猫額洞の日々

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2008年 05月 31日

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 忘れないうちに新着欄。今週もよろしく。
 新着欄

 店内に暖房復活。これが風薫る五月? 呪われている。

 山崎阿弥さんが店に立寄る。帰りしな、美咲歌芽句とドラムス・
荒木氏がやって来た。

 芽句と荒木氏による言葉と音のCDを少し聴かせてもらう。言葉が
際立ち、聴き手それぞれが不可視の三角形の頂点を見るような
うつくしさを感じた。
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by byogakudo | 2008-05-31 14:16 | 雑録 | Comments(0)
2008年 05月 30日

森茉莉付近(21) 「波乱へ!!」より

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 横尾忠則「波乱へ!! 横尾忠則自伝」(文春文庫 98初)より。

 1965(昭和40)年、横尾忠則はついに憧れのひと・三島由紀夫に
会う。イラストレーターの個展という新しい発表形式を、三島に
見てもらいたいと高橋睦郎に頼む。
 会場で三島が熱心に見ていた絵をプレゼントしたいと申し出たら、
家が改築工事中なので、後日お願いしたいと言う。

 絵を携えて高橋睦郎とともに三島邸に赴いた横尾忠則は、書斎机の
真ん前の壁が空けてあり、三島が自らそこに絵をかけてくれたのに
感激する。

< 三階のテラスの方に紹介したい人達がいるからといってそちらの
 方へ案内された。澁澤龍彦、森茉莉、堂本正樹らの文学者達を
 そこで初めて知った。まさか三島さんはぼくが澁澤さんと森さんの
 本の愛読者であることなど知っておられるはずがなかったが、三島
 さんの意識に少しでもひっかかる人間はこうして三島さんの周囲に
 集められるようになっているのかも知れないと思うと、ぼくもその
 仲間のような気がしてひとり悦にいっていた。>(p98)

 テラスから見える山の上空に空飛ぶ円盤を見た話があり、
< 突然三島さんは森さんの方に顔を向け、
 「吉行淳之介はそんなにいい男かね」
  とさっきから三島さんと森さんの間でかわされていたらしい
 話題にもどした。
 「だって昔はブリアリみたいにきれいだったわ」
  森さんは夢見る少女のようにうっとりとしていった。
 「でも最近はめっきり老けたじゃないですか」
  どうも三島さんは面白くないというような顔をして不満げに
 いった。[略]>(p99)

 三島由紀夫は1966(昭和41)年、南天子画廊での個展案内状にも
推薦文を寄せた。
< 個展のオープニングには多士済々の文化人が集まってくれた。
 思い出す名前を挙げると、三島由紀夫をはじめ、澁澤龍彦、土方巽、
 森茉莉、白石かず子、高橋睦郎、一柳慧、[略]。>(p133)
 ここでは名前のみ、森茉莉エピソードはない。

   (掲載誌__「流行通信HOMME」1988年9月号〜1992年7月号
         (隔月連載)
   単行本__1995年11月 文藝春秋刊「横尾忠則自伝」を改題)
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by byogakudo | 2008-05-30 15:53 | 森茉莉 | Comments(0)
2008年 05月 29日

「まるごと杉浦茂」より (2)

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< あの頃、二科展なんかで大変なもんだったんですよ、
長谷川利行って。>(p153)
 だが、窮死する。
< [略]あの方はね、絵が売れるっていうより、たまに無理やり
 買ってもらうんですよ、町の旦那衆とかに。[略]>(p153)

 お金が入れば呑む。
<[略]ただ、素面(しらふ)でいれば油絵を描いていた。キャンバスが
 なければ、そこらから佃煮(つくだに)の箱の蓋(ふた)を拾って
 くるんですよ。それが立派なスケッチ板になるからね。油絵って
 便利ですよ、ああいうのにでも描けるから(笑)。佃煮の蓋なんて
 こんな大きなのがあったら大喜びですよ。立派な絵が出来る。
 あの当時、佃煮の蓋に絵を描いた絵描きなんて珍しいだろうな(笑)。>
(p154)

 絵描きでは食べて行けない杉浦茂は田河水泡に弟子入りする。
1932(昭和7)年4月1日、3ヶ月間机にしまっていた紹介状を携え、
田河水泡宅を訪問。3日の誕生日で24歳になろうとする時である。

 漫画家になった杉浦茂は松野一夫とも知り合い、「黒死館殺人事件」の
挿絵が描かれる様子を見せてもらう。
< [略]黒地に白で描いた『黒死館殺人事件』の挿絵はうまいやり方だな
 と思って、それとなく先生[注: 松野一夫]に聞いてみたんだよ。
 そしたらね、『僕はあの原稿を読んでも何がなんだかわけがわからない
 んだよ。だからいい加減にね、男と女を配して入れちゃうんだよ。
 実はあれ読んでないんだよ』っていわれてびっくりしちゃった。>(p154)

< 先生に聞き忘れたことは、どうしてあんな風に、外人が描いた
 ように外人の顔や姿を描けるのかっていうこと。あれ、他の人の絵と
 違っていかにも西洋人らしく描かれているでしょう。あれはいったい
 どういうことなのかっていうのを、聞くことが出来なかった。>(p155)

 若い漫画家たちとの座談会も収録されているが、その中で杉浦茂は、
一人称として「杉浦」を用いている。「私は」ではなく「杉浦は」と
言っている。

 日本郵船の船医になった次兄から、海外の話を根掘り葉掘り聞いて
いるが、杉浦茂自身の海外体験はない。
< ヨーロッパやアメリカへは行ってみたいですね。でも、オースト
 ラリアやハワイみたいなところは、一切ごめんですね。
  [略]
  たいした歴史も文化もないところには、行きたくない__と、
 はっきりしてるんです。>(p39)

 アフリカ、インド、アラビア、南米、中国と、(歴史のある)
異郷を舞台にした映画が好きな杉浦茂は、インタヴューで漫画や
漫画映画に関して聞かれたとき、こう答える。
< 私は、あまりディズニーは好まないんです。あったとしても目に
 入らない。手塚治虫(てづかおさむ)さんと反対なんです。[略]
 ああいう絵はアメリカの俗っぽさを代表するもんで気に入らない。
 [略]
 普通のアメリカのナンセンス漫画は良かったですけれどね。
 「新青年」で毎号たっぷり楽しませてもらった。
 [注: 杉浦茂のお気に入りは オットー・ソグロー]
 [略]
  ベティ・ブープ? あったけど、あれも嫌いだった。あと水兵の
 マンガ。何ていったっけ。>(p137)
 ポパイも嫌い。
< そう。ああいうのは面白いけどね、やっぱり私は"本筋"が好き
 なんですよ、本物が。だから俗っぽさって一番嫌いなんです。
 [略]ミッキー・マウスにしてもベティ・ブープにしても面白いとは
 思うけど、どうも好きになれなかった。>(p137)

 杉浦茂の油絵が1点、紹介されているがモノクロームなのが残念だ。
1930(昭和5)年、第11回帝展入選作、「夏の帝大」という50号の油絵。
素朴派風にもシュルレアルにも見える。左下隅にイーゼルが描かれ、
そこにも「夏の帝大」風景が描かれている。(p143)

   (ペップ出版 88初)
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by byogakudo | 2008-05-29 15:01 | 読書ノート | Comments(2)
2008年 05月 28日

「まるごと杉浦茂」より

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 ペップ出版「杉浦茂ワンダーランド 別巻 まるごと杉浦茂」(88初)
には杉浦茂自身による年譜やインタヴューが収録されている。

 1908(明治41)年、本郷の医家に生まれる。大学受験万年浪人の長兄、
旧制中学生の次兄がとっていた「新青年」や冒険小説を読み、活動写真に
熱中する。

 1913年、関東大震災。翌年、父が急死。二人の兄は医師になり、以後
数年、画塾に通う茂青年を援助。

 下町と山の手の中間にある本郷で育ったせいか、浅草になじめず、
(青年期は)新宿の武蔵野館、徳川夢声たちの活弁を好む。
< 浅草その他の弁士は美文調でいい調子でやるんですよ。[略]
 だけど武蔵野館の一派はそういうやり方じゃなくてね、もっと
 普通に淡々と語るようにやるんです。[略]これはインテリ青年向き
 ですね。>(p146~147)

 画学生時期は油で風景画を描く。子どもの頃から父に連れられて
上野の帝展に行っていた。
< [略]おやじは日本画が好きなので日本画の所を観て廻るんですが、
 私は洋画が好きだったから洋画部門だけを観て廻るんです。それで、
 出口の所で、また、おやじと落ち合って帰るんです。>(p141)
 茂少年が、日本画を描く父を見ている漫画あり。(p128)

 杉浦茂青年の描く風景画は自然ではなく、建築物。しかも当時の
モダーン建築ではなく、東京駅や三菱の一丁ロンドン、帝大、大使館、
横浜山手の外国人の建てた洋館などである。

 ある日帝大にスケッチに行った茂青年は、赤煉瓦の建物の前に
イーゼルを立てて写生している人を見る。直観的に長谷川利行だと
思う。絵をのぞいたら、やっぱり長谷川利行だ。
< そしたらその人がね、私に話しかけてきたの。「バーミリオンが
 なくなってね、赤レンガの色が出なくて困っているんだ」って。
 [略]それで「私も油絵をやっていて、近いからすぐ持ってきて
 あげます」って、家へ飛んで帰ってね、絵具箱かついで持ってきて
 バーミリオンの絵の具あげたの。そしたら「ありがとう」って言って、
 ババババッってあっという間に仕上げちゃってね。それからあの人と
 お知り合いになってね、東京中に写生のお供をしていつもくっついて 
 いった。[略]>(p153)
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by byogakudo | 2008-05-28 16:02 | 読書ノート | Comments(0)
2008年 05月 27日

柄刀一「密室キングダム」読了

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 やっと読み終えた。「密室」考察が大好きな方ならお薦め、
ミステリ(ストーリー)としての面白さを求めるなら薦めない。

 読み出してしまったから、お師匠さんに一言でも感想を
述べるためにだけ読み終えた。疲れた。
 いちおう全部、遺漏なく書かれている。ちゃんと出来事が
呼応し合っていて、その意味では破綻はない。つじつまが
合っている。それだけだ。
 ストーリーを盛り上げようとか、ここがクライマックスとか、
そんなものはない。どころか、どう読んでも無駄なエンディング
までくっついている。

 枠組み小説で、初めと終わりとが病院の診察室だ。ここで
関係者ふたりが過去の事件を回想するのだが、枠組みの必然性は
感じられない。「大時代な犯罪の世紀は終わった、昔はよかった」
と嘆き合ってるだけである。

 どうでもよいことだが、
< 玉世の命は、もう長くは保(も)たない。その終焉の時に、この
 悲劇を伝えられるか? 知らされた時点で、ショックのあまり
 老嬢の息は止まってしまいかねない。>(p910)
 「玉世」は結婚して子どももある未亡人だ。老夫人ではあるが
老嬢ではない。

   (光文社 07初帯)
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by byogakudo | 2008-05-27 14:20 | 読書ノート | Comments(0)
2008年 05月 26日

「密室キングダム」今日中に終えてやる

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 写真は玉川上水緑道で遇った猫。ひと慣れしていて、「お呼び?
じゃあ、撫でさせてあげますか」。悠然としていた。

 かなりうんざりしながら、まだ「密室キングダム」を読んでいる。
杉浦茂も持ち帰ったが、にもかかわらず、読んでいる。

 「密室殺人事件」だけでは悪いと思ったのか、列車時刻表を
持ち出してのアリバイ検討シーンも4頁ほど出て来たが、全体の
トーンを変えるには至らない。(読み終えてから言うべきだが)
山場を作ろうとは考えないのだろうか。

 次々に「密室状況」が出て来る。その度に丁寧に合理的な処理をして
__「処理」という言葉がぴったり__次の「密室」へと話が進む。
物語に流れが感じられない。情報処理の結果だけ見ているみたいな。

 「鍵はかける」・「錠は下ろす」と、都筑道夫の何かで覚えた。
「密室キングダム」では、錠も鍵ももっぱら「かけて」いる。
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by byogakudo | 2008-05-26 14:08 | 読書ノート | Comments(0)
2008年 05月 25日

「密室キングダム」半分ほど

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 半分は過ぎたが、飽きちゃった。タイトルに違わず密室殺人事件
ばっかり出て来る。その度にミステリ談義やマジックの話から事件を
考察し、主人公以下ディスカッションする。「密室」だけが好きな
特化したミステリファンならともかく、小説として楽しもうという輩は
困ってしまう。

 文体もねえ。塗り込め形の文体で、一所懸命ムード(?)を作ろうと
しているようだが、なんだかあか抜けない。作者だけが力んでいる
ようで、まさか本格ミステリは泥臭くなければならないって、作者は
思ってはいないだろうが。

 ペップ出版の「杉浦茂ワンダーランド」全8巻が入ったので、どれか
持ち帰ろうかとも思ったが、絶対、杉浦茂を熟読することになるから
止めた。「密室キングダム」に戻れなくなる。
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by byogakudo | 2008-05-25 13:35 | 読書ノート | Comments(0)
2008年 05月 24日

「日曜日の住居学」読了/「密室キングダム」途中

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 忘れないうちにご紹介。今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄

 昨日買った宮脇檀「日曜日の住居学」(丸善 83初)読了。建築家は
つねに妥協を迫られる。個人住宅設計なら、更なり。純粋なアート
作品・アーティスト__そんなものがこの世にあり得ると仮定して__
でいることは許されないし、口数も多くなる、ということか。
 係らなければならない生なファクトが多すぎるが、依頼主を無視して
作品だけ作ったところで、それもつまらないだろうな。

 お師匠さんからお借りした柄刀一「密室キングダム」(光文社 07初帯)、
じわじわと読んでいる。マジックとミステリとは構造が似ているが、
マジシャンが密室状態で殺され、弟子である青年がじっくりと推理を
進める本格ミステリ。

 石造りの館で偉大なマジシャンが殺され、マジック関係者が衒学的な
台詞のやり取りでエクセントリシティを強調するのは、いい。文章で
見せるマジックであり、「黒死館殺人事件」みたいなものかと了解
するが、故人をしたう元家政婦までが漢語調の台詞を口にするのは、
どうだろう? 彼女は少し痴呆症気味でもある。全体のトーンを
こわしたくないのだろうが違和感がある。

 ときどき説明調になるのは、本格ミステリとして仕方ないこと
なのだろうか。本格だからって文章が下手でかまわないとは思わないが。

 それと、登場人物のネーミング・センスが不思議だ。殺された
マジシャンが「吝(やぶさか)一郎」、弟子の青年は「南美希風(みなみ・
みきかぜ)」である。わたしには判らない。
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by byogakudo | 2008-05-24 13:01 | 読書ノート | Comments(0)
2008年 05月 23日

神保町〜高円寺

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 目が覚めたらSは甲虫にはなっていなかったけれど、赤く喉を
腫らしている。ひとりで出かけた。暑い日だ。

 神保町古書会館で本を受取り、八木書店で受取り、更に1冊
追加したのでこの分は送ってもらう。
 タリーズ手前の南洋堂で引っかかり、宮脇檀「日曜日の住居学」
(丸善 83初)を買う。タリーズ〜地下鉄内と読み継ぐ。

 神保町から新高円寺なら、半蔵門線・永田町乗換えがいいですよ
と地下鉄職員に教わる。いいんだけれど、思った通り連絡通路が長い。

 新高円寺着。ここから西部古書会館までも長い。途中の「アニマル
洋子」を覗くがSF等は見当たらず。
 西部古書会館で受取る。お、重い。ためらったが持ち帰る。やっと
店にたどり着き、今から接骨院に行きます。

 来週は部屋に籠ろうかしら。
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by byogakudo | 2008-05-23 17:09 | 雑録 | Comments(0)
2008年 05月 22日

Hello, Meg ! /「守護天使」

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 昨日、美咲歌芽句(Jeane)が訪れた。夜はレックのライヴを見に
行くという。あれこれ、三人でお喋り。いよいよ彼女の今回の
ライヴも、来週5月28日(水)神楽坂DIMENSION でいちおう終了。


     5月28日(水)

  【いぬ屋敷 Vol.42 ぽえがの間】
  @神楽坂DIMENSION(旧エクスプロージョン)
  open/start 18:00/18:30
  adv/day 3000/3000

  出演 遠藤ミチロウ
     宮西計三&Onna
     Jeane(ex.Mr.KITE)
     +ラピス(SANDADA,忘我'z,ex.Friction)
     +荒木康弘(ex.アレルギー,水の羽,P-Model)
      業火クラブ(ミック from 光束夜)
      DJ:ECD


 美咲歌芽句=「荒涼天使」の次は「守護天使」の話。07年
4月7日に感想文を書いているが、映画化されて現在、撮影中
らしい(公開は来年)。著者・上村佑(うえむら・ゆう)氏の父君、
驚異の新人・小林力(こばやし・りき)氏__07年10月28日付け__
の新作時代小説も6月に発売予定。ついにシリーズ化決定!ですって。
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by byogakudo | 2008-05-22 12:56 | 告知 | Comments(0)