猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ

<   2006年 03月 ( 31 )   > この月の画像一覧


2006年 03月 31日

買うものがない!

 古書会館に着いた途端、困ってしまった。和本や黒っぽい本がお好きな方には
いいラインナップだったのかも知れないが、当方の好みとかけ離れた本が殆ど。
 あちこち うろついて明日の新着本を用意する。何とかなったかしら?

 ベン・ウェストウッド(ヴィヴィアンの息子)写真集が良かった。手にした時、
まさか90年代に撮られたとは思わなかったが、モデルの選択・衣装や小物の選び方・
カラートーンが、まったく50年代から70年代のピンナップ感覚である。本人も
前書きに書いているように、「ファッション写真にしてはポーノグラフィぽく、
ポーノと見るにはファッショナブル」な愉しいピンナップ集である。

 他には、生方敏郎「一円札と猫」を、以前買いそびれちゃったしという理由も
あって購入。趣味に走っていると ろくなことにならないが、つい亜種古本屋の
悪い癖が出た。

 今日でブログ・ランキング参加を終わります。長い間お手数をおかけ致しました。
皆様のおかげでランクアップして終了できました。ありがとうございます。

今日までクリックをお願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-31 20:12 | 雑録 | Comments(0)
2006年 03月 30日

「ファントマの逆襲」

 「ファントマ」シリーズ第三作「ファントマの逆襲」は伊東守男訳である。
前2冊は佐々木善郎訳、かなり感じが違う。伊東守男訳は・・・何というか、ラフさが
眼につく。新聞連載小説の俗っぽさを出そうとして こんなトーンになったのか、
それとも伊東氏がラフな性格だから自ずとこうなってしまったか。

 大昔に読み飛ばした時は別に気にしなかったけれど、時経り 小うるさいばーさん
への道を辿る昨今、読みながら時々気に障る。

   <そこで政界や、またパリで一番粋なサン・ジェルマン界隈で有名な
   プレイボーイやプレイガールの名前が大声で呼ばれると、・・・>
 P108の大夜会の場面であるが、二十世紀初頭のパリ社交界を表現するのに、70年代
めいた「プレイボーイ」「プレイガール」を用いるのは何故?

 不思議な学説?も文中に出てくる。
   <「・・・鑑識がいかに正確なものであるかは、足跡から身長を割り出せる
   ことからでも良くわかる。昨日も、長さ二百二十五ミリの足跡を採集したが、
   これに再生係数の六八四〇を掛けると一メートル五十三となる。今朝犯人を
   逮捕したが、何とそいつは一メートル五十三・二だったよ・・・」>
 この説は今でも科学的事実とされているのだろうか?

明日までクリックをお願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-30 18:10 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 03月 29日

「ファントマ」

e0030187_1758501.jpg








 毎夜、「ファントマ」シリーズ再読中。むかし、買ってくるなり J(カヴァ)を
むしり取り、読んでいた頃の文庫本だ。なんて乱暴者だったのだろう。
いま会ったら殴ってやる。

 「ファントマ」はノアールでやっぱり素晴らしい。次作の「ファントマ対
ジューヴ警部」になると、アルセーヌ・リュパン風活劇でちょっと残念。
 今夜から第三作「ファントマの逆襲」だ。どうでしょう?

 再読してみると、ジューヴ警部と彼のプロテジェ_旧名シャルル・ランベール、
現在のジェローム・ファンドールの関係が、やや気になる。ジューヴ警部はまだ
若いとも言える年齢であろうに、ジェロームに対してまるで父親のようでもあり、
兄のようでもあり、二人の間にホモセクシュアルな関係はなかったのかしらと、
余計な気を廻す。

あと3日間お願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-29 16:40 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 03月 28日

昨日の続き?ですが、

近頃そういえば「建坪率」という言葉を聞かなくなった。代りに「容積率」が専らだ。

 建築は好きだが実際的な知識は皆無なので、「容積率」についても、たぶん敷地面積
の何倍増し、つまり何階建てまで建設可能といった話かと見当をつけるだけである。
 (合ってますか?)

 そんな頼りない頭で推理しながら建築本を読んでいる。いいのだろうか?

 でも、前にも書いたが、容積率の緩和とやらで、そんなに高層ビルばかり建てて
どうするの?という疑問が続いている。

 大体、地主とか土地所有の概念があまり納得できてない。移動不可能なモノに
所有権が生ずるのが、わたしに取っては貨幣経済並の抽象概念なので、了解し難い。

 土地は地球の表面である。そこを人工的に区切って、所有権も発生したのだろうが
とても抽象的にしか所有できないモノの上に、具体物たる建築物が建っている・・・。
 建築と街並に関する本を読んでいて、よく解らなくなるのは、そこらに理由もあるの
かも知れない?

あと4日間お願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-28 19:34 | 雑録 | Comments(2)
2006年 03月 27日

「都市の記憶 美しいまちへ」

e0030187_12325896.jpg








 三人の著者の三番目、小澤英明という弁護士が何故加わっているのかしらと、
不思議に思った。巻末で明かされる。美しい街並・調和のとれた街区を作り、
維持するための税金控除システムを考えた人だった。

 鈴木博之氏は建物保存のために登録文化財制度の活用を訴え、小澤氏は建物のある
街区全体を美しく維持し続けるために、美しい街並であればあるほど、税制上 有利に
なる制度を提案する。

 まだ途中までしか読んでないが、地元の「街並協定団体」のトップに「登録景観
設計士」を置くのがミソだろう。いくら住民同士で話し合ってもらちがあかない時、
美の判断士「登録景観設計士」の鶴の一声「こちらの方がより美しい」で決まるのだ。

 素敵なアイディアだ。日本の街の最大欠点が街並の不調和にある。こちらにポスト・
モダーンあれば、隣はショートケーキ風建売り、またその隣がギンギラの量販店・・・
いい考えだと思うが、街並を自分たちの意志で美しく保とうという公共意識をまず
涵養しなきゃならない、最大の問題もある。

 自分だけ目立てばいいという情けない風潮を改革するのは、一朝一夕にはできない。
そこで、街並が美しければ税制上もメリットがある、不動産価値も上がるという
小澤案の出番である。この手があったか。

3月いっぱいお願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-27 12:33 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 03月 26日

「都市の記憶 2 _日本の駅舎とクラシックホテル」 

も欲しい。一昨日「都市の記憶_美しいまちへ」(鈴木博之 増田彰久 小澤英明 白揚社
02初)を結局 個人用に買ったが、あとでPC検索していて第二巻も出ていると知る。

 欲しい。増田彰久は、まるで肖像画家のように建築写真を撮る。建物が いちばん
美しく見える角度から、読者が見たいと望むシーンをきちんと切取って見せてくれる。
日本の道路は狭くてヌケが悪いのに、よくまあ・・・。

 中国銀行倉敷本町支店(旧第一合同銀行倉敷支店/旧倉敷銀行本店)は01年現在、
現役の銀行支店として使われているそうだが、もしかして 蟲文庫 さんも使って
いらっしゃるかしら?なぞ、想像しながら頁を繰る。

 むかしの銀行はほとんどが新古典様式だった。二階まで吹抜け、二階は壁沿いに
狭いギャラリーが廻らされていたが、二階部分に上がったことがないので
そこまでしか思い出せない。S によれば、中野駅南口の三菱銀行二階には、大金庫室に
至る扉(大げさなハンドルを2-3人掛かりで廻して開ける)があったそうだが。

3月いっぱいお願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-26 18:50 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 03月 25日

(3)「覆面の佳人」読了

e0030187_16263344.jpg











~3月24日より続く

 何だか大わらわの感じで物語が終わった。最初に誰を犯人にするか考えて
いなかったのじゃないか とか、途中で犯人を違う人物にしたのじゃないか等の、
疑問が残る。決して会心作ではなかろうから、あまり うるさいことは言わないが。
 でも せっかく黒岩涙香タッチで行こうと始めたなら、最後まで それで通して
もらいたかった。残念である。           (横溝正史 春陽文庫 97初)

 今週の新着本では、何といっても「和洋住宅設備設計の知識」(山本拙郎 実業之
日本社 35再函)。山本拙郎_あめりか屋_キャッ、素敵ッ!と騒いだ。

 題名だけ聞くと建築の実用知識みたいだが、山本拙郎がそこで収まる筈がない。
住まい方に注目した本であることは、目次を見ても一目瞭然。
 <第五章 居間  住宅の甦生=南面して風通しよく=家具の選択=思出と希望
 ・・・>
 <第十三章 暖房設備  住宅の暖房=日向ぼっこの部屋=冬籠りの部屋=狭き
 部屋・・・>
 読んでみたくなりませんか?

新着本

3月いっぱいお願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-25 16:26 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 03月 24日

(2)「覆面の佳人」まだ途中

~3月23日より続く

 「覆面の佳人」まだ途中であるが、この「覆面」にはヴェールとルビがある。
ヴェールなら他に訳語があったような気がする・・・面紗だったっけ? 違う
かしら?
 覆面だと、まるでおこそ頭巾みたいで、時代劇めいてくる。それをねらってるの
かも知れないが。

 擬古風もむずかしい。黒岩涙香の時代なら、イヴォンヌを疣子さんとして、読者に
親近感を与える必然性もあったろうが、もうかなり外国の知識もふえた時期に、
敢て日本人名で通すには、書きながらずっと明治期の意識を保ち続けないと、時々
枠組みからはみ出すことになる。
 パーティーの場面では「ドレス」ではなく「着物」と明治調に表記されていたが、
パリ郊外の「洋館」では、時代と場所が錯誤する。
 後で出てくる時は「邸」と、無難に書かれていたが。

 ナニ、時代錯誤とは あたしのことさ。

3月25日に続く~

3月中のクリックをお願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-24 21:40 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 03月 23日

(1)「覆面の佳人」途中

 1929年において、明治半ばの探偵小説は 既にノスタルジーの対象であったの
だろう。黒岩涙香式 欧米探偵小説の翻案を、横溝正史が試みたのが、これである。

 乱歩の名前はあっても、名前だけ。実際は正史 単独作だそうで、新聞連載小説の
ネーム・ヴァリュー上、乱歩名が加わったらしい。
 アンナ・キャサリン・グリーンの原作を翻案とあるが、書いて行くうちに
原作から離れ、独自の展開をしたと、ある。

 涙香調は人物と街の名前に現れる。パリが舞台で、登場人物はみんな日本人名に
変えられ、しかもネーミングで善玉・悪玉がすぐ解るようになっている。

 犯人に間違われる主人公が 成瀬珊瑚子爵(パリ社交界の伊達男。官憲に追われて
イギリスの老伯爵・名越梨庵と名乗り、身を隠す。naruse sango と nagosi rian は
アナグラムかと思ったが、音を似通わせただけだった)。
 敵役は蛭田紫影検事(血も涙もない絵に描いたような悪役ではあっても、紫影という
ところに やや同情の余地ありか?)。

 パリの悪所 春巣街(はるすがい)で殺人事件が起きる。身元不明の死美人!(近頃
主婦が殺されるとTVワイドショウでは「美人妻殺さる」と表現されるが、その走り
かしら? この小説の場合は文字通りだが)が漏具街(もるぐがい)の死体陳列所で
公開された・・・。

 地の文は黒岩涙香と異なる。あんなに泥臭いまでの大時代ではなく、カジュアル。
だから却って、人物名や街の名前としっくり来ない感もあるが。

 パリ郊外の砂村(すなむら)にある 古い館の記述が愉快だった。
 <そうした深い木立の中をしばらく進むと、ようやく古びた洋館の一角が見え
 はじめた。> フランスの洋館って、なあに?

3月24日に続く~

3月中のクリックをお願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-23 18:46 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 03月 22日

ちょっと昔の本の装幀は愉しかったという話

e0030187_16292473.jpg








 「ある状況」(佐野洋 宝石社 63初)をグラシン紙で覆いながら、うっとりする。
装幀 粟津潔、カット 真鍋博であるが、まず宝石社のマークも愛らしい。黒猫の
胴体が h 。愛嬌がある。

 全篇「ある・・・」と題された短篇集で、たとえば第一章「ある実験」の
タイトル文字は、頁のほぼ中央よりやや下目に置かれた印象がある。

 本の大きさは縦×横 が 18.4 × 12.6 cm くらい。「ある実験」の活字は縦半分の
少し上、8.3 cm に「あ」が置かれ、「験」が 9.9 cm で終わっている。横は ほぼ
真ん中。「ある」の「る」と、「実験」の「実」との隙間がちょうど真ん中 9.2 cm
に当る。

 そうか、タイトル文字の上半分が平仮名、下半分が漢字なので、眼が下に
引きずられるのだ。そこで やや下目という錯覚が生じたのか。

 本文頁の余白も、上の方が広い。
 ちょっとしたレイアウトの工夫なのだけれど、見た目に愉しい本が作られている。

3月中はクリックをお願いします →本・読書ランキング[人気blogランキング]へ 
[PR]

by byogakudo | 2006-03-22 15:22 | 読書ノート | Comments(0)