猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ

<   2007年 12月 ( 30 )   > この月の画像一覧


2007年 12月 30日

「続 地下鉄サム」から「英雄の誇り」へ

e0030187_12281725.jpg








 ちゃんと「続 地下鉄サム」(J.S.マッカレー 鱒書房 56初)を
読み終えてからピブル警視シリーズ「英雄の誇り」(ピーター・
ディキンスン HPB 71初帯)に移行した。

 「続 地下鉄サム」で1カ所わからない。「サムの不景気」の
終わりに出てくる<美しい緑色をしたたばこ屋の利札であった!>
(p168下段)、「たばこ屋の利札」って何だろう?

 サムは財布から覗く緑色をドル札と間違えてスッたのである。 
最終行に<サムは、たばこ屋の利札で何が買えるかぐらいの
ことは知っていた。>(p169上段)とあるから換金できる金券の
一種であろうが、詳細は不明。

 お正月前にディキンスンに手を出す。ナショナルトラスト級の
貴族の館を用いたミニチュア・ディズニーランドが舞台だ。
 まったく、いつも、なんという設定を考え出すのだろう。例に
よって、持って回った言い回しを駆使した導入部にめんくらう。
何の話が始まるのか、眠りかけていたとはいえ、2度読みして
やっと了解した。

 今夜ひと晩では読み終わらないが、念のため、年越し用に
「モネルの書」(シュオブ小説全集5 南柯書局 77初函)、年明け用に
「連想トンネル」(式貴士 CBSソニー出版 80初)、それに小林信彦の
文庫本をなにか、と思ったが、ソレルス「女たち」があった。
 年末年始はこれでどうにかなるだろう。

 ブログも店も、07年度は今日までです。皆さま、お世話になり
ました。ありがとうございます。来年もよろしくお願い申上げます。

 08年は1月5日(土)から営業いたします。自宅はダイアル式電話
ですので、ノートPCを持ち帰って、また感想文を書いていること
でしょう。
 それでは! よいお正月をお迎えください。
[PR]

by byogakudo | 2007-12-30 12:28 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 12月 29日

J.S.マッカレー「続 地下鉄サム」途中

e0030187_13232278.jpg











 おお、読むものがない。昨夜はしかたなく「続 地下鉄サム」
(マッカレー 坂本義雄訳 鱒書房 56初)を持ち帰った。
 翻訳者・坂本義雄について、早稲田の高校の先生で、王貞治の担任?
だったような記憶があるが、でもどこで読んだのか。真偽は定かでない
ので、どなたかご存知の方、お教えください。

 「地下鉄サム」シリーズをいま読んでも、それほど面白いものでは
ないけれど、未読本で手近にあったから、つい。ニューヨークの
地下鉄内でスリを生業とする粋なオニイサンです。
 これをお手本にしたのがサトーハチロー「エンコの六」だそうだが、
昨日も古書市に出ていた。高くて買えなかった。

 お師匠さんが今年最後のご来店。ピーター・ディキンスン「英雄の
誇り」(HPB 71初帯)を譲っていただいた。お正月本ができたけれど、
「サム」を中断して読みそうなのが怖い。

 他にお願いしていたフランク・グルーバーやエイブラハム・メリット、
さすがのお師匠さんもお持ちでなかった。ハーバート・ブリーン「もう
生きてはいまい」は去年譲っていただいて売れちゃったし。
 「別冊宝石97号 F・グルーバー篇」なら、うちにもあったか。中原
弓彦「フランク・グルーバー紹介」、表紙・目次デザイン イラストレー
ションが小林泰彦と、素敵だ。

 今週の新着欄です。よろしく。
 新着欄

 明日30日(日)まで営業いたします。08年は1月5日(土)から開けます。
そんなに休んで何するんでしょ・・・?
 
[PR]

by byogakudo | 2007-12-29 13:23 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 12月 28日

「サファリ殺人事件」読了

e0030187_19333588.jpg








 前に撮った写真だけど、奇しくも今日も通った西新宿 i landビル。
昔の歳末はもっと、ずっと人が出ていたような気がする。店側の
「さあ買え、もっと買え!」だけはムンムン感じられて疲れるが、
人々の購買意欲は伝わって来ない07年度の歳末風景だった。

 つまり新宿京王デパート・古書市へ行った帰りに用足ししていた
のです。三日目なので古書市も静か。さっと廻って戻るつもりが
やっぱり、しっかり見てしまう性。見ると買ってしまう性。物欲が
本に特化してしまったのだろうか。

~12月27日より続く

 エルスペス・ハクスリー「サファリ殺人事件」(長崎出版 07初帯)
読了。
 p120に
<「次はレンチを勧めるよ。スパナはちょっと弱いかと思うね」>
と前夜、頭をスパナで殴られた警視が言うのだが、レンチとスパナは
違うものなのか?
 wrench が英語、spanner が米語とばかり思っていた。

 警視と女性パイロットがラジオを聞くシーンで
<ラジオの声が、第二ニュース放送、著作権所有、と告げた。>
<「こちらは、BBCエンパイア・サービス。第二ニュース、著作権
 所有。本日、広東で多数の犠牲者が報告されました。日本が
 新たに空襲を開始し・・・」>(どちらもp141)
 ラジオ放送の際に、いちいち「著作権所有」と断っていたのだろうか。
不思議だ。

 古風でしっかり謎解きする典型的・探偵小説。特にアトラクティヴ
ではなかった。好きなタイプのキャラクターが登場人物中に見当たら
なかったせいもある。
[PR]

by byogakudo | 2007-12-28 20:05 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 12月 27日

エルスペス・ハクスリー「サファリ殺人事件」を1/3ほど

e0030187_1322722.jpg








 オルダス・ハクスリーと親戚関係にあるらしい女性ミステリ作家・
エルスペス・ハクスリー「サファリ殺人事件」(長崎出版 海外ミステリ
Gem Collection10  07初帯)を昨夜から。

 原作は1938年の発表。アフリカの猛獣狩り団(サファリ)で窃盗や
殺人が起きる物語。

 第二次大戦以前、アフリカは白人国家の植民地だから、サファリの
お金持ち白人たちの日常がすごい。

 草原地帯の真っただ中でも正式にディナーする。極上のシャンパン、
熱く湯気のたつ料理が運ばれ、食後はリキュールとコーヒー。

 15リットルのお湯をガソリン缶に入れて各白人のテントに運び、
ゴム製の湯船をふくらませてお風呂の準備がされる。

 なにしろトラック14台、乗用車4台、発電装置1基、チューブ・
ラジオ(これは何だろう?)12台、配管システム、原住民のテントと
白人のテントを結ぶベルの回線等々、白人たちが快適にワイルドライフを
過ごすための設備が完璧に施されている。アフリカであろうとも、
ズボンはもちろんプレスされている。

 書き抜いていると、「バチあたり」とか「鬼畜米英」とか思わず
言っちゃいそう。戦勝国だと、旧植民地への反省なんぞしなくて
すむのかしら? 個人的に原罪意識なぞ感じないのかなあ?

 こんなことばかり思って読んでいるわけではなく、あくまでも
ミステリの舞台として見ているのだが。
 スピーディな展開で、いまのところ悪くなさそう。p67の
<「それが的を得ていたからだと思うんです。・・・」>が残念だ。
 「的を射る」と「当を得る」はよく混同される。

12月28日に続く~
[PR]

by byogakudo | 2007-12-27 13:07 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 12月 26日

大杉栄「自叙伝 日本脱出記」読了

e0030187_1454330.jpg











 「日本脱出記」だけ読んだ大杉栄「自叙伝 日本脱出記」(岩波文庫
71初)に、「キャッフェでキャッフェを飲む」例を発見。

 海老坂武は「キャッフェでキャッフェを飲む」と書きたいが勇気が
ないと言うが(07年6月3日)、森茉莉は書いていると6月4日付けに
記した。

 大杉栄「日本脱出記」p316より。
< それからパリの中心のグラン・ブウルヴァル近くのあるホテルへ
 引っこすとすぐ、夕方その辺をぶらぶらしながら、ちょっとはいる
 のに気がひけるようなあるおおきなキャフェへはいった。キャフェは
 実にうまい。僕は二、三ばい立てつづけに飲んだ。>

 もう一つ、重箱の隅から。
<C[陳]は北京大学の教授だったのだが、あることで入獄させられよう
 として、ひそかに上海に逃げてきて、そこで「新青年」という社会
 主義雑誌を出していた。>(p292)

 日本の「新青年」も、たしか始まりは農村青年の海外雄飛促進・雑誌
だった。上海「新青年」がどうなったか、わからないけれど、変身は
しなかっただろう。政府につぶされることはあっても。
[PR]

by byogakudo | 2007-12-26 14:06 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 12月 25日

武田泰淳「新・東海道五十三次」読了

e0030187_156496.jpg








 LAに戻られたMさんからヨセミテのライヴ映像サイト
教えていただいた。日本時間の昼間にご覧になると、薄暗闇が
見えるだけですから、ヨセミテ時間をご確認ください。
 ヨセミテと聞くとヨセミテ・サムしか思い浮かばない地理知らず。
あとで地図帳で調べよう。

 昨夜「新・東海道五十三次」(武田泰淳 中公文庫 77初)読了。
1969年1月4日から6月21日まで、毎日新聞に143回、連載
されたという。

 東海道五十三次を車で訪れながらの<旅行小説、クルマ小説、
マイカー小説、夫婦小説、私小説、滑稽小説>(解説p274)である。

 目的地に着いたら何泊かするけれど、旅先から次の地点へ移る
のではなく、一度自宅に(東京に)戻ってから再度、次地点に
向かう。運転者は武田百合子、いくら文庫本・解説者の高瀬善夫
氏がナヴィゲイタ兼カメラマンで同乗していても、女性ドライヴァが
長時間、運転し続けるのは、大変だっただろう。

 交通戦争という言葉があった頃である。道路だって、高速は
できているが、一般道では未舗装のところも多く、しかも殆ど
初めて行くところばっかり。目的地に着いても駐車場探しが待って
いる。追突事故にも遭う。なんともタフな行程が綴られていた。

 70年代直前の日本各地の状況が面白かったが、小説としては
「目まいのする散歩」の方がよかったかな。旅行より散歩が好き、
という理由もあります。

 さあ、今夜は大杉栄を読み終えよう。
[PR]

by byogakudo | 2007-12-25 15:06 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 12月 24日

大杉栄・武田泰淳 併読中

e0030187_13202658.jpg








e0030187_13204096.jpg








e0030187_13205781.jpg











e0030187_13211145.jpg








e0030187_13212951.jpg








e0030187_1321465.jpg








 長崎出版のミステリ、もう1冊を読む前に文庫本2冊を読み出した。

 Sが先に読んだ大杉栄「自叙伝 日本脱出記」(岩波文庫 71初」は、
「脱出記」の方が面白いよと言われて読み始め、まだ上海に着いた
あたり。パリは遠い。

 そこへ五反田で見つけた武田泰淳「新・東海道五十三次」(中公文庫
77初)を店で読み出したので、2冊併読している。こちらは「三ヶ日-
豊田-犬山モンキーセンター-明治村-蒲郡」でトヨタの工場を見学して
いる。

 今日の写真は、先々週の新宿御苑、御休所(ごきゅうしょ)集。
1月12日に中を見学できるが、庭園美術館でも、12・13・14日と
連続してアールデコの館内部の撮影が許可されるそうです。カメラを
抱えた冥途のみやげ組、集まれってことですね。
[PR]

by byogakudo | 2007-12-24 13:37 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 12月 23日

M.ギルバート「大聖堂の殺人」読了

e0030187_14233240.jpg








 感想文の前に、J(カヴァ)デザインについて少し。

 ISBN導入の頃はまだいい。定価や出版社名のついでに横一列に
記せば、それですんだ。バーコード以来がいやになっちゃう。2段の
バーコードを1段にして横一に並べると、腕を横に動かすので、レジ
隣りの人とぶつかるから、たぶん効率が悪いというのだろう。

 どんなにデザインに頭を使った本であれ、裏ジャケットはみんな
おんなじ。少なくとも3.5×3cmはバーコードの分として予め使用
不能ゾーンができてしまうのだから、ええい、ついでに値段も
出版社名もその下にまとめちゃえ、となるのは必然である。

 どうにも解決できないと思っていたら、マイケル・ギルバート
「大聖堂の殺人」(長崎出版 07初帯)の裏Jにやっと気がついた(写真
右側)。図案化して絵柄の中に埋め込む方式だ。これがあった。

 しかし全部の本をこうする訳にも行かず、考えられる手は、和田誠
方式しかない(写真左)。バーコード分を無視してデザインし、上から
バーコードを貼付ける。買った人は剥がしてオリジナルの装釘を愉しむ。
これしかありえない。でも貼付ける手間の分だけコストもかかる
のだろうか、あまり見かけない。

 かしこい装釘と、表紙やジャケットのややざらついた紙面が
うれしい「大聖堂の殺人」。盛り沢山な趣向のなかで特筆すべきは、
クロスワード・パズルを用いた遺書(正確には遺書の在り場所の
指示書)であろう。そんな阿呆なことを考える奴がいるものか、なぞと
思うようでは本格探偵小説は読めない。一応、インテリ階級の友人
同士でのやり取りだから、そういう可能性だってあり得るのです。

 タイムズのクロスワード式だと言いながらインテリお坊さん二人が
解いて行くが、その難しいこと。英文学にラテン・ギリシア語に
アメリカ英語に、その他どれくらいの知識教養があれば解けるのだか、
気が遠くなる。タイムズなんぞ読む気遣いはないからいいようなものを。

 あと、大聖堂を囲む住居のあちこちで猫が飼われているのも、いかにも
イギリスの大学街や教会境内の感じで、愉しかった。猫の描写はキング
ズリ・エイミスほど丁寧ではなかったけれど。

 昨日の新着欄に3冊ほど追加しました。よろしく。
 新着欄
[PR]

by byogakudo | 2007-12-23 14:23 | 読書ノート | Comments(0)
2007年 12月 22日

油断大敵

e0030187_13145628.jpg








 このところ開けるのが遅れ気味だ。昨日も思い出して気になって
いたお客さま。そろそろお出での頃じゃないかと考えながら店に着く。
 む、店先のあの後ろ姿は__振り向かれてやっぱり! 驚異の新人・
時代小説家、小林力(こばやし・りき)氏であった!(10月28日のブログ
でご紹介。)

 申訳ない、面目ない。お詫びしながら店を開け、お薦め本を
お出しする。気に入っていただけた。よかった。

 小林力氏の新作は来年4月の刊行予定。「旋風喜平次捕物捌き」の
続編ではなく、父と息子の御徒目付の物語だそうである。「喜平次」が
シリーズ化されないのは残念だが、次回作も捕物帳。スピーディな
展開が愉しめそうだ。

 時代小説に無知なので、御徒目付についてお訊ねする。要するに
役人を見張る役人らしい。てことは、たぶん汚職事件などが描かれる
のだろう。

 やはり新進作家であるご子息の消息をお聞きしたら、ココログで
ケータイ小説「セイギノチカラ」を書いておられるとのこと。
 しかし、ケータイを持たずに、PCでケータイ小説は読める
だろうか? 

 今週の新着欄です。よろしく。
 新着欄
[PR]

by byogakudo | 2007-12-22 13:15 | 雑録 | Comments(0)
2007年 12月 21日

五反田! 五反田!

e0030187_19542868.jpg











 今日行かなかったら1ヶ月、古書展に行かない記録をつくる
ところだったと、今気がついた。そんな久しぶりの古書展、しかも
五反田。やはりうれしい。五反田の何がうれしいって、そりゃあ・・・
なんだろう? 

 神保町に行けば、まず間違いのない、立派ないい本が手に入る。
ごたごたした変な本も安価に買える。でも古書展の愉しさが、なんか
違うのだ、五反田とは。
 だって1Fにいると、聞き覚えのある声で
 「そろそろ、おやつ買いに行こう! 俺の好みでばっかり選ん
じゃうとダメだろう!」とか聞こえて来る。神保町ではまず耳に
しない、いかにも古本屋さんが集まった、という気分に満たされる。
 のどかさだけでなく、置いてある本も、それこそ雑本の愉しさが
待ち受けている。やっぱり五反田だ。(まあ、たまには「ない!」
ときもある。それはどこの古書展でも同じだが。)

 新着欄に載せるグラフィック系が欲しくて行ったのだが結局、
文庫本も単行本も買っちゃったみたい。初志は貫徹しない。重いので
発送を頼んだ。もうふたりとも無理ができない身体なのだ。
[PR]

by byogakudo | 2007-12-21 20:22 | 雑録 | Comments(0)