カテゴリ:アート( 136 )


2016年 07月 20日

大塚へ行ったのだろうか?(セルゲイ草柳写真展)

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 セルゲイ草柳氏の写真展が今年は大塚ano ano galerieで開かれる。
今日は曇りだ。出かけるのにいい。昼前に方南通りで用事を半分だけ
済ませ、そのままバスでJR新宿駅、山手線・大塚下車。

 ano ano galerie は南口の方だ。すぐ見つける。一階奥の画廊は
一段低くなっていて半地下風だ。小さな中庭も見える、落ち着いた、
いい空間。

 去年、発表された写真も混ぜた展示。真ん中に額装してない
オリジナル・プリントの箱、隣の入口近くの台に、写真集。
 展示された中では、入ってすぐ左側__前景はアーチに覆われ、
その先に白い建物と道がうねる__の写真と、奥・右手の、立て
かけられた楽器の写真が好きだった。

     (セルゲイ草柳写真展 Une Promenade dans l’air
     7月24日まで)

 外に出たら、陽が射し始めた。曇り日の大塚散歩をする予定
だったのに、これは危ない。
 南口を少しうろつき、お茶を飲むために喫茶店を求めて駅の方へ。
あきらめて24時間営業(!)の山下書店隣の喫茶店に入る。冷房が
効いてれば、それでいい。

 一息ついたら次はどう動こうなぞと、冷房装置が儚い涼/良夢を見せる。
表に出た途端、雪だるまよりも急速に消滅し、あとには思考力を失った
ふらつく身体だけが残る、じつは夢魔の散歩コースだ。

 熱中症気味に荒川線沿線を歩き、東池袋四丁目で乗って鬼子母神前
下車、副都心線・雑司が谷乗車、以下、bla bla bla, 方南通りの用事の
残りを済ませて5pmころ、部屋に着く。写真展はよかったが、大塚って
どんなところだろう?





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by byogakudo | 2016-07-20 21:13 | アート | Comments(0)
2016年 06月 29日

銀座レトロギャラリーMUSEEへ

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 写真は近所で。落ち着いた、堂々としてる猫。

 梅雨の晴れ間をぬう。今日から銀座レトロギャラリーMUSEEで、
古い茅ヶ崎の洋館をモチーフにした絵画展があるので。

 丸ノ内線・銀座駅から左斜めに歩く。平日の午後でも、銀座はひとが多い。
日本の人口は東京や大都市圏に集中している。他の街は知らないが、東京
の中でも過密と過疎に分離しているのではないかしら。人気(ひとけ)の薄い
住宅地からやってきたので、よけい、そう感じるのかもかもしれない。

 先だっての「旅するルイ・ヴィトン展」のおかげでハイ・ブランドに対する
偏見は少し解消されたけれど、大通りをずらりと占拠するブランド旗艦店を
見ると、銀座は、と言わず東京は、だろうか、あるいは街が、大きな駅ビルの
一種になり果てたかのようにも感じる。センスの良し悪しはあるが。
 個人商店みたような在りようは、もはや許されない。商業活動といわず生産
活動はすべて(再生産の準備である消費行為も)、大企業のヒエラルキーの
下に展開すること、と宣告されているかのように。

 大通りからひとつ入った、中くらいの幅の道沿い。60~70年代造のビルから
テナントが撤退している。見捨てられたビルが銀座のあちこちで取り壊される
のを待つ。

 そんな風景の中に、銀座レトロギャラリーMUSEEが当たり前の顔して残って
いる。ほんとは奇蹟なのに、さりげなく。

 1930年代のビルの中で、1899年に建てられたサナトリウム「南湖院(なんこ
いん)」を描いた展覧会が開かれる。平下 英理 展 「忘れえぬ景色」だ。
 時間のずれ、空間のずれ(銀座と茅ヶ崎)、二重の記憶のずれと重なりが
体験できる。記憶について考える展覧会だ。
 7月3日(日)まで開催。





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by byogakudo | 2016-06-29 22:25 | アート | Comments(0)
2016年 05月 26日

「Volez, Voguez, Voyagez - Louis Vuitton(空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン)」展('16/05/26)

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 元・お客さま/いま・友人の K ご夫妻に教えていただいた
「Volez, Voguez, Voyagez - Louis Vuitton(空へ、海へ、
彼方へ──旅するルイ・ヴィトン)」展
に行ってきた。
 ハイ・ブランドに無関心なわたしたちが一体どうしたんだ、
という気がするけれど、ぃやあ楽しかった!

 キュレーター、すばらしい。展示センス、かっこいい。お金の
使い方、正しい。

 ふだんは駐車場らしい場所が、4月23日(土)から6月19日(日)
まで、"ルイ・ヴィトン歴史博物館"または"ルイ・ヴィトン製品が
語るモダーニズム歴史博物館"になっている。

 無料のシャトルバスも出ているようだが、天気もよく、次々に入場
してくる観客を誘導し、展示物の説明をする大勢のスタッフがいるので、
会場はきれいに流れる。
 入場料無料、全展示物写真撮影可能、という会場で混乱が起きないのは、
人手が足りているからだ。

 会場はいくつかのセクションに区切られている。いちばん好きだったのが
"4A.冒険"コーナーになるのだろうか、砂漠のジオラマが作られた箇所だ。
"砂漠"の素材が布なのか紙なのか分からないが、思わず手を触れたくなる。
 次の"4C.自動車"の旅では、壁に並木道が描かれ、幹線道路の左右を分ける
白い点線が床にも延びる、だまし絵の手法が使われる。

 どのコーナーも違う素材で設えてある。天井・壁面・床面、三つの次元がそれ
ぞれに工夫を凝らされ、ひとつひとつに驚きがある。
 移動の手段が格段に進歩し、旅が苦痛ではなく快楽に変化した1920年代から
30年代とルイ・ヴィトン製品とが、どう関係しているか、を効果的に見せる方法・
手段がよく思考され、十全に仕上げられた。
 会場がすべて完成したのはオープニングの朝、と聞いた。そうなるだろう。
角を曲ると次に何が現れるかなと期待させ続ける、わくわくさせる空間設計と
施行だ。
 自伝は最初のほう、成功するまでが面白く、後半は退屈になりがちだが、
今回の展示は最後まで興味を惹き続けるのがすばらしい。

 地上の権力は自らをアートに象徴させる。ヴァチカンはカトリック美術を生み、
ナチやファシズムは巨大建築を自画像と見なし、世界規模の企業はメディチ家を
目指す。
 お金が存分に生きて使われている空間だった。楽しかった理由だろう。近ごろの
お金の使われ方は大抵、却って貧しさの露呈である場合が多くて、目を背けてきた
のだが、ここでは正しく使われていた。





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by byogakudo | 2016-05-26 20:49 | アート | Comments(0)
2016年 05月 12日

楠森總一郎「ジップジャズあるいは眼球譚」展に行く

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 晴れて日射しの強い乾いた午後、恵比寿着。渋谷川沿い、東三丁目の
個人住宅の残る界隈を少し歩いた後、ギャラリーまぁるへ向かう。

 緑陰のテラスで楠森氏たちが歓談されている。挨拶してギャラリーへ。

 真ん中に人形作家、中村淳子さんの JUNX doll(下の写真)が集合。
左右の壁面は、(大まかにいえば)左側がデイヴィッド・ボウイー追悼、
右側にマーク・ボラン追悼、死者たちへの思いが正面で収束するような
構成だ。

 もう少し細かくいえば、入って左すぐの芳名帳のある卓の小さなバタイユ像
から始まり、スプーン、ボウイー "Blackstar" マークの記された手書きのノート
(バタイユやブルトンの再読、シュルレアリスム再考などなど)、COSMOS
FACTORY
、写真上の十年くらい前に(?)描き、気がついたら Bowie の肖像画
だった作品(少し描き足す)、同じく墨を用いた絵画と続き、手を描いた小品で
左壁面が終わる。

 (入って)正面の壁面が始まる。
 左端、骸骨の下には手書きのノート。正面の壁のほとんどがサムホール判の
デッサンで覆われる。一列が何枚だったか数え忘れたが、数段並んでいると
自ずとリズムとメロディが発生する。

 右壁面の左端はマーク・ボランの肖像とTシャツ、右壁・中央は小ぶりの風景画
や肖像画が祭壇のように配置される。
 さらに右、前の展覧会で見た大きな女性像には薄い目隠しが描き加えられ、彼女
の周囲を飛ぶ蝶とともに、死(者への追悼)と再生を思わせる。
 最後に双魚宮、ブルトンの肖像画でもあろう。

 入って右側、ジップジャズのかわいいトートバッグなど。

 ノートしなかったので書き落としがあるだろうが、こんな光景だった。

 日射しが弱まったころ、入口のテラスで楠森總一郎氏、中村淳子さんと
おしゃべりする。テラスに樹々の緑がうつくしく、風が通ってゆく。
 いい展覧会だった。

 楠森總一郎「ジップジャズあるいは眼球譚」展は5月15日(日曜日)まで。
 なお、14日(土曜日)午後5時からスーン・キム・ライヴ。





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by byogakudo | 2016-05-12 22:06 | アート | Comments(0)
2016年 05月 11日

昨日から楠森總一郎「ジップジャズあるいは眼球譚」展

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 昨日から始まっていたそうだが、恵比寿のギャラリーまぁるで、
楠森總一郎「ジップジャズあるいは眼球譚」展が開催中。5月15日
(日曜日)まで。
 
 中村淳子さんの JUNX doll やオブジェも出展されるようだ。
一枚のTシャツから一体の人形が作られる JUNX doll は、合田
佐和子の人形「夜の訪問者」の不敵さに通じるものがあるな、
と感じられた。
[同日追記:
2015年4月26日で感じたことである。]


~5月9日より少し続く

 写真は、善福寺川緑地の先、五日市街道沿いのHONDAバイク販売店
(修理店?)脇で。キャフェ Flavor のとなりのとなり、くらいにある。

 鮮やかな青が目を引くが、フレームから外れた右側の壁には、日中、
同色の巨大なつなぎがディスプレイされている。室内に取り込むところ
をたまたま目撃したので、やっと装飾用だと分かった。
 いま読んでいるアンドリュー・ヴァクス/佐々田雅子 訳『ブルー・ベル』
のヒロインが、たて・よこ共に大女で、彼女なら着られるかもしれない。

5月13日に続く~





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by byogakudo | 2016-05-11 15:32 | アート | Comments(0)
2016年 05月 10日

「桑原弘明展」(2016/05/09)

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 「桑原弘明展」ってやってるよ、面白そう、とSに誘われ、昨日は
中野ブロードウェイの画廊、リトルハイへ。最終日に間に合った。

 呆然とするような超絶ミクロの世界。スコープを覗き込む先に見える
室内から、妄想譚が脳内を駆け巡る。

 作品タイトルが『神様への手紙』だったかしら? タイトルと、階段にも
室内の卓にも置かれる(1mmの)リンゴや、一脚のロッキングチェアから、
これはつまり、アダムのいないエデンでしょう? エヴァはペットの蛇と一緒に
海辺のこの家に暮らしていて、数少ない近所の人からアダムについて尋ねられる
と、長い航海に出ているとか答えるけれど、彼はもう白い骨にされて地下室の床
の一部になってるかもしれないじゃない__などといった妄想物語である。

 東西南北の4点、製作され、最後の1点が11月の青木画廊で見られるそうだ。
行かなくては。

 <95年に巖谷國士と出会い、渋谷のアートスペース美蕾樹での個展で
スコープを初展示して以来>と、はてなキーワードに出ていたが、その頃は
立てこもり期だから見逃していた。

     (「桑原弘明展」@中野ブロードウェイ「リトルハイ」 2016/05/09)





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by byogakudo | 2016-05-10 21:25 | アート | Comments(0)
2016年 04月 06日

やっと『モランディ展』に行った

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 『モランディ展』は10日(日)までだ。やっと行ってきた。
 非常によかった!

 デッサンやエッチングの描線のもたらす幻惑、オブジェを同じ
置き方をして違う時期に描いた油彩の揺らぎ、光に溶けてゆく
水彩(カタログ番号69)の不思議な影。最初に掲げられる風景
(カタログ番号83)。うつくしかった。

 ひとりきりでとは言わないが、もっと人出が少なくて見られ
たらと、見にきた全員がそう願っていたのではないか。
 展覧会場最後のコーナーで紹介ヴィデオが流されていたが、
瓶の置き場を変えたことを示すために(場見るために)、卓上に
引かれた円い線の跡が重なり合っていたのも、すてきだった。

 なかなか来なかったのは体調や何かもあったけれど、東京駅と
いう問題が頭にあった。3階建てに戻すのはいいが、東京駅を背に
した風景の改変を見なければならないのが怖くって、なかなか出る
気になれなかったのだ。駅を出て案の定、腹を立てる。

 むかしは近代建築史がライヴで見られる広場だったのに、今や、
超高層ビルの影に覆われた、ただのビルの谷間。旧市街の保持と
いう観念がないのか、空を狭め、建築だけ聳えて高さを競っても、
そこに出現するのは貧寒たる風景だ。あれもこれもどれも腹が立つ。

 有楽町駅ガード下の風景に心慰み、しかし、作業服姿数人とスーツ
姿数人が入口近くで何やら語らっているのは、改修ないし取り壊しの
打ち合わせだろうか。風景が殺されきるまでに歩かなくっちゃ。





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by byogakudo | 2016-04-06 21:32 | アート | Comments(2)
2016年 03月 03日

楠森總一郎氏、第29回 IZUBI で優秀賞を!

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 去年の秋、第3回宮本三郎記念デッサン大賞展「明日の表現を拓く」
大賞を得られた楠森總一郎氏が、2016年初春には、伊東市の第29回全国
絵画公募展 IZUBI
で優秀賞! すてき。

 @池田20世紀美術館
  3月17日(木)~3月31日(木)
  (無休 9:00~17:00)

 3月20日(日)10:30からの表彰式と講評会も池田20世紀美術館で、です。





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by byogakudo | 2016-03-03 20:44 | アート | Comments(0)
2016年 02月 21日

Brigitte FontaineとAunt Sally

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 お風呂に入ってたら、あたまの中でメロディが聴こえる。Brigitte
Fontaineだとは解るが曲名が思い出せない。お風呂上がりにせっせと
検索。

 これだった__Brigitte Fontaine -- Blanche Neige 。こっちも
好きだった__Il Pleut。ああ、レコード3枚とも捨ててしまった。

 検索しながら、Aunt Sallyも思い出す。あの曲が聴きたいと探して
いたら、アルバムで出ている。おお...。
 Aunt Sally - Aunt Sally (full album) 。6:34辺り、口笛から始まる
2曲目がずっと聴きたかった。

 いいバンドだった。キッドアイラックホールで一度聴いたきり、他の
バンドも出ていた筈だが、Aunt Sallyの記憶しかない。
 暗い白熱感。一枚のモノクローム写真のような音の記憶。映って
いるのは、針を振り切って幽体と化したような何か。

 演奏の後、Phewと当時のLapis(今はLapiz)とのフォトセッション
を見ていたが(写真は佐藤ジンが撮っていたのだろうか、地引雄一
だったか、それも思い出せない)、燃焼しつくして熾火のようになった
Phewのパワーに、Lapisが、対峙しきれないだったか、敵わないだったか、
そんなことを言っていた。
 エネルギーの出し方の、男女での違いだろう。






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by byogakudo | 2016-02-21 23:54 | アート | Comments(0)
2016年 02月 18日

表現行為/表現者

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 表現された結果としての作品、それには好き嫌いが生じるけれど、
作品や作者に関して(特に作者に関して)はヒエラルキーを認めない。
誰のどんな作品でも、アートの地平にあっては同等だ。

 加納典明の写真も、ろくでなし子・作品も、バルテュス『ギターの
レッスン』も、クールベ『世界の起源』も、アートという表現行為の領域
では、すべて等し並みに"作品(アート)"である。

 だから、ろくでなし子・裁判での検察側も弁護側も、前提から間違って
いると考える。

<検察側は論告で、「性的刺激を緩和するような高い芸術性も思想性もない」
 と述べ、わいせつ物に当たると指摘。売名行為に過ぎず、刑事責任は重いと
 断じた。>

 <性的刺激を緩和するような>__なんだ、それは。芸術性と思想性と猥褻さ
の三角関係って、なに?
 <高い芸術性も思想性も>、一種、猥褻でもある芸術作品が、美術館の中で
永遠の無関心の棺に納まって鑑賞の対象となるための防腐剤・緩衝材なのか。
 そんなナフタリン・芸術性、座布団・思想性なぞ、あってたまるか。

 弁護側も弁護側だ。彼女の作品は
<芸術活動でわいせつではない>という論拠は、アートを社会に役立つものと規定
する間違いを侵している。アートは、贋金を贋金として贋金のまま流通させようと
意図する、太(ふて)ぇ奴の不逞な行為である。町起こしや村起こしの役に立つなぞ、
アートの名折れであろう。

 いつか書こうと思ってノートしていたのを思い出したから、書いておく。





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by byogakudo | 2016-02-18 20:14 | アート | Comments(1)