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2008年 10月 31日

長い10月

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 今年の10月は長かったような気がしてならない。31日ではなく
35日間くらい10月が続いているような感じで、これは一体、何の
せいだろう? たんに疲れている、ということかしら。

 新着欄は作ってあるし、どこかへ出かけた方が気分転換できて
いいのだが、曇り空に気が滅入り、Sは部屋に残った。ブログ中毒者
のみ、店に出て来る。
 メールチェックしたら、注文が入っている。冊子小包を作りながら、
通信販売だけになると、こうやって休業日を自らなくしてしまうのかと
怯える。まずい。

 江戸時代の商店勤めなぞ、年に二回しか休日がなくて、それが
当り前だったから疑問もなかっただろうが、どうやって気を取り
直していたのだろう? 生活の速度が全く違うから、想像し難いのか。

 「荷風随筆集(上)」(岩波文庫 87年4刷帯)を再読しているが、
もう1冊、何か探して、部屋に戻ります。
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by byogakudo | 2008-10-31 16:07 | 雑録 | Comments(0)
2008年 10月 30日

美咲歌芽句の訪れ

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 ライヴ・パフォーマンスも終わった美咲歌芽句(みさか・めぐ)が
ふらりと来店。

 なかなかいいライヴだった様子で、行けなかったのが残念だ。
もう体力がないので、店を閉めてから夜出かけることなぞ、
いつの話、どこの人、という思いである。

 25日(土)のライヴでの衣装を話してくれる。
 足下は紫のトゥシューズ風、脚は黒いスパッツ、シュミーズドレス風
ワンピースはスカート部分が三色に切り替わり、裾も斜めにカット、
髪をまとめて赤いベレに入れ込んで、といった塩梅(正確な記述では
ないかもしれないが、大体そんな感じ)。

 芽句の説明を聞いていたら、乞食の王子様みたいだったブライアン・
ジョーンズの姿が浮かんで来る。
 「あれの王女様版?」
 「まあ、そんな感じかな」

 22日(水)の衣装は、こちらはボーイッシュ。ピーターパンか、
ロビンフッドみたいな印象だ。

 見たかった。素敵だっただろう。
 と、悔しがっていたら、25日のシネセゾン渋谷のライヴは、撮影された
ようで、いずれDVDが送られてくるとのこと。安心する。

 朗読した新作の詩も、近いうちに彼女のブログの作品欄に追加される
予定。あんまり、いわゆるロックっぽい詩ではない、と言う。
 「でも、今のあたしの気持だから」
 また愉しみがふえた。

 なお、明日のシネセゾン渋谷では、
<10/31(金)オールナイト上映!
ゲストを迎えたトークショー&FRICTION、LIZARD、E.D.P.S、s-ken、
あがた森魚らのお宝映像も上映予定!>
 ということだが、芽句も見に行くようなことを言っていた。

 ECOからコメントが入っていたのに、ちゃんとご紹介するのを
忘れていた。以下、23日のコメント欄からの再録です。


10/25以降も毎日『ROCKERS(完全版)』の上映はしています。
また初日のあともたくさんイベントが続いてあります。

★東京ロッカーズの全貌に迫った『ROCKERS(完全版)』が
10/25(土)より渋谷シネセゾンにて公開!(連日21:20~)

<HMV渋谷店>トーク&ライブ
◆10/25(土)17:00~ 観覧無料
ゲスト:モモヨ(G.Vo. LIZARD)、恒松正敏(G.Vo. ex.FRICTION)、
地引雄一(「EATER」編集長)

<シネセゾン渋谷>公開記念ライブ ※本編上映前
◆10/25(土) ジーン(Vo. ex.Mr.KITE)+荒木康弘(Per. ex.P-MODEL)
◆11/7(金) 恒松正敏(G.Vo. ex.FRICTION)
◆11/14(金) 久保田慎吾(G.Vo. 8 1/2)
◆11/21(金) モモヨ(G.Vo. LIZARD)

10/31(金)オールナイト上映!
ゲストを迎えたトークショー&FRICTION、LIZARD、E.D.P.S、s-ken、
あがた森魚らのお宝映像も上映予定!
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by byogakudo | 2008-10-30 14:20 | 美咲歌 芽句 | Comments(0)
2008年 10月 29日

吉田健一「絵空ごと」読了

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 早合点がわたしの最大欠点であるが、不遜にも吉田健一が
何代目であるかなんて考えたバチが当って、後の頁には
ちゃんと、明治以降の混乱のせいで家柄も何もあるものか、
といったことが書かれていた。すまぬ、吉田健一。

 人間が人間であるとは、時間の経つのを眺めている心境を
保っていること。それを小説として表現するために、市井の
地道な仕事をしている人々を主人公にしてもよいのだが、
静かな文明批評を展開するには、知的な有閑階級を主人公として
据えた方が展開しやすい。

 名画とされる美術館級の絵画の模写を展示した画廊の話から、
贋ものの絵がかかっている本物の家を数人で建てる話にまで、
物語は緩やかにうねりながら流れ進む。

 主人公たちはみんな、戦後復興後の日本での本物志向が、どれだけ
インチキ臭いかと感じている。好きでもないのに美術館に出かけて
絵画鑑賞に励んだり、有名店だからと、美味とされる料理屋に押し掛け
たりする、大衆的上昇志向に見られる虚偽や、流行りの思想にうつつを
抜かすエセ知識人どもに邪魔されることのない、いわば竹林を、築こう
とする。主人公たちは男性五人(ひとりは英国人)、女性二人である。

 好きな絵が掛けられ、楽団を呼んで室内楽を演奏させて、酒杯を
片手に音楽を愉しみ、目を庭に遊ばせることもできる、あたかも
個人の住宅のような賢者たちの共同の夢の家を熱心に語る、主人公
たちの口調を読んでいると、「小公女」セアラの屋根裏部屋の宴会
場面の熱気を思い出した。
 吉田健一の好きな本として、たしか「小公女」もあった筈である。
p44には、岡本紀[ママ]一の挿絵がついたアンデルセンのお伽噺の
ことも話題に上がっている。

   (河出書房新社 71初函帯)
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by byogakudo | 2008-10-29 16:25 | 読書ノート | Comments(0)
2008年 10月 28日

篠原知子さんのねこ張子

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 先日の四人展を終えられたイラストレータ、篠原知子さんが
いらっしゃる。

「本屋さんヴァージョンです」と言って、右手にピンクの
表紙の本を抱え、左手は肉球を見せてお客さまを呼び込む、
張子の招き猫をプレゼントして下さった。

 薄墨色の眉毛柄の白猫で、背中を見ると同じグレイの
しっぽがのぞいている。これから伊呂波文庫さんへ廻られる
そうだが、伊呂波さんとこのは、草色の本を抱いている。

 「中新愛書組、みたいですね」
 「ついでに組のバッジも、作っていただけないでしょうか」
実現したら嬉しいです。

 ねこ張子は型ができていて、それに一つずつ胡粉を塗り、
絵を描くのだそうで、一回で描き上げないとボツになる。
 胡粉を塗り直しても墨は胡粉より強いので、どうしても
透けて見える、と仰る。墨>胡粉>絵具という順番らしい。

 レジ前の招き猫にまた一匹加わり、さあ、お客さま、
いらっしゃいまし。
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by byogakudo | 2008-10-28 13:21 | 雑録 | Comments(0)
2008年 10月 27日

「絵空ごと」半分ほど

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 ヒューマーとは、ものごとに対する距離感に生じるおかしみ、
自分自身をもからかう態度・自己客観視から生じる笑い、のこと
と理解している。

 滑稽さにおいては小説中、白眉といえるウィルコックス氏の
「日本の英国紳士」養成用寄宿舎の話であるが、ここでは
ヒューマーはむしろ成り上がりものに対する攻撃的なブラック
ヒューマーとして展開される。

 「唐様で書く三代目」にもなれば、もう成り上がりとは
呼ばれないだろうが、二代目あたりでは成金のしっぽが取れず、
散々にからかわれている。
 ここで、ふと、吉田健一は維新の元勲以来、何代目にあたる
のかと、不穏当・不適切なことを考えてしまったのは、こちらの
育ちがよろしくないからであろう。

 小説の眼目はもちろん、そんなことではなく、擬制の終焉を
吉田健一式に語れば、かくもエレガント、ノンシャランになる。

 ところで話はそれるが、吉田健一・甥の現首相、ホテルのバーに
夜な夜な通うことを批判され逆上しているようだが、批判する方も
される方も、論点がヘンではないか。

 私的な時間をどう過ごそうと、私人公人を問わず、どうでも
よいことである。
 だが政治家という公人の場合、オフでも人目はつきまとう。
世界恐慌のただ中で夜毎のバー通いが報じられて、人々の目にどう
映るか、それを感じない・考えないのは、政治家の身振り(パフォー
マンス)として、ヘマである。

 報じる側も、「庶民感情」という括りに安住して、批判しては
いないだろうか。敗戦後の日本は、かつての集団思考を反省し、
個人が個人として生きることを選ぶ、個人主義者の日本を目指して
いたのではないかしら。
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by byogakudo | 2008-10-27 13:25 | 読書ノート | Comments(0)
2008年 10月 26日

吉田健一「絵空ごと」再読中

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 むかし文庫版で読んだ吉田健一「絵空ごと」を単行本で
読み返し始めた(河出書房新社 71初帯函)。
 忘れているせいもあるが、文庫本のときとは印象が違う。
単行本だと、ゆっくり読み進められる。その違いだろうか。

 どれほど変化しても東京が東京であることは変らない、
と吉田健一は小説中で書いているが、今の東京に生きていた
として、それでもそう言い切れるかしら。吉田健一なら
やはり言い切るか?

 ところで自分の無知と不勉強を棚に上げてしまうが、
吉田健一の小説には、ふらりと当然のように外国語の
フレーズが出てくる。詩も、登場人物だけが理解していて、
どんな詩であるのか読者には知らされない。読者も当然、
解っている筈だ、ということか。

 これらの注釈をせめて文庫版では入れてくれたら、もっと
理解も深まるのではないだろうか。あろうとなかろうと、
彼の小説世界のことだから、関係ないかも知れないけれど。
知らないままで読んでいるので、時々、心配になる。
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by byogakudo | 2008-10-26 13:31 | 読書ノート | Comments(0)
2008年 10月 25日

D・ホイートリー選「悪夢の化身」読了

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 半分ほど読んで休んでいた「悪夢の化身 ソノラマ文庫海外シリーズ18」
(デニス・ホイートリー選 ガイ・エンドア他 朝日ソノラマ 85初)を昨夜、
読了。

 T・F・ポイス「木霊(エコー)のする家」、A・E・コッパードの掌篇「鼠 :
その幻想」あたりの繊細さがやはり好き。それだのに、堂々と化け物の
出てくるウィリアム・ホープ・ホジスン「ユド女族の孤島」も、同じく
愉しんでしまう無定見さが、どうにも。

 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄
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by byogakudo | 2008-10-25 16:39 | 読書ノート | Comments(0)
2008年 10月 24日

F・ポール「22世紀の酔っぱらい」読了/五反田へ

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 大雨である。それなのに今日は五反田。行かずばなるまい。

 読みかけていたフレデリック・ポール「22世紀の酔っぱらい」
(創元推理文庫SF 71初)を、地下鉄往復で読了。予想より愉しめた。

 なんと構造は「大予言者カルキ」(ゴア・ヴィダル サンリオ
80初帯)と同じである。こちらの原作は1960年刊、「カルキ」は
1978年だが、超人思想の持主たちが、人口爆発の危機を回避する
ために、劣等とみなす大多数の人類を滅ぼし、新世界を樹立しよう
と試みる(もちろん、失敗する)物語だ。

 ゴア・ヴィダルは、SFの形式を借りてヒッピーやウィメンズリブを
からかう意図が感じられるが、こちらは真面目に最大公約数の幸福を
願う。草の根の健全さに賭ける思想であろう。アメリカ人である。


 岡崎武志様と「古本屋ツァー・イン・ジャパン」様、過分な
お褒めの言葉をありがとうございます。
 お二人のブログから当ブログにいらした方、感謝申上げます。

 でも、お二人とも褒め過ぎですから、特に本の感想文はあまり
信用しないで下さい。好みが偏り過ぎで、ブックガイドとしては
役に立ちません。
 Sの写真はいつも素敵ですので、これからも時々見ていただければ
幸いです。
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by byogakudo | 2008-10-24 19:53 | 読書ノート | Comments(2)
2008年 10月 23日

行くべし、美咲歌芽句ポエトリー・リーディング!

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 在京中の美咲歌芽句(みさか・めぐ Mr.Kiteヴォーカルのジーン)から
電話がある。なになに、すでに昨夜「青い部屋」で詩の朗読をやった?

 芽句は忙しくてブログの更新ができず、週末25日(土)の予定は
書いておいたが、うっかり、昨日22日(水)のスケジュールを書き落として
いたらしい。
 だから昨夜の「青い部屋」にいらした方は、思いがけないギフトを
受取ったようなものである。

 復刻されたばかりのフリップ&イーノ「ノー・プッシー・フッティング」を
かけながら、荒木康弘氏がドラムス。そして芽句の詩の朗読が
始まる。
 告知していないので、誰も録音していなかったようだが、みんなから
好評だったと、芽句は言う。もったいない・・・。

 けれども明後日がある。

 10月25日(土) シネセゾン渋谷
  9:20pm~9:40pm 美咲歌芽句 詩の朗読
             荒木康弘 ボンゴ
 映画「ROCKERS完全版」上映は、9:40pmから。

 同日 渋谷「青い部屋」
 10:10pm~10:22(23)pm 美咲歌芽句 詩の朗読
               荒木康弘 ドラムス

 前半のシネセゾンは、20分くらいの新作長詩の朗読、
後半「青い部屋」は22日(水)と同じだが、これも新作詩。

 残念ながら行けそうにない方もご安心を。新作詩2篇も、近々
彼女のブログで読めるようになります。(でも、彼女の朗読は
素敵なので、ライヴ会場に行くべきですよ!)

 以上、みなさま、よろしく!
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by byogakudo | 2008-10-23 12:16 | 美咲歌 芽句 | Comments(2)
2008年 10月 22日

ヘミングウェイ「移動祝祭日」読了

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 食わず嫌いの小説家のひとり、ヘミングウェイを初めて読むのが
「移動祝祭日」(三笠書房 64初函)であったのは、偶然とはいえ
すばらしいできごとだ。

 いきなりパリに冬が訪れる、まさにその瞬間から第一章「サン・
ミシェル広場の良いカフェ」は始まる。これだけでいい、とまで
思うほどだ。

< それからわるいお天気になった。秋が終ったときの或る日に、
 それはやってくるのだ。私たちは、雨に備えて、夜、窓をしめ
 なくてはならない。[中略]
  冬の最初の冷雨とともに、この都市のすべての悲しみが、
 突然やってきた。[以下略]>(p23~24)

 あの日のことを何て的確に書けるんだろう。わたしがそれを体験
したのは、それから50年も後のことであるのに。

 「シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店」(シルヴィア・ビーチ
河出書房新社 74初)は、もう以前に読んで記憶も薄れているが、
パリのアメリカ人たちの当時の交流の様子が、ヘミングウェイの側
から記される。

 書くことに専念して、あまり人づき合いのよくないヘミングウェイ
だが、カフェの前を通るヒレア・ベロック__名前しか知らない。
チェスタトンの友人?__を見かけたと信じていたら、それは
アリースター・クロウリーだと教えられる、妙な話もある。
(「フォード・マドックス・フォードと悪魔の弟子」p129~134)

 スコットとゼルダ・フィッツジェラルドについては三章が費やされる。
ゼルダ=悪妻説の根拠になったのだろう。女が読むと、「ゼルダは
スコットの仕事に嫉妬している」と書くヘミングウェイは、スコットに
恋してるせいでゼルダに嫉妬している、という解釈になるが。
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by byogakudo | 2008-10-22 14:34 | 読書ノート | Comments(0)