カテゴリ:雑録( 1096 )


2017年 01月 19日

連想歩行

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 鍋屋横丁を十貫坂に下りながら、昨日に続いて考える。Sはなぜ
プラタナスに惹かれるのだろう。
 十貫坂への道にも並木とまでは行かないが、プラタナスが続く。
交差する中野通りにも植わっているが、道路整備の問題だったかで、
伐採予告の札が樹にぶら下がっていた。

 葉が生い茂っているときには目立たないが、プラタナスは裸木になると
表現主義的だ。幹にはいくつもの瘤、ともすれば、ねじ曲ろうとする樹幹、
ねじれて細長く伸びる枝先。痙攣する美があらわだ。ティム・バートンや
エドワード・ゴーリー調でもあるし。

 いや、そうじゃない。プラタナスから、なにかに思考がジャンプしようと
しているが、何だったのか。
 何年も読んでいないマルグリット・デュラスだ。デュラス『ヴィオルヌの
犯罪』の悲鳴を、冬のプラタナスが思い出させたのだ。

 常緑樹に囲まれる重苦しさを佐藤春夫が書いていた。南九州の常緑樹地帯に
育ったので、よく分る。一年中、緑々(りょくりょく)しい中にいると、世界の
単調さに押しつぶされそうになる。冬は葉を落とし、裸の幹と枝を見せる落葉樹
は、常緑樹の暴力性がなく、わたしをほっとさせる。
 ケヤキの灰褐色の幹、すくと立ち上がり広がる枝。ケヤキはとても東京だ。





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by byogakudo | 2017-01-19 21:25 | 雑録 | Comments(2)
2017年 01月 18日

井の頭線・駒場東大前の散歩

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 明日からまた寒くなるらしいので、午後、どこかへ出る。久しぶりに
東大駒場方面。本郷通りのバス停から西永福、そこから井の頭線、という
ルートの予定だが、バスが来ない。日陰で15分待つのはいや。
 微妙な遠さの方南通り、多田小学校前・バス停に向う。逆の新宿行き
バス停に立つのは、バレエの方のK夫人みたいに思うが、眼が悪くなって
いて決定できない。あちらも手をかざして逆光下のこちらを見ている。
歩み寄ってご挨拶。目の前の南台図書館にきたけれど、あまり本がない
から、いまから新宿に行かれるとのこと。

 こちらのバスもやっと来た。西永福から井の頭線・駒場東大前下車、
そのまま東大駒場を散歩する。
 少子化なのに、なぜ建物だけは増えるのだろう? それでも本郷より
コンパクトで、ごちゃつき感が少なく、わりと好きだ。
 左に「美術博物館」、右に「自然博物館」と記された古い建物の前に
ヒマラヤ杉の巨木。大きな樹はいい。
 梅の香りもしてくる。ひと休みしたキャフェの前の樹は桜だ。

 また歩き出して、Sがこれは何の樹かと聞く。プラタナスの大木だ。
先週、13日の金曜日にも善福寺川緑地で、この樹は? と聞かれた。
彼はプラタナスに惹かれる。

 駒場東大前に来たら、河野書店だろう。細い商店街を進むが、なかなか
出てこない。こんなに駅の直前だったのかと思う位置に、出現。
 店頭と店内で、三遊亭圓生『江戸散歩 上』(朝日文庫)と一ノ瀬俊也
『明治・大正・昭和 軍隊マニュアル 人はなぜ戦場へ行ったのか』(光文社
新書)、『久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集』(河出文庫)、グレアム・
グリーン『ジュネーヴのドクター・フィッシャー あるいは爆弾パーティ』
(ハヤカワ文庫)、日本のマッチ・ラベル絵はがき2枚と、絵はがき30枚入り
の"Wiener Werkstatte"(TASCHEN)。

 駒場野公園を通って池ノ上まで歩き、同じルートで戻る。

 昨日、伊呂波文庫さんにお会いして、"OSWALD HAERDTL 1899-1959"
という図録を見せていただいた。部屋で"Wiener Werkstatte"を開けて
チェックしたら、Haerdtl"Bonboninniere"絵はがきが含まれていた。





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by byogakudo | 2017-01-18 21:37 | 雑録 | Comments(0)
2017年 01月 10日

猫がいない

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 写真はSがひとりで歩いていたときに会った猫。「ひさしぶりじゃーん!」
と近寄ってきたそうです。初めて会ったのに。


 生後ひと月でうちに来て21年3ヶ月、一緒に暮した雌猫・Nim(ニム)を
失って2ヶ月近い。猫がいないので、やらなくなった日常の動作・習慣を
書いておこう。いずれ忘れそうだから。

 夜寝る前に、椅子を食卓に近づけなくなった。
 Nimはヒトと同じテーブルで水を飲む習慣があり、食卓には彼女用の
丈の低いグラスがあった。新鮮な水でないと、椅子から卓に上がって
こちらの顔を見ては、替えろと催促する。床置きした餌の隣にも置いて
あるのだが、同じ卓を囲むのが好きだったのだろう。
 ただ、最晩年にはジャンプ力が落ちたので、少しでも椅子が卓から遠いと
諦めて降りる。あわてて椅子を近づけてやる。だから寝る前には、椅子の
位置をチェックしていた。

 横になっても左側にNimがいない。枕の横に、彼女のための小さな寝床
__薄手膝掛け毛布をたたんで敷き、枕になるよう端を折り曲げて少し
高くしてあるが、結局わたしの枕に頭を乗せる__があったが、わたしが
来るまで彼女はそこで寝ている。

 やっとわたしが来る。しばらくすると入れ替わるように、Nimはベッドを
降り、食卓のある部屋に行く。3脚ある椅子のひとつが彼女ので、ここにも
薄手ブランケットがある。夏場はタオルケット。

 前の部屋のときはSの側にいた。その頃も、しばらくするとベッドの足下、
自分の椅子に行き、当時は自力で寝床を作っていた。
 二つ折りして更に二つ折りした膝掛け毛布の間にもぐり込み、内部から
引っぱって外気が入らないよう、封をするみたいに整える。外から見ると
柏餅風、あるいはモスラ様の塊になって寝ていた。

 引越してから、わたしの側になったのは、縦長の窓に近いからだろう。
窓が好きというより、窓を開けるためのハンドルに頤をこすりつけるのが
気持いいから、だったのだろう。

 いまの引出し付きベッドはマットレスも厚く、かなり高い。ジャンプする
のが難しくなってから、Nimは椅子だけで寝るようになった。ベッドから
彼女が飛び降りるとき、邪魔にならないよう、スリッパはできるだけ頭近く
に脱いでいたが、それも気にしなくなった。

 書いていると、いろいろ思い出す。





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by byogakudo | 2017-01-10 18:14 | 雑録 | Comments(3)
2017年 01月 06日

ひとりで阿佐ヶ谷へ(2017/01/05)

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 Sが少し風邪気味なので、昨日はひとりで阿佐ヶ谷に行った。
パール街にあるBO南阿佐ヶ谷店を覗こうと思って。

 BOが家電の買取を始めたって本当だった。1Fはオーディオ等の
家電が一列、CDの棚や雑誌類の棚など、わたしが見たいものはなさ
そう。
 2F、やっと本があるが、100円棚には何もない。信念を曲げて、
半額棚からエティエンヌ・ド・ラ・ボエシ『自発的隷従論』(ちくま
学芸文庫)。
 これで部屋に戻るんじゃ、あんまりだ。JR阿佐ヶ谷駅北口に進む。

 千章堂書店均一棚を覗く。正面100円棚には読みたいものが見つから
ないが、左脇の棚から若桑みどり『戦争がつくる女性像』(ちくま学芸
文庫)を取り出し、店内・左側へ。井上究一郎『ガリマールの家』(筑摩
書房)と一緒に買う。
 こんなにまともな本ばかり買ってて、いいんだろうか?

 旧中杉街道を進んで、右側の「ネオ書房」均一棚を覗くが、見当らず。
中に入ってみる勇気が、いまいち。

 コンコ堂。ここも均一棚に見当らず、店内で鳥飼否宇『昆虫探偵 シロコパ
κ(カッパ)氏の華麗なる推理』(光文社文庫)を手にして、やっと落ち着く。
脳内のバランスが取れたって感じ。

 余勢を駆って(ここまで来たんだし)、ネオ書房店内に進入。
 アルミ枠のガラス戸を横に引いて入った店内は、予想外に落ち着く。
もっと緊迫感が襲ってくるかと思っていたら、本だけ置いてある普通の
古本屋だ、なじめる。お洒落な古本屋やブックカフェが、なかなか身に
つかない年齢なので。

 棚の並びのそこここに、労働運動関係の本が挟まっているのも楽しい。
仁木悦子、どっさりだが苦手なのでパス(短編をひとつ読んだだけでメゲた
軟弱者)、メグレ氏もあったが、入口近くのローレンス・オリオール
『やとわれインターン』(HPB)を持ってレジへ。
 発送準備ができた本が重なり、隣にも本が積まれ、お金をどこに置けば
いいのか戸惑っていたら、本の上にどうぞと、店主はフレンドリな方だった。

 「通信販売の本ですか、(梱包して送るの)大変ですね」
 「いやあ、ネットに出しとけば勝手に注文が来るから、(店より)楽ですよ」
 「ネット売りの本は倉庫にあるのですか?」
 「いや、ここ。注文が来たら、全部番号がついてるから__」と、手近な
本を指差し、値段と番号の印字された紙片が挟んであるのを示して、
 「番号の合う本を出してくればいいの」

 しかし、もしや彼にしか分らない順序で本が並んでいたりして?
 (神保町・田村書店みたように)脅えなくていいと分ったので、またいつか
行こう。

 阿佐ヶ谷は新刊の「書原」だけでなく、古本屋がたくさんあっていいなあ。
JRの駅から来てパール街・右手にあった古本屋さん、名前を覚えていないが、
いつまであったのだろう?





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by byogakudo | 2017-01-06 15:47 | 雑録 | Comments(2)
2017年 01月 02日

久しぶりに蔵前へ

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 昨日より少し風が冷たいと感じるが、やはり穏やか。これなら川風も
平気だろうと、久しぶりの蔵前へ(Sは一度? ひとりで行ってると思う)。

 国松レジスターのガラス扉の向こうに猫を見たのは、いつだったか__
2012年7月24日のことらしい。

 厩橋。見おろすとテラスが開通していた。下りて、どっちへ行こう。
長歩きしないつもりなので、川上に一(ひと)橋、駒形橋まで。そこで
対岸に渡ろう。

 カモメが多い。桟橋の柵に4、5羽並ぶ。飛んできた1羽が威嚇的な
鳴き声で1羽ずつ追い払い、テラス側に近づくが、いちばん近い柵に
いるカモメは動かない。威嚇的なカモメも満足したのか、それとも
2羽は仲良しなのか、じっとしている。こちらの二人もじっと見ている。
 彼らはエサを期待して待っていたのかもしれないが、真相は不明。

 野鳥の個体識別はむずかしい。魚はもっと困難。しかし、魚の側から、
ヒトはどう個体識別されているのだろう? 撫ぜてもらいたがるクエの話
を思い出した。

 駒形橋への脇階段に猫が3匹。階段トップにドライフードが残っている。
どの猫もたっぷりした体格だ。

 駒形橋を渡って墨田区吾妻橋1丁目から本所2丁目、1丁目と歩く。
静かでいい。これでスカイツリーさえなかったら、もっと気持いい。
あれが見えた瞬間、風景が書割りになる。

 厩橋を渡って蔵前に戻る。ひと休みして、蔵前の裏手を歩いていたら、
元犬の神社(蔵前神社)に出た。社殿脇の樹はミモザ。

 1時に出て4時に戻ってきた。歩いたのは1時間強だろう。





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by byogakudo | 2017-01-02 21:25 | 雑録 | Comments(2)
2016年 12月 30日

『東京新聞 こちら特報部』『2016年 あのひとこと』より

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 今日付け『東京新聞 こちら特報部』の『2016年 あのひとこと』
(22-23面)から、さらに抜粋。

<1月 
  「政治家の事務所はいい人だけとつき合っているだけじゃ、
 選挙に落ちちゃうんですね。小選挙区だから。来る者は拒まず
 ってしないと当選しないんです」
 (都市再生機構の補償交渉に関与した疑惑で辞任した甘利明・
 経済再生担当相)

 2月
  「(ある番組が「憲法九条改正反対」支持の放送を繰り返した
 として)放送局が全く公正な放送をせず改善措置も行わない時、
 法律に規定された罰則規定を一切適用しないとは担保できない」
 (高市早苗総務相)

  「やっとここまできた。事故の責任を誰も負わないのはおかしい」
 (福島原発事故で勝俣恒久・東電元会長ら三人が強制起訴となった
 ことで、「福島原発告訴団」の武藤類子団長)>

 3月
  「官僚・政治家・復興庁・東電・経団連・安倍総理が この
 双葉郡に住んでからモノを言え」
 (三月十一日、福島県富岡町の自宅に一時帰宅した女性が、
 玄関のドアに書いた言葉)

  「(国民は)このような言葉を聞き、心臓発作を起こしそうに
 なったことだろう。贈り物は必要ない」
 (「過去を置き去り、ともに未来を見よう」というオバマ米大統領の
 呼び掛けについて、党機関紙へのキューバのカストロ前国家評議会
 議長の寄稿)

 5月
  「県民は悔しくて、悔しくて泣いている。基地がある限り、同じ
 ことが繰り返される」
 (沖縄県で起きた米軍属の男による女性暴行殺害事件で、沖縄平和
 運動センターの山城博治議長)

 6月
  「再延期するとの私の判断は、これまでの約束とは異なる新しい
 判断だ」
 (消費税増税をめぐり、安倍晋三首相)

  「司法の犯罪は、司法自らの手で裁かれなければならない」
 (戦時中の言論弾圧「横浜事件」元被告の遺族が起こした国家
 賠償訴訟で、東京地裁に請求を棄却された木村まきさん)

 10月
  「役に立つという言葉が、とっても社会を駄目にしている。
 役に立つのは十年後、百年後かもしれない」
 (ノーベル医学生理学賞受賞が決まった大隅良典東京工業大
 栄誉教授)

 11月
  「こないだ冗談を言ったら(閣僚を)クビになりそうになりまして」
 (TPP承認案をめぐる自らの「強行採決」発言について山本有二農相)

  「(福島を訪れ)チェルノブイリ事故と同じで、国は人の命に全責任
 を負うことはしないと強く感じた。全体主義の長い文化があったわが国
 (旧ソ連)と同じく、日本社会には抵抗という文化がないようにも感じた」
 (来日したノーベル賞作家のスベトラーナ・アレクシエービッチさん)

 12月
  「パイロットは県民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」
 (沖縄県名護市海上でのオスプレイ事故で在沖米軍トップのニコルソン
 四軍調整官)

  「(ニコルソン発言を受けて)植民地意識丸出しという感じ」
 (沖縄県の安慶田光男副知事)>


 そして、"土人"発言を擁護あるいは賛同した連中__
松井知事と大阪のテレビの沖縄ヘイト
「土人」発言擁護の鶴保氏 沖縄担当相の資格なし





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by byogakudo | 2016-12-30 22:23 | 雑録 | Comments(0)
2016年 12月 24日

あてどなく、高円寺へ

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 写真は、たしか日比谷で。

 昨夜はブログを非公開のまま送ってしまった。Sに言われて
今朝、公開・再送したが、日付は今日のまま。夜になってSが
気づき、昨日付けに訂正して再・再送。昨日、一昨日の異常な
温気(うんき)のせいだということにする。
 身体が冬の寒さにフィットしようとしているときに、あの
温度はない。今日の寒風のほうが、まだしも楽だ。もっと
強烈な寒風なら、こんなことは言わないが。

 少し歩きたいけれど、週末で歳末だ。当てがない。とりあえず
西へ。
 青梅街道で、カトリック高円寺教会を提案。そのまま歩き続ける。
 お寺通りでもある界隈を過ぎてカトリック高円寺教会。開いた
扉口から歌声が聞こえる。そっと覗いたら、夕方のミサに備えて
信者たちが聖歌の練習をしている。
 Sもわたしも審美的カトリック趣味なので、今日は邪魔にならない
ように、来たときと同じく、そっと去る。

 寺社仏閣、教会、モスク、どれも、いい(建築)空間はいい、ひどい
デザインはひどい、と思う。そこに信仰心はない。
 他人(ひと)がどんな信仰を持とうと個人の問題だから干渉したくない。
けれども、空間は好きでも、その空間に携わる人々(指導者たちと信徒
たち)は含まない。生身のヒトが好きじゃないのだろう。法事での僧侶の
営業法話以来、ますます、そう感じる。

 ひとやすみするためにJR高円寺駅近くに来たとき、短い路地奥の
袋小路の空間に呼ばれる。突き当たりを占める横長の木造二階家、
左手にモルタル造のアパートメント。家の前の雑草だらけの庭の名残。
なつかしい高円寺の気配が残っていた。終わろうとするもの、風景は、
ひとをほっとさせる。

 週末の電車(JR)には乗りたくないので、地下鉄・新高円寺まで歩く。
なじみの古着屋に引っかかってしまった。
 「ぼくが買ったのに、結局、君が着ている!」
 「うん。(今ごろ、気づいたの?)」





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by byogakudo | 2016-12-24 21:13 | 雑録 | Comments(0)
2016年 12月 18日

日曜日は西へ

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 写真は東だけれど、今日行ったのは西荻窪。バスを高井戸警察前
だったかで降りて歩き出したら、途中で、どうも荻窪に向かっている
ようだと気づく。誰か歩いてないかしら?
 青年が向こうからくる。白人青年が日本語で教えてくれた。眩しくて
人が歩いてくるのしか見えなかった。
 風がなくて晴れてて、今日は散歩日和だ。

 西荻に来たら、盛林堂。店頭で、獅子文六のアルバム(角川書店)を
2冊。1冊は I 青年に上げよう。
 むかし売ったことがある冊子だが、元町の洋品店の写真が好き。
蠣殻町の永楽屋が、このスタイルの洋品店だ。

 店内のミステリ棚に集中。大勢、ひとがいる気配は感じるが、背文字
しか見えない。
 『アザー・エデン』、ないなあ。あんなにどこにでも転がっていたのに。
『いなごの日』、どこかで復刊して! 

 ローレンス・ブロック『タナーと謎のナチ老人』(創元推理文庫)、Sが
渡してきた大泉黒石『人間廃業』(桃源社)を手に、いちばん奥のHPB棚を
目指して、少しずつ歩を進める。後ろのレジでお客さんと店主が熱心に
話している。時々、古本企画の(?)話をしているように聞こえるが、
本屋にいると、本VSわたしの関係しか存在しない。

 一旦、清算。出ようとすると、岡崎武志さんや古本屋ツアー・イン・
ジャパン氏の棚があった。しゃがみこんで眺める。

 古本屋ツアー・イン・ジャパン=小山氏の棚に、ちょうど探していた
デビッド・グーディス『深夜特捜隊』(創元推理文庫/リヴォルヴァの
ジャケット画)がある。渡辺紳一郎『紳一郎捕物帳 その他』(四季新書)! 
『久生十蘭「従軍日記」』(講談社文庫)も。

 もう一度レジに戻って清算。ようやく店を出る。
 駅前で休憩する。
 「レジで店主と喋っていたひと、小山氏じゃなかったっけ? 一度帰り
かけて戻ってきたひと」
 「? 気がつかなかった」

 部屋でパソコンを開く。おやおや、背後のレジで熱心に話されていたのは、
時刻といい、どうやら小山氏だったようだ。ひとが目に入らなかったとはいえ、
ご挨拶もせず、失礼しました!





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by byogakudo | 2016-12-18 22:09 | 雑録 | Comments(0)
2016年 12月 12日

荷風も喜んだであろう「姻族関係終了届」

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 12月10日付け「東京新聞」夕刊に、
配偶者との死別後、その親きょうだいとの関係を
書類だけで解消する「姻族関係終了届」を出す人が増えている

という記事が出ていた。

 家族愛という美名の下に、自助努力という強制力でもって、介護に
要する人員と費用を、"嫁"という名の家庭内・無賃労働者にやらせて
おこうとする、自民党や日本会議の連中には許し難い法律であって、
すぐにでも廃止したいところだろうが、これは女だけではなく、もし
永井荷風が生きていたら、彼も歓迎する法律ではないだろうか。

 ヒトは遺伝子の運び手だから、自身に遺伝子を共通する親兄弟姉妹が
存在するのは避けられない。(それすら鬱陶しいと感じるのを公言すると、
人非人と呼ばれる。)

 だから自然条件としての親兄弟姉妹の存在は諦めて承認する。しかし、
ひとりの男と(女と)結婚すると同時に、相手方の親兄弟姉妹と姻族関係が
発生してしまうのは、話が違うじゃないか、とも言いたくなる、時がある。

 結婚相手は、あくまでも彼(彼女)であり、彼(彼女)の一族全員と結婚
したつもりも、する意志もないのに、特に家族制度の残滓にまみれやすい
女の側には苦痛を感じることが多い。だって未だにお墓には「○○家の墓」
と刻まれ、結婚式場の案内板には「○○家・××家結婚式場」と書いてある。

 たぶん民俗学や社会学の本を読めば、婚姻と私有財産の関係がもっと
はっきり解るかもしれないが、知識がなくても、"嫁"は婚家に新たに所属
する資産と見なされる存在であり、入り婿でない限り、"婿"は嫁の実家の
資産形成には直接的に関係しない、と思われる。
 ブルジョワジー同士の婚姻に於いては、相互に財産の補強力として働く
のであろうが。

 ひとりの女と結婚することによって、相手方の親戚が出入りするようになる
のを忌避する、荷風のような男が、かつて生きていた。荷風たったひとり、
(だった)かもしれないが、日本人の個人主義者がいた。

 結婚は、相手の一族全員と成す行為ではない。個人間の契約関係である。
まるきりの他者だから、相手を愛したのではないか。
 絆や軛や枷という強制力なしに、彼(彼女)と血縁関係にある他者を愛する
ためにも、「姻族関係終了届」の清々しさは、男女を問わず必要とされるの
ではないか。

 結婚は、彼(彼女)はわたしではない、というところから始まった関係だ。
自他の峻別なしに、相互の結びつきは発生しない。





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by byogakudo | 2016-12-12 20:51 | 雑録 | Comments(0)
2016年 11月 30日

東京フリーメソヂスト 杉並中部教会(2016/11/29)

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 地下鉄や電車に乗りたくないなら、近場を歩くしかない。
行き尽くしたと思える近場。それでも青梅街道から関東バスに
乗り、五日市街道を進み、環八を越え、宮前一丁目だったかで
降りて荻窪方向に歩く。

 地下鉄で荻窪に行き、そこから南下して五日市街道という
コースもあるが、住宅地をうろつきながら無事に五日市街道
のバス停にたどり着けるか、心もとない。北上する方が無難
である。

 そういう消極策だったが、「東京フリーメソヂスト 杉並中部教会」
にぶつかった。ずっと使われていないように見える。
 枯れた草、閉ざされて赤錆た鉄柵、奥の遊具にも錆が来ている。
うつくしい。
 一周してSが写真を撮る。

 掲示板に書かれていた<杉並中部教会(東京フリーメソヂスト)>
を頼りに検索すると、検索欄・右側には写真と所在地と電話番号の
記された囲みがあるし、記事も2、3あった。

 アクトデザイン凛太郎のブログ 東京フリーメソヂスト 杉並中部教会

 雅万歩 荻窪

 小さな旅と四季の風景 静かな街の古い洋館巡り

 ここは「メソスト」表記だが、東京フリー・メソスト教団とは
違うようだし、「日本メソスト教会」との関係は?





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by byogakudo | 2016-11-30 17:15 | 雑録 | Comments(0)