14:54 | 読書ノート | Comments(0)
2017年 09月 17日

(1)フレドリック・ブラウン/青田勝 訳『シカゴ・ブルース』再読中

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 写真は9月3日の駒場4丁目辺りで。


 盛林堂でフレドリック・ブラウンをまとめ買いしたとき、
うっかり未読と思って『シカゴ・ブルース』を買ってしまった。
永井淳 訳[(1)『わが街、シカゴ』/(2)『わが街、シカゴ』]を、
漠然としか憶えていないから、いいの。

 フレドリック・ブラウンのなめらかな話の運び方は、たぶん
ローレンス・ブロックもその後継者のひとりであろうが、どう
いう書き方をしているから、それが可能になったのかを考え
ながら読もうとして、やっぱり物語の方に入り込んでしまって
果せない。

 1960年代くらいまでのハリウッド映画にも同じような、
なめらかな感触がある。いったん映画館の暗闇に入った観客は、
スクリーンに光と影が投影された瞬間から映画世界に引きずり
込まれ、主人公たちの人生に共感し、彼らの生をともに生きるに
ちがいない、という確信が感じられたものだが、あの自信はどこ
から来たのだろうか。
 その後の映画は、ついにあの自信を取り戻せず、映画が自ずと
物語を語ってしまう状況についての自意識なしには、撮れない
ようになってしまったのではないか。


     (フレドリック・ブラウン/青田勝 訳『シカゴ・ブルース』
     創元推理文庫 1971初 J)

9月18日に続く~


 芸能人や政治家の不倫スキャンダルと北朝鮮からの
ミサイル飛来と拉致被害者・問題に力を得て、やっと
臨時国会を開いて、解散宣言するんですって?
 籠池夫婦は拘留(?)中だから余計な発言は出てこないし、
国会で加計学園スキャンダルを取り上げられないうちに、
野党の選挙協力体制なんぞできないうちに、ジェネリック
自民党ができないうちに、解散しちまえ?

呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐/

 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


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 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

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by byogakudo | 2017-09-17 21:13 | 読書ノート | Comments(0)
2017年 09月 16日

(2)色川武大『寄席放浪記』読了+熊谷朋哉氏のtwitter

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~9月14日より続く


 単行本『寄席放浪記』は、1986年10月に廣済堂出版・刊行。
 『あちゃらかぱいッ』が1987年11月に文藝春秋・刊行、そして
『なつかしい芸人たち』が1989年9月に新潮社・刊行という順序だ。

 『なつかしい芸人たち』や『あちゃらかぱいッ』に登場する鈴木
桂介が『寄席放浪記』の『III ぼくの浅草六区』末の鼎談『キラ星
のごとく輝いていた浅草』に、淀橋太郎とともに登場している。
1985年頃まで健在だったのだ。
 文庫本末尾に"鈴木桂介氏のご遺族にお心当たりの方はご一報
願えると幸いです。"と、ある。文庫版が出た2007年までに連絡
がつかなかったようだが、その後、どうなったのだろう。

 三人で戦前・あのころの浅草の人々の消息話をしていると、当然、
『土屋伍一の大芝居』という項目も立ってくる。

 鈴木桂介が古川緑波・一座にいたころ、松島千鳥という女優が
一座に属していた。淀橋太郎が彼女とデートしたいと鈴木桂介に
頼んだら、

淀橋 [略]「いいよ、向こうへちゃんと話しておくから」と軽く
 引き受けちゃった。だから、ちゃんとしたホテルに泊まるだけ
 のお金を用意して楽屋へ出かけて、「松島千鳥さんに会いたい
 んですが」と言ったら、やがて出てきたのは土屋伍一。こっちは
 土屋伍一の顔は知っているけど、初対面なんです。
 [略]
 「きょう千鳥は都合が悪くてほかへ行かなきゃならないんで、
 わたしが替わりにお供します」と言う(笑)。
 [略]
 だけど千鳥がだめなら一人で帰るよりは少しはましだと思って、
 「じゃ浅草へでも行きますか」「ええ、お供します」てんで、
 地下鉄に乗った。
  その時分、地下鉄には車掌みたいな女の子がいたんです。
 土屋伍一は気が変だと聞いていたから、何かするかなと思って
 いたら、「おねえさん、すまないけどラーメン二人前注文して
 ください」って言うの(笑)。
 [略]
 そう言って私の顔をチラッと見たんです。その顔が「どうだい、
 俺、やっぱし気が狂っているだろう」と、ひょっとその目の光で
 もって読み取った。あっ、これは芝居をしているなと見破った。>
(p257-258) 

 浅草で飲ませて、なぜ、気がふれた真似をしているのか、白状
させた。

 土屋伍一は一座の女の子を妊娠させ、しかも彼女に結婚すると
言ってしまったのだ。結婚する気などないのに。
 ある朝、彼女の父親が訪ねてきたので気が狂ったふりをしようと、

淀橋 [略]「ま、お父さんどうぞ、もうご飯はお済みですか」
 「ええ、食べてまいりました」「ぼく、これからなんですけど」
 と言いながら、新聞の朝刊を食べたんだって。「新聞は何たって
 夕刊がうまいんですよ」って(笑)。それで「お茶いかがですか、
 いま入れますから」とお茶を入れて、その中に煙草をほぐして
 入れて「どうぞ」って勧めた(笑)。>(p258)

 驚いた父親は娘を連れ帰り、結婚せずにすんだけれど、気が狂った
と楽屋で言いふらされているから、噂の責任を取って、気狂いのふり
を続けていたという。

 また、土屋伍一は、高見順『如何なる星の下に』での自分の
描かれ方に怒ったらしい。

淀橋 [略]犬を質に入れたと書かれたから怒ってるんだよ。
 いくら何だって、俺が犬を質に入れるかよ、俺が入れたのは
 猫だって(笑)。>(p261)

 三人揃って和気藹々と、破滅型芸人たちを称賛する鼎談を読んで
いると、ふと、反省する。小器用に生き抜くより、無計算で、
ぶきっちょに死んで行く方が美学的にはすてきだけれど、それを
賛美する側は、生き残っているから賛美もできる。
 長生きしたロマン派は、生き延びてしまった自分自身と、どう
折り合えばいいのだろう。
 それに、破滅型への愛は、玉砕指向とどう違っているのだろう。
息の長さが必要な時代もあるだろう。


     (色川武大『寄席放浪記』 2007年2刷 J)


 熊谷朋哉氏のtwitterから__

<日本のSNSがセルフィッシュさと独特の酷薄さ・残酷さに満ちて
 いるのは日本語の問題なのか社会の問題なのか、それともSNSの
 特性なのか(逆に言うとそういう発言を続ければ人気が出る)。
 誰もがうっすらと気づいている本音の存在が明らかになることの
 快感がエンジンなのだとすると…寂しいですね。>
(11:26 - 2017年9月13日 https://twitter.com/tomoyakumagai/
status/908034167446704128)

<それにしても酷過ぎる気がするな。目立つのは差別、サイコパス
 的な自我/主観へのこだわり、あとは阿諛追従とほのめかしかな。
 また、知的なものが浸透するだけの時間・神経の余裕はなく、
 ある種の耳あたりの良さ(悪さのこともある)/即効性のみが
 求められる。上記を徹底すればSNSで人気が出ます笑>
(8:12 - 2017年9月14日 https://twitter.com/tomoyakumagai/
status/908347746469347328)

__"日本語の問題なのか"は、考えたことがある。感情を記述・吐露
することに長けた(長けすぎる)からかなあとも思うけれど、その
日本語でもって、関係詞の枝が入り組み、生い茂る葉の表裏が錯綜
したフランス現代思想というのか、あれらを何とか読める日本語に
訳しているのだから、まるきり感情記述に限られてはいないと思う
のだが。

 たとえばtwitterでの発言のやり取りをずっと読んでいると、大概、
反対意見の人からの悪意の籠ったtweetも読む破目になる。疲れる。
 読まなきゃいいのに、暇だね、って思うけれど、何がどのように、
いやなのか見なきゃ、