猫額洞の日々

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2007年 02月 28日

第X次配本

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 お師匠さん来店。今回は3点。もう1冊あったのだが、それは持っていた
(読んでもいるが、もう忘れている)クリスピンだったので、近いうちに
ノックス「kou門の足跡」(kouは門構えに甲)を持ってきて下さるそうだ。
しばらく持ち帰り本を気にかけなくていい。お師匠さん、ありがとうございます。

 昨夜なぞ困った末に「検死解剖」(トーマス野口 講談社+α文庫 95初帯)を
読んでいた。
 短い法医学史もあって、
< 一八六四年のベルリンで、アドルフ・バーゼルという教授の美しい女友達が
 数十万人に死をもたらすことになる化学合成物に自分の名前をあたえた。
 彼女の名前はバルバーラ、合成物はバルビツール酸だった。>(p46~47)
そうです。

 映画化されたクラウス・フォン・ビューロー事件も出てくる。映画は、主演が
ジェレミー・アイアンズだから見たようなものだが、かなり実際の事件に忠実に
作られていたことが解る。

 当時はインシュリンが人工物かどうかは検出できるようになっていたが、
この頃の人工インシュリンは冷蔵庫に保管しないと、すぐ使いものにならなく
なった。意味深な黒いバッグの中でインシュリンの壜が見つかっても、それは
効力をもたない。
 トーマス野口は、その点を誰も考えなかったのかと疑問を呈している。
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by byogakudo | 2007-02-28 13:17 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 02月 27日

(3)『下宿屋文学』挫折す

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Just Like Honey

When It Rains

~2月26日より続く

 昨日は途中で終わってしまった。短篇集にならないことに、やっと気づいて。
「夢みる部屋」も「誰にもできる殺人」も、中編以上である。これでは分冊式の
文庫選集になってしまう。こまった。

 「誰にもできる殺人」は連作短篇集だから1章だけ抜き出す方法もなくはないが、
ロンド形式の技巧的な作品なので、もったいなくて、そんなことできない。

 乱歩の候補作を思いついたが、タイトルが思い出せない。エーベルス
(エーヴェルス?)のいただきだけれど、あるビルの部屋の住人が次々に転落死
する話である。目羅博士ものだったか。
 30年代の都会の、夜のビル街の描写がうつくしかった。

 かくて、『日本下宿屋文学選集』の試みは潰えたのです。

(1)『下宿屋文学』
(2)『下宿屋文学』
(3)『下宿屋文学』
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by byogakudo | 2007-02-27 12:30 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 02月 26日

(2)『下宿屋文学』あるいは妄想と孤独

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Smoke Gets In Your Eyes

~2月25日より続く

 日本で、ひとかたまりの建物の内部を分割した空間に住む人々が出現したのは
いつ頃? 始まりは銀座アパートや野々宮アパートメント等、今の「億ション」
(何度聞いても下品な響きだ)に相当する住居形式が、やがて安普請の一軒家を
分割して住まうアパートになる。

 「誰にもできる殺人」(山田風太郎 廣済堂文庫 96初)の「人間荘」アパートは
もちろん、アパートという言葉も内実も下落して後のアパートである。
 2階建てで、1階に共用の炊事場と手洗い、2階への急な階段の手すりは
ぐらついている。昭和20年代末から30年代初頭('55年前後)にはよく見かける
アパートだ。

 戦前からすでに都市生活者の中では、アパートは長屋と同じく低廉な家賃で
暮せる住居形式として定着している。
 『日本下宿屋文学選集』として言いたいのは、そこがどんなに隣の物音が
筒抜けの住まいであっても、個人のための個室空間はアパートによって成立した
ということだ。イエから離れ、知り人の少ない都市に独り又はカップルで孤立して
暮らす生活様式が確立された。

 ムラ的共同体では許される筈のない、孤独な妄想空間の出現である。「甘い蜜の
部屋」・「夢みる部屋」であり、住人が殺人妄想に耽り実行する「人間荘」にも
なりうる・・・。

2月27日に続く~
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by byogakudo | 2007-02-26 16:24 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 02月 25日

(1)『日本下宿屋文学選集』の試み

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 本を持ち帰るのを忘れた。いやだけど本箱を開く。キャットニップも同じ所に
入っていて、白猫のマロがうるさく騒ぐ。だから滅多に開けない。

 大きな鳴き声に負けずに取り出したのが、山田風太郎「誰にもできる殺人」
(廣済堂文庫 96初)。もちろん再読だ。明治ものは好きだが、戦後風俗ミステリは
あまり面白いとは思えない。すっかり忘れているから、いいの。

 読みながら、むかし、誰か『日本下宿屋文学選集』を編集してくれないかと
考えていたのを思い出した。別にミステリだけでなく、下宿屋やアパートを
舞台にした小説の集成である。

 プロレタリア小説なぞに候補作がありそうだが、その方面には暗い。
思いつくのは、宇野浩二「夢みる部屋」をまず入れて、やっぱり乱歩と横溝正史も
ひとつずつ、何かマイナーなものを選んで。他に誰がいいだろう。
 頭にあったのは種村季弘編集の谷崎潤一郎・怪奇短編集、ええと、ちくま文庫の、
なんてタイトルだったかしら、あれです。そう、「美食倶楽部」。

 1冊にまとめるには、もう一つ芯になる観点が必要だ。それを発見していない。
妄想と孤独かなあ? 誰か考えてください。

2月26日に続く~
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by byogakudo | 2007-02-25 13:05 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 02月 24日

ラッシュアワー

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 すごい。5:15pm時点、3組6名のお客さまが店内にいらした。弊店の狭さを
ご存知の方ならお解りの通り、ラッシュと評すべき状況だったが、とても静な
ラッシュアワーだ。みなさん本好きで、じっくり見ていただけた。

 ラッシュの前にはカネコウノのコウノ嬢が往来座外市の帰りに寄ってくださる。
往来座前から新宿伊勢丹前までバス、新宿から地下鉄というルートで、池袋から
中野新橋までつながるのだ。

 カネコ・旅猫雑貨店さん特製「雑司が谷界隈」地図をいただく。行きたい場所に
絶対、到達できる地図だ。どんな方向痴でも行ける__筈、と書くのは物事には
常に例外があるからで、まず大抵の方向痴なら大丈夫。

 Sが全快したら訪れたいところばかり載っている。旧宣教師館と明日館とは
歩いてどのくらい離れているのだろう?と、いまから計画している。
 そうか、雑司ヶ谷は、不忍通りと池袋-目白に囲まれていて、南下すると早稲田が
待っている。やっと地理的なつながり様が解った。カネコウノさん、ありがとう!

 今週の新着です。よろしく。
 新着欄
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by byogakudo | 2007-02-24 13:20 | 雑録 | Comments(2)
2007年 02月 23日

懸案事項をかたづける

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 目録を見ていると行きたくなるが、今日の神保町はパス。だって買取が
あるんですもん。でも気になる。わたしが行かなかったときに限って何か
目録外で好みのものが出ているのじゃないか、という思いに蓋をして
Sの実家にふたりで行く。

 Sが動きが取れず、TVでもつけているしか時間が殺せなかった折りに
TVが故障した。義母(Sの母)から1台もらって運んできたのだが、その時
ヴィデオデッキとの接続を外して、そのままだった。
 彼女は新しいTVを手に入れたがヴィデオとの接続ができない、と言う。
電器屋を頼むほどのことではない。なんとかしなくてはと思いながら時が経ち、
今日やっと行けた。

 Sはかがみ込んだりできないから、機械が苦手のわたしの出番。外すとき
要するに、入力と出力とを間違えなきゃよいとは解った。昨夜、部屋のTVと
ヴィデオの接続状況を確かめてノートする。
 できました。あれだけのことなのね。いつも機械類はS任せだから心配だった
けれど、あっけなくヴィデオが見られた。

 義母の居間の天井灯。蛍光管が1本、チラついている。カヴァが外せない。
あれさえコツをつかんで外せたら替えてあげられたのに、こちらは電器屋に頼む
ことになった。ちょっと残念。

 夕飯をごちそうになって戻ってきたところ。メイン・イヴェントの税務署
行きが、3月10日過ぎには待っている。なんとかするのさ。
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by byogakudo | 2007-02-23 19:54 | 雑録 | Comments(0)
2007年 02月 22日

help!

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 ああ、読むものがない。どうしよう? 春先の落着かなさから始まる
「東京の昔」を持ち帰って再読か? それとも魂鎮め的にブランショか?
 (そんなこと言ってて、帰りに古本屋に寄って探偵小説を探すんだろうな。)
自分がいま何が読みたいのか、それがわからない。
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by byogakudo | 2007-02-22 16:44 | 雑録 | Comments(0)
2007年 02月 21日

「赤朽葉家の伝説」読了 他

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 昨日分に付け加えるが、あれだけの行数を費やすべき映画、という訳では
ありませんよ。歌や踊りのシーンは飛ばして見たのですから。

 さて、やっと読み終わった第何次かの配本。ブログを書き終えたら、
お師匠さんにfaxで感想文をお送りしよう(お師匠さんはPCの人ではない)。

 「赤朽葉家の伝説」(桜庭一樹 東京創元社 06初帯)、これもなあ・・・
日本戦後文化風俗史+サンカ伝説みたような「小説」だった。
 「失われた町」(三崎亜記 集英社 06初帯)にも感じたメッセージ性の強さや
情報小説としての側面が、わたしが愉しめない理由だろう。

 読んでも何の役にも立たない、ただつくりものの面白さが残るだけの
マイケル/マイクル・イネスにやはり軍配が上がる。
 小説はどんな形で書こうとよいが、メッセージやテーマは声高に述べる
ものではないと、思う。読後に立ち上る気配でいいのに。
 「アララテのアプルビイ」なぞ、ファースで冒険小説をやってのけるなんて、
イネスくらいのものだ。素敵。
 (「証拠は語る」マイケル・イネス 長崎出版 06初帯)
 (「アララテのアプルビイ」マイクル・イネス 河出書房新社 06初帯)

 「きつねのはなし」(森見登美彦 新潮社 06初帯)はペンディング。少なくとも
あと1冊読んでみてから決めよう。体力派怪談でないだけ、まだ希望がもてる。
 恒川光太郎の新作はいつになるだろう?
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by byogakudo | 2007-02-21 15:53 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 02月 20日

「東京の休日」を観る

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 先週、TV東京で午後の映画時間帯に放映された「東京の休日」。録画された
お客さまがいらして、ヴィデオを貸して下さった。

 「李香蘭(山口淑子)賛江」と立て看板されそうなスター映画だが、当時の
東宝スターたちの賛助出演の豪華なこと。みんなエキストラ並の出演分数で
顔を見せている。

 いちばん嬉しかったのが、遂に動いている画面で安西郷子を見られたことだ。
雑誌やムックの写真でしか見たことがなく、美人だなあと思っていたが、動きも
美しかった。
 画面の左から右手前に白いパーティードレスで横切るだけのシーンだが、
素敵だ。まるまる1本出演している映画を見てみたいものだ。演技の巧拙、映画の
できなぞ、この際問わない。

 映画は歌あり踊りありのミュージカル調エンタテインメント。でも87分ほどの
時間内で、きっちり脚本が書かれている。

 アメリカで成功したファッションデザイナが李香蘭、彼女たち日系米人の?
観光ツアー客が飛行機で東京の休日を過ごしにやってくる。
 その飛行機内でも日系人が(第2次大戦の)「勝ち組」「負け組」二手に分かれて
言い争う光景があったり、「三千ダラ払ったんやさかい」などの台詞も出てくる。
1ドルが360円の時代、日本が外国人観光客の落とす外貨を獲得しようと躍起に
なっていた時代である。

 彼らが泊るホテルのセットもなかなか。朱赤の欄干みたいな手すりの階段とか、
寺院建築めいたバー、エキゾチック・ジャパンを売り物にしたホテルという設定。

 李香蘭は戦時中、両親とともに日系人強制収容所に入れられていたが、戦後
両親を亡くし、そのお墓を故郷に建てるための来日である。ところが彼女の名声を
使って一旗揚ようという連中ばかりが集まって、てんやわんやの合同ファッション
ショウが開かれる。(ショウの始まりの挨拶は原節子。ファッション界のトップ
である。)

 利用されただけのお里帰りであっても心優しい李香蘭は、ショウがあまり利益を
上げず、みなさんお気の毒だはと、自費でお別れパーティを開く。
 そのパーティー客のひとりが安西郷子。

 エンディングは始まりと同じ飛行機の中。なつかしい筈の愛する日本は一体
何だったのかなという思い入れの表情とともに、李香蘭が小さく窓辺に手を振り
「さようなら、日本」と終わる。

 むかしの娯楽映画は盛り沢山だが、きちんと短い時間で伝えたいことは伝える
脚本でできていたと、確認した。
                  (58年 東宝 山本嘉次郎:監督)
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by byogakudo | 2007-02-20 14:33 | 映画 | Comments(0)
2007年 02月 19日

「失われた町」を放棄、「赤朽葉家の伝説」へ

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Little Johnny Jewel

Marquee Moon

 「失われた町」(三崎亜記 集英社 06初帯)を諦めて「赤朽葉家の伝説」(桜庭一樹
東京創元社 06初帯)にとりかかったところ。

 昨日から今日にかけて、(わたしを含めて)5人に聞いたが、誰ひとり
国枝枝郎「神州纐纈城」のストーリーを思い出せるひとはいなかった。
そういう本なのだろうか。
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by byogakudo | 2007-02-19 14:46 | 読書ノート | Comments(0)